転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0154話
ガンダムSEED。それは遺伝子操作されて生まれてきたコーディネーターと、自然に生まれた人間であるナチュラルが戦争をしている世界だ。正直、俺としては卑屈になってコーディネーターを妬むナチュラルも、ナチュラルを見下すコーディネーターもどっちもどっちだと思っている。原作では最終的に逝ってる集団ブルーコスモスとコーディネーター以外は滅んでOKなパトリック・ザラがそれぞれナチュラル・コーディネーターの代表なのだから救いようがない。
「ニコル、何をしている? 早く機体を」
既に機体を起き上がらせている2機のガンダムのうち、デュエルから外部スピーカーでそう声が聞こえてくる。
なるほど、こいつがニコルか。つまり残っているあの1機がブリッツだな。
「イザーク、あれ見ろよ。ニコルの奴ナチュラルにやられてるみたいだぜ」
俺に鳩尾を殴られた事により、トレーラーに手を突き呼吸を整えているニコルを見たディアッカの声がバスターから聞こえてきた。
「何? ……ちっ、しょうがないな。ニコル、暫く待ってろ。地上部隊を呼ぶ」
馬鹿かこいつら。それを聞いて俺がそのままにしておくとでも思ってるのか?
……いや、特にナチュラルに対する差別意識の強いイザークとディアッカだ。それもしょうがないか。
だが、どうする? このままここで空間倉庫を展開して機体を出すか? ……いや、さすがにこれ程不特定多数の、しかも軍人の目がある中で俺の能力をバラすのは避けたい。となると、スライムを使うのも駄目か。そうなると……
視線を向けたのは、まだトレーラーに寝転がっているブリッツの姿。原作通りならまだ碌なOSもインストールされていない筈だ。マリュー・ラミアスがストライクを動かした時の事を考えるとヨチヨチ歩きするのがやっとな状態だろう。だが、それでも生身でジンやへリオポリスに潜入しているザフトの連中とやり合うよりはマシだ。幸い俺には精神コマンドという裏技もある。
「くっ、ふぅ、ふぅ……」
ようやく息を整えてこちらへと銃口を向けようとしたニコルだったが、それを待ってやる程俺は甘くない。素早く近づいてよろよろと上げられた腕を掴み、そのまま一本背負いの要領で地面へとその身体を叩きつける。
「ぐはっ!」
「ニコル!?」
イザークの驚きの声を聞きながら、ニコルをそのままにブリッツへとよじ登りコックピットへとその身を滑らせた。
幸いなのは、イザークもディアッカもそれぞれの機体を調整している為にこちらの邪魔が出来なかった事か。さすがに生身でイーゲルシュテルンとかを食らえば、幾ら何でもダメージがでかすぎる。そうなるとスライム等を使って防御するしかなかっただろう。
ブリッツを起動させると正面のモニタに
General
Unilateral
Neuro-Link
Dispersive
Autonomic
Maneuver
Synthesis System
と表示された。なるほど、これでガンダムか。
「くそっ、ニコル。お前は一端退け。あの機体は俺達が回収する」
ディアッカがそう声を掛けるが、イザークがそれを否定する。
「やめろ、ディアッカ。この機体はヴェサリウスに持ち帰ってクルーゼ隊長に渡すべき機体だ。まだ碌にOSも調整していない状態で下手に壊したりしたら赤の名折れだぞ」
「ちぃっ、……分かった。ならへリオポリスに潜入しているジンを呼んで回収してもらうって事でいいか?」
「ああ。……ニコル、乗れ!」
OSの調整が終わったのかデュエルが手を差し出すと、ニコルがヨロヨロとその手の平の上に倒れ込む。
「その機体に乗ってる奴、お前はザフトを敵に回した。それを分かっているんだな?」
イザークからの声を聞きながら、コックピットのレイアウトを確認する。俺が乗っているグロウセイヴァーやトリニティゲイン、コードギアスの世界で使用したランドリオンやガーリオンと比べるとかなり古くさいレイアウトに感じるが、この世界ではこれが最新鋭なのは間違いない。大体の見当を付けてスイッチを入れると、どうやら運良くそれが外部スピーカーのスイッチだったらしい。
「さてな。俺は攻撃してきた相手に反撃しただけだ。正当防衛だよ、正当防衛。……それに俺が敵に回したのはザフトじゃなくて人の物を盗むこそ泥だと思うんだが、そのこそ泥としてはどう思う?」
「……貴様ぁっ、覚えておけよ!」
最後にそう言い残すと、デュエルとバスターはへリオポリスを離脱していった。
しまったな。わざわざ挑発するような真似をしてしまった。悪気はなかったんだが……今更弁解しても遅いか。それにどうせイザークはキラに執心するんだから俺に構う事はないだろう。
「っと、もう来たのか!?」
何とか表示させたモニタに映されたのは、MS用の突撃機銃を構えたジンの姿。恐らくイザークとディアッカに連絡を貰った機体だろう。そのジンがこちらへと突撃機銃の銃口を向け……
くそっ、PS装甲のスイッチはどれだ!?
