スーパーヒーロー戦記
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第60話 影の月
守護騎士達の手によりクロノの恩師、ミサト・ハーヴェイが惨殺されてしまった。
怒りを胸にアースラ隊は守護騎士打倒へと動き出し始める。だが、それこそがこの物語を更なる泥沼じみた戦いへと陥れる始まりの合図だとは、誰も気づかないのであった。
***
アースラ隊からの追撃から逃れたヴォルケンリッター達は、一度人目のつかない夜の公園に集まっていた。皆殆ど連戦により疲弊しきっており、長時間の飛行は難しそうでもあった。
更に、守護騎士達を悩ませる難点がもう一つあった。
「なぁ、シャマル! どうにもならねぇのかよ?」
涙目になり訴えるヴィータ。そんな彼女の前でシャマルは苦い顔をしていた。四人に囲まれるようにベンチに寝かされているのはなのはであった。
純白のバリアジャケットは鮮血により赤く汚れており、その胸部には大きく鋭い切断跡が刻まれていた。
「駄目、傷が深過ぎるわ。私の魔力じゃどうにも出来ない……」
「バッキャロウ! 湖の騎士がそんな簡単に諦めるんじゃねぇよ! お前が出来なきゃこいつは……こいつは……」
崩れ落ち、ヴィータは言葉を失った。なのはがこんな深い傷を負う原因を作ったのは自分だったのだ。あの時、突如現れた管理局の魔導師に遅れをとらなければこんな結末にはならなかった筈だったからだ。
「シャマル、限界まで続けてくれ。せめて、こいつの傷口さえ塞げればそれでも構わない」
「出来るだけやってみるわ。急がないと此処も危ういでしょうし」
頷き、シャマルは再び魔力による治療を行った。だが、彼女もまた疲弊しきっている。魔力も残り少ない状態でこれだけの重症を治せるかといわれれば正直無理である。
だが、せめてこの痛々しい傷口だけでも塞ぎたい。でなければ彼女が苦しみ続ける事となってしまうからだ。
「……光太郎達は、無事に逃げ延びただろうか?」
ふと、ザフィーラは夜の空を見上げながら呟いた。あの戦闘の後、それぞれがバラバラに逃げ延びていたのだ。だが、集合場所など決めていない。もしかしたら、もう残っているのは自分達だけなのかも知れない。
言いようのない不安が騎士達に重く圧し掛かってきていた。そんな時、遂に最悪の事態が起きてしまった。
「御免……なさい……」
シャマルの手から光が消え失せてしまった。そして、謝罪するシャマル。魔力が切れてしまったのだ。もうこれで治療は出来ない。なのはを救う手立ては、無くなってしまったのだ。
「そんな……嘘だろ? おい! まだ魔力残ってるんだろう? だったら続けてくれよ!」
「無理を言うなヴィータ。シャマルを殺す気なのか?」
厳しくも、覇気のないシグナムの叱りを受ける。彼女も悔しかったのだ。騎士としての誇りを持ち、誰にも負けない誇りと力を持ちながら、たった一人の仲間を救う事が出来ない。
何と歯痒い事か。
「ち、ちびっ子ぉ……すまねぇ! 私の、私のせいでお前がこんな……」
ヴィータは泣きながら謝罪した。幾ら謝ろうと帰ってくる言葉はない。それでも謝りたいのだ。
でなければ気が治まらないのだ。
「シャマル、このままだと高町は後どれ位保つんだ?」
「これだけの深い傷を負ってしまったのだから。もうそう長くは保たないわ……」
「そうか……」
静かに了解する。
突如、シグナムは腰に挿してあったレヴァンティンを抜き放った。月夜に照らされて刀身が光り輝く。
その刀身を真下に居るなのはに向けだした。
「何する気だよ?」
「これ以上苦しませるのは残酷だろう。どうせ助からないのなら、一思いに楽にさせてやる。それが、仲間として出来るたった一つの情けだ」
「止めろ! まだ死んだと決まった訳じゃねぇだろう!」
「ならば、ならばお前はこのままこいつが死ぬその時まで苦しみ続けろと言うのか?」
その言葉を聞き、ヴィータは黙り込んだ。このまま助けられないのであれば、なのはに待っているのは死に至るまで激痛に苦しむ事になる。そんな光景を見ている事など出来ない。
どうせ助からないと言うのならば、いっそ楽にしてやろう。それがシグナムに出来るたった一つの情けでもあったのだ。
「業は私が背負う。恨むなら、私を恨め……高町なのは!」
最後に名前を述べ、刀身を真っ直ぐ振り下ろす。その先には幼い彼女の心臓があった。其処を一突きすれば、今の弱っているなのはならばすぐにでも昇天出来る筈だ。
だが、突き刺さったのはそんななのはの心臓から遠くずれた下のベンチであった。彼女の体には全く突き刺さっていない。
「シグナム……」
一同が彼女の名を呼んだ。そんな彼等の前で、シグナムは泣いていたのだ。情けない! 今まで多くの命を奪ってきた身でありながら、今此処に来て躊躇いを感じると言うのか?
