武で語るがよい!
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お友達の作り方
Side なのは
赤い空に照らされた林の中を男の子が必死に駆けている・・・
その男の子を追いかけるように、黒い生き物が林の中をヒュンヒュンと移動している・・・
2つは引き合い・・・男の子と黒い生き物がぶつかり合っている・・・
その衝突は赤く照らされた林を光で包んでいった。
『ぴぴぴ、ぴぴぴ』
高町家の2階に住む女の子の部室から、携帯電話のアラームの音が部室に響き渡っている。
布団で丸くなっている女の子は、ベットの枕元に置かれた携帯電話のアラームを切ろうともぞもぞと動いている。
しかし携帯電話の位置が正確に分からないのだろうか? 女の子は誤って携帯電話を床に落下させてしまった。
コツンという携帯電話の落下音を元に、自分の手が携帯電話へと伸び、ようやくアラームが止んだ。アラームを止めた彼女はむくりと起き上がり、先ほど見ていた夢が妙に頭から離れないという状況にいた。
「何だったんだろう?」
彼女は寝起きで、ぼーっとする頭の中で先ほどの夢は何だったんだろう? と数分間考えていた。
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皆さん始めまして! 私は私立聖祥大学付属小学校3年生の高町なのはです。
今私は台所にいるお母さん、高町桃子さんと一緒に朝ごはんの準備をしています
まぁ、私はお皿の準備をしただけなんだけどね、にゃはは……。
「お母さんの手伝いか、偉いぞなのは」
リビングのテーブルに腰掛けて、こちらに笑顔を向けてくる男性は私のお父さんで、高町士郎さんといいます。お父さんは喫茶翠屋のマスターをしていてパティシエのお母さんと一緒にお店の経営をしています。
「お、なのは今日は早起きだな」
「おはよう、なのは」
「おはよう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
今、リビングに来たのはお兄ちゃんの高町恭也さんとお姉ちゃんの高町美由希さんです。
お兄ちゃんはお父さん直伝の剣術を教え込まれていて、よくお姉ちゃんの稽古をつけるお師匠さん役をしています。
「それじゃあ、みんな揃ったから朝ごはんにしましょうね」
お母さんの言葉とともに私達はリビングのテーブルに着きました。
テーブルにはスクランブルエッグやお魚などの色々なおかずが並んでいます
・・・うぅお腹減ってきたの……。
「それじゃあ、頂きましょうか」
「「「いただきます」」」
「ふふ、どうぞ召し上がれ」
パクパク、もぐもぐ・・・
うん、今日もお母さんの料理はおいしの、特にこのスクランブルエッグが美味しいの。
「お母さん、このスクランブルエッグとっても美味しいよ」
「お! なのはもそう思うか、お父さんもこのスクランブルエッグがとても美味しいと
思っていたんだ」
「本当~! 実は隠し味にトマトとチーズとバジルを入れてみたの」
お母さんはパティシエだけど、こういった料理もすごく得意でよく自分で料理をアレンジしています。アレンジした料理は今日のスクランブルエッグの様に、とっても美味しくて私達家族の舌を飽きさせません・・・いつか私もお母さんみたいに料理が上手くなりたいです。
皆で朝ごはんを食べている内に、お兄ちゃんとお姉ちゃんは学校に登校する時間になり、私よりも一足早く学校に向かいました。私もそろそろ学校に行かないといけない時間になったので、学校に行く為に玄関で靴を履きます。靴を履いている最中にリビングに居たお母さんとお父さんが玄関まで来て、私を見送ってくれました。
「お母さんお父さん、いってきま~す」
「いってらっしゃいなのは」
「車に気を付けるんだぞなのは?」
「は~い」
私はお母さんとお父さんに手を振りながらバス亭を目指すのでした。
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『私立聖祥大学付属小学校行き発車します』
私達の小学校では毎日登校する際に、バス亭を経由してスクールバスが来てくれるので
私は毎回活用しています、そして今私はそのスクールバスに乗車して所です。
「なのは~こっちよ」
「なのはちゃんこっちだよ」
乗車した際に何処に座ろうか迷っていると一番奥の席から自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきました。ふと、呼ばれた方に視線を向けるとそこには笑顔でこちらに手を振る私の友達が居ました。
「アリサちゃん、すずかちゃん、おはよう」
「おはよう、なのは」
「おはよう、なのはちゃん」
私の挨拶にアリサちゃん、すずかちゃん、が順に挨拶を返してくれると同時に二人が左右に離れて、私が座る席を提供してくれました。
私は二人が空けてくれた席に座り、昨日のドラマやバラエティー番組の話などをしてバスの中で楽しい時間を過ごしました。
今ではこの様に挨拶をしたり、楽しい会話をする仲になりましたが、出会った時最初の出会いは衝撃的なものでした。昔のアリサちゃんは殺伐とした感じの子、すずかちゃんはすっごく大人しそうな印象の子でした、そんな二人がある日学校の中庭で言い争っていました。正確にはアリサちゃんがすずかちゃんのカチャーシャを取り上げている場面でした。
その一部始終を見ていた私は声を掛けて止めようと思っていました……ですが、気が付いたらアリサちゃんの右頬をひっぱ叩いていました……『あれ?何で先に手が出たんだろう?』と自分でも内心びっくりな状況でしたが、ここで引いたらダメだと思ったので私は言葉を発しました
『痛い? でも、大切なものを取られた月村さんはもっと痛いんだよ?』
今思えば内気だった私があのような行動を取れたのか謎です……
(作:まぁ、将来的に管理局の白い悪魔と呼ばれた人ですから)
そんな私の行動にポカ~ンとしていた二人でしたが、時間が経つに連れて徐々にアリサちゃんは自分が何をされたのかを理解すると、アリサちゃんは『何すんのよ!』私にやり返すように襲い掛かり、私とアリサちゃんはキャット・ファイトに発展していました。
私の左頬に迫り来るアリサちゃんの平手を頭を下にスッ!と下げる事によって回避に成功し、その際に私はもう一度アリサちゃんの頬を平手でまた叩く……今度は左頬である。
『くぅ~! 何でまた叩くのよ!』
そう言って涙目になったアリサちゃんは再度私に襲いかかりますが
私はその全てを避け、お返しとばかりに平手を返します。
今思えば、運動音痴の私がどうしてアリサちゃんの攻撃を見切れていたのかが解りません。
―――パァシーン!