コックピットにあるスイッチを適当に押していると、運が良かったのかPS装甲を展開させるスイッチをONにする事が出来、ブリッツの機体色が灰色から黒へと変化する。
後はOSを何とかしたい所だが、残念ながら俺はそっち方面の技術は持っていない。機体の調整なんかは殆どレモン任せだったツケがこんな所でくるとはな。
おまけにブリッツの武装はその殆どが攻盾システムトリケロスに集中している。他には左腕に装備されるロケットアンカーのピアサーロックグレイプニールのみだ。そして最悪なのは、今のブリッツはそのどちらもトレーラーに積み込まれたままで完全に無手の状態だという事だ。
つまりはヨチヨチ歩きしか出来ないOSで、武器も無しにジンを撃退しないと駄目な訳だ。不幸中の幸いなのはPS装甲により格闘戦が可能な事だが……このOSで格闘戦か。
そんな風に考えている間にもジンの突撃機銃から発射された銃弾がガンッ、ガンッと音を立てながらブリッツの装甲へと命中している。
「原作のストライクはイーゲルシュテルンやアーマーシュナイダーがあったのに、何だこの無理ゲーは」
ぶつくさと言いながらも、なんとかブリッツの挙動を確認しながら操縦方法を確認していく。まるで酔っ払いのような動きだが、徐々にその頼りない動きをコントロールするのに成功していく。……とは言っても、泥酔した酔っ払いの動きが戦闘態勢を取った幼児になったようなものだが。
突撃機銃は効果が無いと悟ったのか、ジンは左の腰に装備していた刀――重斬刀――を振りかぶってこちらへと接近してくる。
「くっ!」
咄嗟にブリッツをよろめかせ、袈裟懸けに振り下ろされた重斬刀を回避。
「覚醒!」
同時に精神コマンドの覚醒を使用。不思議な力が湧き上がり再度の行動を可能とする。
覚醒の効果により、振り下ろされた重斬刀をそのまま横薙ぎにされた一閃を回避。そのままよろめいた遠心力を使用して裏拳……というには頼りない一撃をジンの頭部へと叩きつける。
PS装甲によりブリッツの損傷は無かったが、遠心力が加わっていたブリッツの拳はジンの頭部にあるトサカ状の部分を破壊する事に成功した。
だが、それが余計に相手の怒りを買ったのだろう。再び重斬刀を構え連続で突きを放ってくるジン。
大ぶりの一撃ならともかく、点の攻撃である突きを、しかも連続で繰り出されると回避するのは非常に難しい。ふらつくブリッツの装甲へと幾度となくその切っ先がぶつかるが、ガンッという鈍い音を立てるのみで機体の損傷はない。
しかしこのまま長時間攻撃に晒され続けていれば、そのうちエネルギーが切れてPS装甲がダウンしてしまうだろう。その前に何とかしなければ。
幾ら素早い突きだとは言っても藤堂の三段突き程ではない為、付け入る隙はある。……あるのだが、それはあくまでも俺の操縦している機体がまともに動くならの話だ。この千鳥足状態ではそれも難しい。
「ちぃっ、またか!」
一端退いたジンだったが、再び重斬刀による攻撃を仕掛けて来る。突き、突き、突き。回避、防御、防御……ここだっ!