シグナムは自分自身を毒づいた。此処でこんな悠長な事をしている間にも、なのはは苦しみ続けている。早く彼女を楽にさせてやりたい。にも関わらず、そんな彼女の両手は全く言う事を聞いてはくれなかった。
「情けない……今まで散々多くの命を奪ってきたと言うのに……今になって躊躇いを感じるとは」
「そう自分を責めるな」
自分自身を罵倒するシグナムの肩にそっとザフィーラが手を置いた。皆同じ気持ちなのだ。
仮に自分がシグナムの立場であったら同じように絶対に彼女を殺せないだろう。
「シグナム、刀を貸してくれ。あんたに出来ないんだったらあたしが……」
「待って!」
突如、シャマルが手を差して止める。何事かと思っていた一同をシャマルが指差す。それは未だに目を覚まさないなのはであった。
だが、驚きの光景はその直後であった。それは、なのはの胸部であった。
大きく開かれた傷口が突如一人でに塞がり始めたのだ。まるでビデオの逆再生でも掛けられたかの如くみるみる内に傷口が塞がって行く。そして、それは時間からしておよそ十数秒位の間には完全に傷口が塞がり、ついさっきまで開かれていた傷口が嘘の様になくなってしまったのだ。
「う……うぅ」
「見ろ! 意識が戻りだしたぞ」
驚きの光景が更に続いた。傷口が一人でに塞がり、更にはなのはの意識が戻りだしたのだ。
ゆっくりと目蓋を開き、起き上がる。
「あれ? 傷がなくなってる。有難う、シャマルさん」
「え? えと……あの……」
返答に困った。事実その傷を治したのはシャマルではなく、なのは自身の異常なまでの治癒能力でもあったからだ。
「ま、まぁ何にしても、ちびっ子が無事で何よりだなぁ」
「そ、そうだな……」
ヴィータやシグナム、それにザフィーラも未だに驚いたままであった。守護騎士である彼等でさえ、あそこまで短時間に回復など出来る筈がないのだから。
「そう言えば、光太郎さんや甲児さん達はどうしたんですか?」
「兜とデューク達は周囲を警戒してもらっている。周囲に管理局が居ないとも限らないからな」
「そうですか……」
やはりあれは夢ではなかった。と言う事になる。あの時の……かつての仲間であったアースラ隊との対立。そして、親友であったフェイトに斬られた時の痛み。
それらが全て現実の物であると痛々しくなのはの胸に刻まれている。
「何はともあれ、今は早く帰るとしよう。これ以上家を空けていては主が心配する」
「そうだな。早く帰ってはやての飯を食おうぜ」
今は悩んでいても仕方ない。とにかく前に進もう。
そう言い聞かせるかの様に一同は一路八神家へと戻った。だが、戻ってきた一同を出迎えたのは静寂であった。
「おかしい、人の気配がまるでしない。一体何故?」
「ちょっと待って……そ、そんな!」
シャマルが突如として青ざめる。その変わり様に一同の中で嫌な不安が過ぎった。
「どうしたんだ? シャマル」
「私達がアースラ隊と戦闘している間に……はやてちゃんが誘拐されたわ!」
「何だと! だが、この家の周囲には結界を張り巡らせていた筈だ!」
「何か強力な力で強引に破られた跡があるの。でも、こんな事が出来るのと言ったら……」
「奴等しかいない」
四人の騎士達の中で答えは出ていた。張り巡らした結界を破り、八神はやてを誘拐出来るほどの者と言えば奴等しか居ない。
そんな時、一人周囲の警戒を終えて戻ってきた光太郎と合流する。一同は、はやてが何者かに誘拐された事を光太郎に話した。
「間違いありません。そんな事が出来るのはゴルゴムです!」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。なんでそのゴルゴムがはやてちゃんを誘拐するんですか?」
「まさか……信彦を目覚めさせるつもりか!」
かつて、光太郎と共に世紀王として改造された秋月信彦。だが、彼は光太郎が逃亡する際に事故の影響で未だ目覚めない状況でもあった。
そして、その信彦を目覚めさせる生贄としてはやてが選ばれた。そうとしか考えられなかった。
「冗談じゃない! 我等が主を世紀王の生贄になどさせるか!」
「皆で探しましょう! 急がないと手遅れになる」
一同は戦いの疲れを背負いながらも捜索に乗り出すこととなった。急がなければ手遅れになってしまう。
時間はそれ程残されていないのだ。
***
その頃、ゴルゴム内の祭壇上に二つの透明な球体が浮かんでいた。その中にはそれぞれ中に人が入っていた。
一つにはゴルゴムが誘拐した八神はやてが。そして、もう一つの中にはバッタの姿をした怪人が眠っていた。