―――パァシーン!
という効果音が中庭に響きます
その音が鳴る度にアリサちゃん目に涙を溜め、泣いてしまいました。
そんな私達の喧嘩を止めたのは、すずかちゃんの『もう止めて!』という必死の声
でした・……。
その後、アリサちゃんはすずかちゃんに『興味本位でカチューシャを取って……ごめんなさい』と涙を流しながらカチューシャを返していました。すずかちゃんはそれに慌てた様に『も、もう怒ってないよ!大丈夫だから!』とアリサちゃんの体を強く抱きしめていました。
私はその光景を見て『仲直り出来たんだね・・・なら今日から私達は友達だね!』と言うとすずかちゃんは驚いた顔をして、アリサちゃんは『ひっ!』と怯えた目をこちらに向けながらすずかちゃんにさらに強く抱きついていました。
その日から私達は3人で一緒に遊ぶ様になっていきました。
最初の頃のすずかちゃんは少々警戒いた程度でしたがアリサちゃんは私に対しては常に敬語を使ってきていました、私と話す時も『はい! 何でしょう! なのはさん!』と体をビクビク揺らしながら強張った顔をしていました、ですが一月、二月と時間が経過していく中で、私に対するすずかちゃんとアリサちゃんの接し方は徐々に改善されて行き、今では掛け替えのない親友という関係になって行きました。
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バスから降りて私達3人は自分達の教室である3年1組に会話をしながら向かって
行きました。
『はーっははは! 誠、今日こそ負けんぞ!』
『藤田やるなら早く投げてくれ、先生が来たら怒れるぞ?』
教室のドアが近づくに連れて教室の中から男子達の声や笑い声が聞こえてきました
「何だろうね、この声?」
「どうせ内のクラスの男子が騒いでいるだけよ」
「あはは・・・アリサちゃんたっら」
私の疑問にアリサちゃんは呆れながら教室の方を見て言い、すずかちゃんは苦笑いをしながら困った顔をしながらも、アリサちゃんと同じ様に教室の方に目を向けるのでした
「はぁ~朝から気が滅入るわ……」
「あはは……アリサちゃん学級委員長だもんね」
「にゃはは……大変だね…アリサちゃん」
アリサちゃんは肩を”ガックシ”という擬音が出るほどに落ち込みます
ですが、すぐさま凛々しく姿勢を正して教室のドアに手を掛け・・・・・・
「アンタ達! 少しはs(スパァン!)」
教室のドアを開けた瞬間、高速の紙ボールがアリサちゃんの顔面にクリーンヒットしました。
Side out なのは
そう…全ての発端はこの一声だった。
「誠! 紙ボールで野球しようぜ!」
いや、最初は断ったよ「藤田よ・・・もうすぐ先生が来るから止めとく」とやんわり答えたら
「えぇ!! そりゃーないぜ! 昨日、誠に俺のフォークをフルボッコにされたから修行して新しい変化球覚えたんだよ、だからさぁー紙ボールでいいからやってくれよぉ~一分で終わるからさぁー」
と言いながら藤田は俺にすがる様に泣き付いてきた
おいおい、勘弁してくれ男子が男子にすがってる絵なんて気持ち悪いぞ!
ほら、皆が怪しい目でこっちを見てきてるじゃん!