放たれた攻撃は回避され、あるいは当たってもまるでダメージがない事に苛立ちも頂点に達したのか、ジンは全力を込めた突きを放つ。全力を込めたが故に隙の大きいその攻撃を、千鳥足のままよろめく事で回避に成功する。
「覚醒、愛!」
精神コマンドの覚醒を使用すると不思議な力が湧き上がり、先程と同じく再度の行動を可能にする。そして愛の使用により幾多もの効果が発動する。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっっ!」
突きの一撃を回避し、揺らいだままの状態からバーニアを全開にしてジンのコックピット目掛けて肘を突き出したまま全速力でぶつかっていく。
グシャッというまるで缶ジュースの空き缶を車で踏みつぶした時のような音が聞こえ、PS装甲が展開されたブリッツの右肘はジンのコックピットを潰していた。
その寸前に接触回線により『うわああぁぁぁ』というジンのパイロットらしき悲鳴が聞こえてきたが、こちらを攻撃してきて逆襲されたのだから自業自得以外のなにものでもないだろう。
それにしても、ジン1機を倒すのに覚醒を2回に愛を1回。……SPの消耗具合が洒落にならないな。幸いSPブーストに含まれているSP回復の効果もあり、こうしている間にも徐々に回復してきてはいる。だがジン1機でこの様だ。残りのジンが来たらどうしようもない。とにかくブリッツのOSを調整してまともに動くように設定しないといけないんだが、それに関しては俺にはどうしようもない。……アークエンジェルに頼るしかない、か。あの艦ならキラもいるし、ブリッツのOSを作って貰う事も可能だろう。最悪でもストライクのOSをコピーさせて貰えばいい。
唯一にして最大の問題は、俺が転移者だという事か。つまりこのC.E.の世界には俺の戸籍なんかは当然ある筈もなく……やっぱりコードギアスの時と同じく傭兵と言い切るしかないな。俺は殆ど知らないが、ガンダムSEEDの外伝的な内容でASTRAYとかいうのがあって、その主人公は傭兵だった筈だ。……あれ? ジャンク屋だったか? まぁ、ともかく傭兵という職業があるのは確定なので俺が傭兵と名乗っても問題はないだろう。
そんな事を考えていると、唐突に爆発音が聞こえてきた。そちらへとブリッツの頭を動かすと、そこにいたのは3機のMSだった。一機はへリオポリス内を破壊していたジン。もう一機はイージス。そして最後の一機がストライクだ。後者の2機はまだPS装甲を展開していないらしく装甲が灰色のまま立ち尽くしている。
このままここにボーっと突っ立っていると見つかってややこしい事になりそうだと判断し、よろよろとではあるがビルの影へとその身を隠してストライクやイージスの様子を窺う。
幸いアスランはキラの事が、ジンは目の前のストライクの事が。キラとマリューはストライクを動かす事が精一杯でこちらについては気が付いていないらしい。
そこからは原作通りの流れとなる。よろよろと、俺の乗っているブリッツのように歩きながらもPS装甲を展開。跳躍したジンが振り下ろした重斬刀をその腕で防ぎ、殆ど同時にイージスもPS装甲を展開する。
イージスはイーゲルシュテルンでミサイルを積んだ車両を破壊し、そのままへリオポリスを脱出していく。
OSが未完成の状態のストライクはジンの攻撃により滅多打ちにされるが、トドメとばかりに突き出された重斬刀をしゃがんで回避し、その反動を使い膝蹴りを叩き込む。ここからストライクの動きが変わった。原作通りにマリューに変わりキラが操縦し始めたのだろう。
重斬刀を回避し、その顔面へとPS装甲を展開した拳で殴りつける。……俺とやってる事は同じなのだが、碌にダメージを与えられなかった俺とは違い、ストライクの拳はジンを吹き飛ばしてビルへとめり込ませる事に成功する。
立ち上がったジンは突撃機銃でストライクを狙うがPS装甲には効果が無く、バーニアを吹かしたストライクに回避されアーマーシュナイダーを右肩と首筋へと刺しこむ。
次の瞬間には、ジンのコックピットが開きパイロットが脱出。殆ど同時にジンが自爆して消滅する。
……こうして見ていると、俺がジンのコックピットを直接潰して撃破したというのは運が良かったんだな。少なくてもコックピットブロックと頭部のトサカ以外は無傷のジンとその武装を入手出来たのだから。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:490
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:255
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