「これで良い。秋月信彦の義妹であるこの娘の魂を用いれば必ずやシャドームーンは目覚める。そうなればビルゲニアなど最早用済みだ」
「そうとなれば早く済ませてしまおう。奴に感づかれると色々と厄介だ」
二つの球体の下に居たのはゴルゴム三神官であった。彼等がはやてを誘拐した張本人でもあった。
守護騎士達の張った魔力結界も彼等ならば容易く破る事が出来る。そして、今その幼い命を生贄にし、未だ目覚めぬもう一人の世紀王シャドームーンを目覚めさせようとしていたのだ。
だが、その儀式を覗く者が居た。それは言わずと知れた剣聖ビルゲニアであった。
「冗談じゃない。シャドームーンが目覚めたら、俺は用済みとなる! それでは、俺は一体何の為に目覚めたというんだ! 奴等の好きにさせる物か! だが、今の俺ではブラックサンとあの忌々しい騎士共には勝てない。どうすれば……」
ビルゲニアが毒づく。このままでは自分はお払い箱となってしまう。それは嫌だ! 何としても創世王になる為にはシャドームーンが目覚めるのを阻止しなければならない。だが、その為にはもう一つの世紀王であるブラックサンこと仮面ライダーBLACKを葬らねばならない。
しかし、それにはあの四人の騎士が邪魔なのだ。
以前突如現れた四人の守護騎士達の為に大敗を喫したビルゲニア。何としても雪辱を晴らしたい。
そう思っていた時、突如ビルゲニアの脳に直接語り掛ける声が聞こえた。嫌、それ自体そもそも声と呼べるか甚だ疑問でもあった。
だが、聞こえたのだ。自分を呼ぶ声が。
「この声は……創世王様!」
その声に導かれるかの様にビルゲニアは玉座へとやってきた。其処には一本の剣が浮かんでいた。赤い刀身に金色の柄を持つ禍々しい光を放つ剣が其処にあったのだ。
「これは……次期創世王候補だけが持つ事を許されるサタンサーベル! これを私に……」
恐る恐るビルゲニアはサタンサーベルに近づく。そして、その柄を握り締めたとき、恐ろしい程のパワーが全身を駆け巡る感覚を感じられた。それと同時に、ビルゲニアは声を挙げて笑い出した。
「そうか、そう言う事か。流石は創世王様。真の次期創世王が誰なのかお分かりになったようだ。となれば、最早シャドームーンなど不要!」
勇み足でビルゲニアが向った先。それは三神官が儀式を行っている祭壇であった。
分厚い扉を蹴破り、ビルゲニアが中に入ってくる。
「な、ビルゲニア! 何の真似だ!」
「今すぐ儀式を中止しろ! シャドームーンは最早不要となったのだ!」
「なんだと!」
状況が把握出来ていない三神官。そんな神官達の前でビルゲニアは刀身を振り、衝撃波を発生させた。発せられた衝撃波ははやての入っている球体を破壊し、中に居たはやてをビルゲニアは抱え上げる。
「この娘は借りて行く。憎きブラックサンと忌々しい騎士達を葬る餌としてなぁ。そして、奴等を葬り、キングストーンを得た後には、今度は貴様等を始末してくれる!」
「ぐっ……」
三神官達はすぐさま八神はやてを取り返そうとビルゲニアに近づく。だが、そのビルゲニアが持っていた赤い刀身を持つ剣を眼にした時、彼等の動きはピタリと止まってしまった。
「そ、その剣は……まさか!」
「その通り、我等が創世王様は次期創世王は誰が相応しいかお分かりになったようだ。最早シャドームーンなど不要! 次期創世王はこの私、剣聖ビルゲニアとなったのだ!」
勝利の喜びを歌うかの様に高らかに笑いながらビルゲニアは祭壇から姿を消してしまった。
後に残ったのは三神官と未だ目覚めないシャドームーンだけであった。
「何故だ! 何故創世王様はあのような奴を次期創世王などに選んだと言うのだ!」
「このままでは、我々はビルゲニアに殺されてしまう」
「何としても、シャドームーンを目覚めさせねば……だが、その為の生贄も奪われてしまった」
三神官達の胸中に絶望の色が浮かびだす。その時、三神官達に語り掛ける声が響いた。
それは言わずもかな創世王の言葉であった。
「何ですと! シャドームーンの復活に天と地と海の石を使えとおっしゃるのですか!」
「創世王様、それはあんまりで御座います!」
バラオムが泣きついた。無理もない。彼等にとって天、地、海の石は生命の源なのだ。それを使えと言う事は彼等に死ねと言っているのと同義語に他ならない。
だが、幾ら抗議しようとも創世王は聞く耳を持たず、その声は消え去ってしまった。
「どうするのだ?」