「分かった、分かったから離れろ! 回りが変な目で見て来るだろうが!」
「よっしゃ! じゃあ、教室の後ろの方でやろうぜ!」
『はぁ~』と内心ため息を吐きながら藤田と共に後ろの方に行き、お互いに距離を開けてそれぞれ相手に向き合いお互いに戦うべき武器を手に持っている。藤田なら紙ボールをそして俺は自分の上履きを持っている状態である。
「はーっははは! 誠、今日こそ負けんぞ!」
「藤田やるなら早く投げてくれ、先生が来てしまう」
よほど楽しいのだろうか? 藤田のテンションがハイになっている状態である
まぁ、初見の球を速攻で打ってサッサと終わらせればいいか……。
そうだ……紙ボールの打った時の起動は真直ぐ高めにしておくか、他の人に当たったら
迷惑だしな……。
そう考えている内に藤田が得意のワインドアップの構えをして、こちらに投球してきた
「いっけー! 俺のカーブ!!」
「……いや、叫んじゃダメだろ(スパァン!)」
と藤田が自ら自分の球種をばらしたので難なく打つ事が出来た・・・しかし、ここである問題が起きた・・・いつもの様にバットで打つ感覚で打ったので自分で描いたコースよりも右下の方……つまり教室のドアの方にボールが行ってしまったのである。
そして、さらに問題なのはそのドアが『ガァララ!!』という効果音の元、誰かが教室に入って来てしまったのである。
「アンタ! 達少しはs(スパァン!)」
俺の打ったボールは何かを訴えようとしたバニングスさんの顔面に"スパァン!"という効果音を与え、直撃してしまった……。
バニングスさんは、ボールが当たった衝撃で頭の角度が60度近く上に跳ね上がり、天井を見上げている状態である。そして見上げていた顔が徐々にスッという効果音と共に下がっていく……。
「ア・ン・タ・達! 何すんのよ!!」
顔が正しい位置に戻るとそこにはエメルドグリーンの瞳をこれでもかという位に吊り上げ、長い金髪を逆立てている鬼神がそこには居た。その目の色といい、髪の毛の色といい某戦闘民族の姿が頭に思い浮かぶ……さながらスーパーアリサといったところだろうか?
まぁ、冗談はこの位にするとして……どうするよ?
今この状況において俺と藤田の過失はもはや100%だ……バニングスさんが怒るのも無理も無い事だ……。しかし、これは少々怒りのレベルというものが高くないか?
前世のギャル語で言えば『カム着火インフェルノォォォォオオウ 』レベルだ……。
バニングスさんには悪いが……コレは逃げた方が良くないか?
「い、いやーごめんな、バニングスさん…大丈夫か?」
俺が逃走するべきか否かを考えている途中……
藤田が手を合わせながら謝罪をしつつ大丈夫か? とバニングスさんに近寄っていく……。
おいおい、なぜ今バニングスさんに近づくんだ藤田! 殴られるのがオチだぞ!
「は、早まるな藤田! 今のソイツに近寄ったらダメだ!!」
「え? ッ!?」
クッ! 遅かったか!
藤田が俺の呼びかけに振り向いた瞬間、バニングスは藤田に対して強力なリバーブローを放ち、それを受けた藤田はその場に倒れこみ、今現在悶絶している状態である。
そして、藤田を見下ろして『フン!』と鼻で笑い
もう興味はないと視線を藤田から外し、こちらを見てくるバニングスさん……。
そして、真直ぐ俺を睨み付けながら一歩また一歩と前進してくる……怖ぇ…。
俺は蛇に睨まれた蛙の如く背中に冷やりと冷たい汗を垂らしていた……。
『もう、逃げよう』と決めたその時である『ガララ!』というドアが開く音が聞こえた。
「皆さ~ん、朝の朝礼を始めるので席に座ってくださーい」
なるほど……どうやら神様は俺の味方らしい……
先生が来てしまえば、バニングスさんも迂闊に暴力は振るえんだろう。
「バ、バニングスさん、さっきのは俺らが悪かったよ
ごめんな―――」
この機に便乗してバニングスさんに謝罪をしていた最中の事である
彼女は唐突に左足を前に、そして右足を後ろに引いたかと思うとすぐさま自分の上半身を右向きに半回転させ……強烈な右フックを放ってきた。
バニングスさんが繰り出す右フックは目で追えたので、反射的に俺は避ける事ができた、しかし……一般の小学生にあれを回避しろと言われても無理な話だろう。
後、藤田に繰り出したパンチよりも俺に対して放った一撃の方が威力が数段上がっていたように感じたのは気のせいだと思いたい……。
「……あ、あはは……そ、それじゃあ、俺はもう自分の席に行くよ…」
「(……)」
一連の流れを見るに、バニングスさん何かしらの武術習ってるな……体の重心が安定してたし、かなり鋭い一撃だった……。
あれ? アリサ・バニングスって原作で武術なんて習ってたっけ? まぁいっか……。
それよりも問題なのは、さっきバニングスが俺にだけ聞こえる小言で言った一言が問題だ
『休憩時間になったら、覚悟しておきなさいよ……』
俺は自分の席について、天井を見上げてポツリと呟いた。
「……どうしよう」
誰か・・・助けてくださいと心の中で祈った俺であった。
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