ヘタリア大帝国
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TURN60 義兄と義妹その九
「だから絶対に」
「ガメリカと中帝国が太平洋についたら敵だからあっちの植民地の独立は無視していいことにはなるよね」
「ええ、それはね」
つまり植民地の奪還に動ける大義名分は得られるというのだ。
「出来るわ。けれど」
「それでもなんだ」
「今はその余裕がないわ」
ソビエトとの対峙があるからだった。
「無理な話よ」
「本当に難しいね」
「ったくよ、どうしようもない手詰まりだよな」
イギリスも今は皮肉を言う余裕すらなかった。
「植民地を奪還したいのにな」
「まずはドクツに勝つことです」
セーラはイギリスに現実を話すしかなかった。
「そしてその後は」
「ソビエトに攻められないことか」
「そうすることが肝心です」
「そうなんだな。じゃあ今は」
「我々のできることをしましょう」
セーラはその整った唇を噛み締めて言った。
「そうするしかないのですから」
「そうだな。本当に辛いな」
「それで欧州での戦局ですが」
「モンゴメリー提督が北アフリカからイタリアに入られました」
イギリス妹が話す。
「そしてここからです」
「はいドクツ本土を目指します」
「フランス本土も解放したぜ」
今度はイギリスがこのことを話す。
「ロレンスさんが頑張ってくれたからな」
「そして祖国さん達もですね」
「俺はまあ。ロレンスさんがどうしてもっていうからな」
イギリスは持ち前の素直でないところを見せる。
「それでやらせてもらったさ」
「ロレンスは祖国ちゃんが率先してやってくれたって言ってるよ」
マリーは笑ってイギリスにこの事実を出した。
「それが違うの?」
「ま、まあそれはあれなんだよ」
イギリスはマリーのくすりと笑って出した事実に慌てながら返す。
「俺だってエイリスのピンチだからな」
「祖国ちゃんって何だかんだで率先して動いてくれるのよね」
「女王さんやマリーさんもどうしてもって言うからな」
「僕何も言ってないよ」
マリーはまた言う。
「本当に祖国ちゃん率先垂範だからな」
「お兄様はそうした方ですから」
イギリス妹もそのことを言う。
「是非からかわれて下さい」
「おい、御前までそう言うのかよ」
「妹ですから」
「ったくよ。まあとにかくフランス本土も解放したさ」
「ただ。フランスさんはですね」
「ああ、あいつは太平洋に行ったままだ」
マダガスカルが陥落してそしてだというのだ。
「領土が手に入っただけだ」
「そうですね」
イギリス妹は兄の言葉に納得した。
「フランスさん達もおられると頼りになるのですが」
「あいつの何処がだよ」
イギリスはここでもフランスのことはこう言う。
「肝心な時はいつも負けるしな」
「確かに勝率は低いですね」
「国力だけで結構抜けてるんだよ」
それでフランスは負けるというのだ。
「いないと寂しいけれどな」
「そうですね。では」
「ああ、とにかくな」
イギリスは今度はセーラに顔を戻して話した。
「ドクツはあと一歩だ」
「はい、ドクツ本土に入り」
「何とかなるからな」
「ではお願いします」
「すぐに前線に戻るな」
「私もです」
イギリスだけでなくイギリス妹も言う。
「そしてそれでな」
「ドクツを倒しますので」
イギリス兄妹はセーラに話していく。そうした話をしてだった。
彼等はまずはドクツを倒そうとしていた。だがその中でだ。
エルザはふとした感じでこの国のことを話題に出したのだった。
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