「やるしかあるまい。このままではどの道、我等はビルゲニアに殺されてしまう。ならばいっその事……」
腹を決めた三神官達は未だ目覚めぬシャドームーンの前に集まる。そして、自分自身の体にあった命の源でもある天、地、海の石をそれぞれ吐き出し、宙空で一つに合わせる。合わされた三つの石は眩い光を放ちだす。
***
はやてを攫ったゴルゴムの行方を追って、光太郎達は海鳴市を探し回っていた。だが、未だ周囲には管理局の局員達が動いている危険性もある。余り下手に動けないのが現状であった。
そんな時、突如南光太郎の脳裏にビルゲニアの声が響いてきた。
【聞こえるか? 仮面ライダーBLACK!】
「この声は、ビルゲニア!」
「何!」
光太郎の発した言葉を聞き、近くに居た騎士達の顔色も変わり出す。
【貴様達の探している八神はやてと言う娘は俺が預かっている。返して欲しければ俺の待つ場所へ来るが良い】
「おのれ……ビルゲニアめ!」
怒りの闘志を胸に光太郎は声のした方を見る。その方角にあるのはかつてジュエルシード事件の発端の際に破壊された湖のある公園であった。其処にビルゲニアと、八神はやてが居る。
「待て、我々も行くぞ!」
「主をこれ以上危険な目に合わせる訳にはいかない」
「分かりました。皆で行きましょう」
「念の為に甲児達には引き続き周囲の警戒をさせておいた方が良いな」
ザフィーラの言い分に皆が頷く。ビルゲニアとの戦いの最中にアースラ隊が乱入してきたらそれこそ始末に負えなくなる。
「私も一緒に行きます!」
「なのはちゃん、だけど君は……」
「大丈夫です。傷は完全に塞がってますし、それに、はやてちゃんは私の大事な友達なんです!」
なのはの目は強く輝いていた。今の彼女を無理に説き伏せるのは出来そうにない。
「分かった。皆ついてきてくれ!」
こうして、光太郎を筆頭に四人の騎士達となのはを含めた六人はビルゲニアの待つ海鳴公園を目指した。
辺りは夜のせいか公園には人の気配がしない。それは彼等からしてみれば有り難い事でもあった。
そして、その公園の奥にある湖の近くに剣聖ビルゲニアの姿があった。
「ビルゲニア! はやてちゃんは何処だ?」
「フフフッ、安心しろ。まだ殺してはいない。最も、貴様等に万に一つの勝ち目などないがな」
「何言ってやがる! あんときあたしらにコテンパンにされた癖に!」
「我等が主を攫った報いを受けて貰うぞ!」
怒りを胸に四人の騎士がビルゲニアに挑もうとする。だが、そんな四人の前にビルゲニアは突如赤い刀身の剣を掲げた。
「動くな!」
ビルゲニアが一喝する。すると四人の動きがピタリと止まってしまったのだ。
「な、どうしたんだ? 皆!」
「か、体が……動かない……」
「まさか、何故貴様が……それを」
「フフフッ、流石はサタンサーベルだ。これがある限り貴様等守護騎士は俺に指一本触れる事は出来ない」
手にしていたその剣を嘗め回すように見ながらビルゲニアは言った。
どう言うことだ? あの剣と守護騎士達に一体何の関係があると言うのだろうか?
「どう言う事だ? シグナムさん達とその剣に一体何の関係があると言うんだ?」
「知らないのか? ならば教えてやろう。貴様が仲間と言って共に戦ってきた其処に居るヴォルケンリッターの騎士達。そいつらを作ったのは我等ゴルゴムなのだ!」
「何!?」
「そもそも、そいつらの使命は次期創世王候補である世紀王、そして創世王を守護する目的で作られた只の使い捨ての駒よ」
蔑むように笑いながらビルゲニアが目の前で動かない騎士達を見た。
その言葉に四人は悔しそうに顔をゆがめる。
「嘘だ! 彼女達は皆はやてちゃんを守る為に今まで戦ってきたんだ! そんな嘘を信じるものか!」
「ならば証拠を見せてやろう。まず其処のチビ!」
サタンサーベルの切っ先をヴィータに向ける。
「三遍回って【ワン】と言え!」
「だ、誰がそんな事……」
言葉を途中で切り、突如ヴィータはその場で三回回りだす。そして――
「わ、ワン!」
「なっ!」
「そ、そんな……」
目の前では信じられない光景があった。あのヴィータがビルゲニアの言う通りの事を行ったのだ。
「ハッハッハァ! 見たかブラックサン! これが何よりの証拠よ! これで貴様に味方は居なくなった! これで心置きなく貴様のキングスストーンを頂ける訳よ」
「許さない、許さないぞビルゲニア! 彼女達の騎士の誇りを弄んだ貴様だけは、絶対に許さない!」
動けない騎士達に代わり、仮面ライダーBLACKが構える。だが、ビルゲニアは未だに不適に笑ったままであった。
「騎士の心だと? まがい物の命しか持たないこいつらに心などある筈がない。そいつらは所詮この俺が創世王になる為の従順な奴隷に過ぎないのだからなぁ!」
下卑た笑いを浮かべるビルゲニアを前に、シグナム達は何も言えず、動く事も出来ず佇むだけであった。
逆らえないのだ。サタンサーベルを持つビルゲニアに、彼等は攻撃を加えることが出来ないのだ。
それがたまらなく悔しかった。騎士の心を、誇りをズタズタに切り裂かれた感覚が四人を襲った。
「そんな事ない! ヴィータちゃんも、シグナムさん達も、皆立派な騎士ですよ!」
「ち、ちびっ子……」
「ふん、何時ぞやの小娘か。貴様も居たのならば面白い趣向が出来るな」
更に不気味な笑みを浮かべだすビルゲニア。
「何をするつもりだ! ビルゲニア」
「知れた事。そいつらにも騎士の誇りがあると言うのなら、それをズタズタに引き裂いてやるまでの事よ! 守護騎士達よ!」
ビルゲニアが声を張り上げて命令する。その命令は、恐らく四人が絶対にして欲しくない命令でもあった。
「其処に居る小娘を殺せ! 最も残虐な方法でなぁ!」
「なっ!」
その命令を聞いた時、ライダーブラックは驚愕した。奴の狙いはシグナム達の騎士の誇りを打ち砕く事だったのだ。そしてその最善の方法として、高町なのは抹殺を命令したのだ。
「ぐっ、ぐぅぅ……」
「ち、ちびっ子……早く、逃げろ!」
なのはの前にビルゲニアの命を受けた守護騎士達が迫る。四人の意思とは無関係に体が勝手に動き出しているのだ。
「皆、止めて! 正気に戻って!」
「無駄だ小娘。この俺様の命令にそいつらは逆らえない! 大人しく殺されるが良い!」
「止めろビルゲニア! 今すぐその命令をとめろ!」
四人の騎士を救う為、ライダーブラックはビルゲニアに向い拳を放つ。だが、その一撃もビルゲニアの一閃の前に空しく返されてしまった。
ブラックの体に鋭い切り傷が出来上がる。
「ぐぁっ!」
「フハハハッ、ブラックサン! 貴様を殺すのはこの俺だ! 貴様はこの俺に切り刻まれながらゆっくりと仲間同士の殺し合いを見物しろ!」
***
なのはの前にはビルゲニアの命により操られたヴォルケンリッター達が襲い掛かってきた。現状のなのはにとってその戦いはまず厳しい物であった。
未だ完全に力が戻らない状態の上四対一である。まずなのはに勝ち目はなかった。
「ぐ、ぬあぁぁぁ!」
悲観の叫びをあげながらヴィータがアイゼンを振り下ろしてきた。それをレイジングハートを使い防ぐなのは。
「逃げろ、チビ! 頼むから、逃げてくれぇ!」
「い、嫌だ……みんなを置いて、逃げられないよ!」
必死に逃げる事を頼むヴィータだが、なのははそれを一蹴した。逃げられない。彼女達を置いて自分だけ逃げるなんて出来ないのだ。
だが、そんななのはに向かい更に無情の攻撃は続いた。今度はシグナムの斬撃が襲い掛かる。
防ごうとしたが間に合わない。右肩に痛みが走った。
掠ったのだ。それでも皮が切れ血しぶきが舞い上がる。
「づっ!」
斬られた箇所を押さえる。其処へ間髪居れずにザフィーラの重い拳が放たれる。
その拳はなのはの腹部に命中し、彼女の体をくの字に曲げる。
「あぐっ!」
苦痛の声を挙げるなのは。其処へトドメとばかりに飛翔したヴィータのアイゼンが襲い掛かってきた。既にカードリッジをロードした後なのか、その大きさは通常の約3倍にまで大きくなっていた。
「ヴィ、ヴィータ……ちゃん」
「止めろ! 頼む、避けてくれ! うわああああああ!」
必死に叫ぶヴィータ。だが、そんな彼女の思いとは裏腹に持っていたアイゼンはなのはに命中し、彼女を地面へと叩き付ける。
それが決めてとなった。
傷ついたなのはは地面にめり込み、微動だにしない。その手にレイジングハートは握られておらず、遥か後方に落ちていた。
「な、なのはちゃん!」
傷ついたライダーブラックの前では惨劇が起きていた。四人の騎士が一人の少女を痛めつける痛ましい光景が其処にあったのだ。
「ハッハッハッ、実に愉快な光景だ! 貴様もそう思うだろう? ブラックサン」
「止めろ、今すぐこんな事は止めさせるんだ!」
「止めさせるだと? 何故だ。こいつらが人を殺した事などざらになくあるのだぞ? それに、前にこいつらを嗅ぎ回っていた管理局とか言う局員もこの手で殺してやったがな」
「な、何だと!?」
更なる驚愕がライダーブラックを襲った。あの時、アースラ隊が言っていたのは本当の事だったのだ。
だが、シグナム達は殺した記憶がない。一体何故?
「フフフ、無くて当然だ。あの時、奴等を操っていたのは私ではなく、創世王様なのだからな」
「何!?」
「流石にキングストーンがなければ奴等の心まで完全に操る事など出来ん。だが、それを手にすれば奴等を完全に俺の奴隷に出来るのだ!」
恐ろしい事実が公となった。シグナム達は知らず知らずの内に操られていたのだ。彼女達を作ったゴルゴム、そして創世王の手により。
「さて、そろそろ余興もこれまでとするか……守護騎士達よ。さっさとその小娘にトドメを刺せ! 最も残虐な方法でなぁ」
ニヤリと微笑むビルゲニア。すると、シャマルがクラールヴィントを起動させ、なのはの両腕に絡みつかせて宙吊りの状態にする。
その時、一同の目に映ったなのはの姿はとても痛々しかった。
ズタボロになったバリアジャケット。体中も騎士達の攻撃により傷だらけになっており所々では血が滲んでいた。
「さて、烈火の将よ! 貴様の手でその小娘を切り殺せ! カードリッジをロードしろ!」
「ぐっ……」
シグナムの意志とは無関係に彼女の手がカードリッジを取り出してレヴァンティンに差し込む。
すると、刀身に青い炎が纏われる。
「まさか、止めるんだ、シグナムさん!」
「黙って見ていろ!」
後ろで叫ぶライダーブラックにビルゲニアのサタンサーベルが突き刺さる。
「ぐぁっ!」
「貴様は其処で黙って見ているが良い。これから始まる残虐な幕切れをなぁ! 何をしている烈火の将よ! さっさと殺せ! 紫電一閃を放て!」
ビルゲニアの命が飛ぶ。青い炎を纏ったレヴァンティンを両手に持ち、シグナムが構える。
「や、止めろ……止めてくれぇぇ!」
「ハハハハハハッ! 最高のショーだ! さぁ殺せ! 貴様の騎士の誇りとやらが以下に無駄で無粋な物か、此処に居る俺とブラックサンに見せてみろ!」
笑いながらビルゲニアが命じる。その命を受け、シグナムの体がなのは目掛けてレヴァンティンを振り下ろす。
「止めるんや!」
その刹那であった。声がした。主の声だ! はやての声だ!
それを聞いた時、シグナムの手が止まった。刀身はなのはの首筋で止まった。後少し遅かったら彼女の体は斜め一文字に切り裂かれていた筈だ。
「あ、主……」
「止めるんや! そないな命令、聞いたらあかん!」
見れば、湖の近くに無造作に置かれていたはやてが目を覚ましたのか、シグナム達を呼び止める。
「ちっ、折角のショーが。何をしている! さっさと殺せ! トドメを刺せ!」
「そないな奴の命令を聞いたらあかん! 目を覚ますんや!」
ビルゲニアと八神はやて。双方の命令が飛び交う。
何故だ? 何故俺の命令を聞かないのだ?
ビルゲニアは疑念に襲われた。あんな小娘の命令を何故奴等は聞く? 奴等は本来ゴルゴムが作り上げた世紀王を守護する為の駒の筈。ならば、何故奴等はあの小娘の命令を聞くと言うのだろうか。
その疑念がやがて、激しい怒りに包まれて行った。
「おのれ、忌々しい小娘め! そんなに死にたければ貴様から死ねぃ!」
怒り狂ったビルゲニアの放った衝撃波がはやて目掛けて飛んできた。
「は、はやてちゃん!」
「主!」
助けに向おうとしたが間に合わない。はやて自身も足の不自由さが祟り動けない。咄嗟に目を覆いその場で蹲った。
だが、その直後、衝撃波は何か強大な物により掻き消されてしまった。
目を開いたはやての目の前にあったのは、あの時守護騎士達を召還した一冊の書物であった。
「や、闇の書?」
「馬鹿な、何故こんな所に貴様が居るのだ! 貴様はかつて創世王様の手により倒された筈?」
ビルゲニアがはやての前に浮かぶ一冊の書物に対して声を荒立てる。一体何を言っているのだろうか?
創世王? 倒された? 謎が深まるばかりだった。
「そうか、守護騎士達をけしかけたのは貴様だったのか? よくも俺を馬鹿にしてくれたな! 先代世紀王!」
「なっ、先代世紀王だと!?」
「そうよ、その書物の中には先代世紀王の魂が封印されている。そうだ! その中にもあったなぁ! その中にもある筈だ! 貴様が持っていたキングストーンが!」
ビルゲニアの狂気が今度は一冊の書物へと向けられる。しかし、彼の放った狂気の刃は書物が張った結界を破る事は出来なかった。その結界の中にはやてとその書物は居た。
「あ、あの……貴方は、本当に先代の世紀王……さんなんですか?」
【そうです。私はかつて、次期創世王の座を巡り争う運命を強いられた者です】
書物から声が聞こえてきた。それは女性の声だった。何処か優しく、そして悲しげな女性の声が聞こえてきた。
【私は、創世王の力を使い、平和な世を築きたかったのです。ですが、もう一人の世紀王の罠に掛かり、私は命を奪われました】
「そんな、酷いわ。何でそないな酷い事をするんや!」
悲しみと怒りがはやての胸中にあふれ出す。彼女とて、元は平和に暮らしたかったのだ。だが、その彼女の人生をゴルゴムが歪めてしまったのだ。そして、その命さえも。
【私は、咄嗟にキングストーンを私の魂ごとこの書物に封印しました。その為、今の創世王は不完全な状態となってしまったのです。私は、ゴルゴムを倒す為、守護騎士達を作り、ゴルゴムと戦い続けてきました】
書物から見せられる歴史、それは長い戦いの歴史であった。書物が生み出した四人の騎士達は書物の持ち主と共に長きに渡りゴルゴムとの戦いを行ってきた。
だが、どの戦いも、途中で主が書物の力に負けてその命を落とす事で終わっていた。
どれも悲しい戦いの歴史だったのだ。
「辛かったんですね。ずっとこんな悲しい戦いを続けて来たなんて」
【いえ、これも私が背負った業なのです。でも、その業に貴方を巻き込んでしまった事を私は悔いています】
「そんな事ないです! 私はこうして家族を得られましたし、今もこうして貴方に助けられましたから」
そう言い、はやてはその書物を両手で掴む。その顔にはもう今までの弱弱しい少女の顔は何処にもなかった。
あったのは強い決意を胸に秘めた顔であった。
「先代世紀王さん、お願いです。私にその力を……世紀王の力を使わせて下さい!」
【私と共に戦ってくれるのですか? その先に待つのは決して平坦な道ではないのですよ】
「構いません。私も、ヴィータやシグナムやシャマルやザフィーラ。それに光太郎兄ちゃんやなのはちゃん達と一緒に戦いたいんです。もう、守られるだけなのは嫌なんです! だから……だから私にも力を!」
【分かりました。ならば、私の力と、世紀王の証であるキングストーンを受け取って下さい】
そう言い、闇の書から眩い光がはやての手に乗せられた。その光はやがて形を変え、小さなペンダントへと変えた。
「これが……キングストーン……なんやろ? 凄く温かいわぁ」
【創造して下さい。貴方の戦う姿を。戦う戦士の甲冑を】
「うん!」
強く頷き、はやてはペンダントを握り締めた。すると、ペンダントから眩い光が発せられ、はやての姿を瞬く間に変えていく。
白と黒の二色の騎士甲冑に背中には黒い羽を有し、ペンダントに良く似た杖と闇の書を手にはやては雄雄しく立っていた。
「ぐっ、何だ、今の光は?」
凄まじいまでの閃光にビルゲニアは目を覆っていた。やがて、その閃光が止むと、目の前には両足で大地に立つはやてが居た。
だが、その姿は今までのそれとは全く違い、なのはやヴォルケンリッター達と同じ騎士甲冑に身を包んでいたのだ。
「はやてちゃん、その姿は?」
「この中に居る先代の世紀王さんが私に力を貸してくれたんや。だから、これからは私も一緒に戦えるよ、光太郎兄ちゃん」
ニッコリと笑うはやて。そして、今度はビルゲニアを睨んだ。
「まさか、有り得ない! この世に三人の世紀王が生まれるなぞ!」
「こら其処の白顔! よぅも私の大事な家族を苛めたなぁ! 今の私はめっちゃ機嫌悪いでぇ!」
「ほざけ! なり損ないの世紀王如きに何が出来る! 貴様をその場で切り殺してそのキングストーンを頂いてくれるわ!」
怒号を張り上げてビルゲニアがサタンサーベルを振り下ろす。だが、その一撃をはやては易々と受け止めてしまった。受け止められた場所から全く微動だにしない。
「な、何ぃ!」
「言った筈やよ。今の私はめっちゃ機嫌が悪いって!」
その瞬間、ビルゲニアは吹き飛ばされた。はやてが放った魔力砲が彼を吹き飛ばしたのだ。凄まじい力であった。
その力を前に、ビルゲニアはどうする事も出来なかったのであった。
「ぐ、ぐぅぅ……えぇい! 守護騎士達よ、何している! さっさとあいつを殺せ! 八つ裂きにしろぉ!」
「そうはさせへん!」
ビルゲニアが命じようとするよりも先にはやてがキングストーンが変化した杖を掲げる。
「八神はやてが汝等ヴォルケンリッター達に命じる。なのはちゃんを守るんや! そないな奴の命令なんて聞いたらあかん!」
「な、何ぃ!」
「承知しました!」
ビルゲニアの命を無視し、シグナムが倒れていたビルゲニアに向かいらヴァンティンの鞘で殴りつけた。
其処は丁度彼の顔面であった。その一撃にはシグナムの、嫌、守護騎士達の怒りが込められていたのは言う間でもない。
「お、おのれぇぇぇ!」
「最早我等は貴様の命には従わん! 命が惜しければ早々に引き上げる事だ!」
「黙れ! 俺は次期創世王になる男だ! 貴様等如きに遅れは取らん! それに、俺の手にはまだサタンサーベルが――」
ビルゲニアがそう言いサタンサーベルを振り上げようとした時、突如その剣はビルゲニアの元を離れた。
「な、何だ?」
ビルゲニアの元を離れたサタンサーベルは一直線にある方向へと向かって行った。
其処に居たのは一人の人間であった。
全身を銀色のヨロイで身を固めたその人間の下に、サタンサーベルは向かって行ったのだ。
「お役目ご苦労だったな。ビルゲニアよ」
「き、貴様……シャドームーン!」
「サタンサーベルは本来私の為に用意された剣。貴様如きに使いこなせる筈がない」
「だ、黙れ! 黙れ黙れ黙れぇぇぇ! それは俺の剣だ! 俺こそが、次期創世王なんだぁぁぁぁぁ!」
狂気に満ちた叫びをあげながら、ビルゲニアはシャドームーンに向って飛び掛った。だが、そんな彼に浴びせられたのは、無情なまでに冷たい一撃であった。
「がはっ!」
斜め一文字に斬られた傷跡からどす黒い血液らしき液体が流れ落ちる。その背後には、斬った張本人であろうシャドームーンが立っていた。
「お、俺は……利用されただけだったのか……創世王……よ」
「フン、所詮キングストーンを持たない貴様如きに、創世王の資格はない」
吐き捨てるように言い放った後、シャドームーンの無情な一撃がビルゲニアの首を切り飛ばした。クルクルと宙をビルゲニアの首が舞い地面に転がる。その顔には狂気と憎しみが込められていた。
そして、その胴体は力なくその場に倒れ、やがて消え去ってしまった。
ビルゲニアを倒した後、シャドームーンはライダーブラックを見た。
「まさか……お前は?」
「南光太郎。嫌、仮面ライダーBLACK。私は次期創世王候補シャドームーン」
「シャドー……ムーン」
「今この場でビルゲニアは葬った。今日よりゴルゴムの指揮は私がとる。いずれ、貴様とは雌雄を決する日が来る。その日を、楽しみにしているが良い」
それだけを言い、シャドームーンは歩き去ろうとした。
「待ってな、信彦兄ちゃん!」
「むっ!」
だが、そんなシャドームーンをはやてが呼び止めた。
「娘よ、信彦と言う男は既に死んだ。今の俺は世紀王シャドームーンだ」
「そないな事ない! あんたは信彦兄ちゃんや! 私の知ってる、優しくてちょっとだけ意地悪な信彦兄ちゃんの筈や!」
「そうだ、信彦!」
今度は光太郎が叫んだ。
「目を覚ましてくれ、信彦! お前はゴルゴムに操られているだけなんだ!」
「……いずれ貴様等のキングストーンは私が頂く。それまで、せいぜい生き延びている事だな」
「信彦兄ちゃん!」
その言葉を最後に、シャドームーンは忽然と姿を消してしまった。もう、目の前にシャドームーンは、そして、秋月信彦は何処にも居ない。
「信彦兄ちゃん……あれは間違いなく信彦兄ちゃんや」
「あぁ、信彦……遂に目覚めたのか。俺は、俺は信彦を絶対に救ってみせる!」
堅く拳を握り締め、仮面ライダーBLACKこと、南光太郎は誓った。
だが、それはまた、二人の悲しき戦士の戦いを意味していたのであった。
そして、そんな中、その戦いを密かに見守る者も、また存在していた。
【八神はやての覚醒……このケースは過去に例を見ない異例だ。早急に手を打たねばならないのかも知れない。全ては……我等が主の命令の元】
この声の主が誰だったのか? それは、今はまだ語れない。だが、この声の主こそ、いずれヒーロー達が戦うであろう強大な敵である事は間違いないのである。
地球の平和を取り戻すその日まで、戦え! 我等がヒーロー達よ!
つづく
後書き
次回予告
シャドームーンの復活を皮切りに突如として世界各地で眠っていた怪獣が暴れだす。
だが、そんな地球へ再び光の巨人が舞い降りてきた。
次回「帰ってきたウルトラマン」おたのしみに
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