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SAOもう一人の聖騎士

作者:ビビック
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追想~侵入、白い聖騎士~

 
前書き
長引かせてすみません、やっと侵入のスタートです!それでは、どうぞ! 

 
「ぬぁっ!おい、どうすんだ!?」

新ダンジョンである『神王の玉座』への侵入に成功した、総勢十八名からなる先行調査隊。侵入に成功した後は探索の効率を上げるために拡散し、各自での探索が始まった。影妖精と言う事で俺はキリトとコンビを組んで探索をしていたのだが・・・・・・・

カチッ

何かしらのスイッチがオンになった音。

「お、おいキリト、てめぇまさか・・・・・・・・」

恐る恐る振り向くと・・・・・・・・明らかに何かを踏んづけたまま硬直する相棒の姿。表情も、バッチリ『やっちまった!』感満載である。

ビイィィィィィィ!

ダンジョンにおける最もポピュラーな罠の一つ、警報罠(アラームトラップ)。主に床等足下にスイッチが設置され、それを踏むと警報が鳴り響き近くのMobを一斉に呼び寄せる古臭いながらも制作者の悪意がひしひしと伝わる罠である。

ドドドドドドド!と迫ってくるオークやらリザードマンやら骸骨剣士やら。一体一体の戦闘力はそう高く無いようだが、幾ら何でも多勢に無勢。こうなれば・・・・・・・・よし、走って逃げよう。

「走るぞキリトォ!取り合えず安全地帯まで全力疾走だ!あとてめぇ帰ったら覚えてろよ!?」

長い長い一本道をひたすら走る走る走る!追い縋るリザードマンの上級戦士様はありがたく叩き斬ったが、数は全く減らず、錯覚だと思いたいが増えているような気さえする。

「くっそぉぉぉぉぉっ!結局ボス部屋突入かよぉぉぉぉぉ!」

取り合えず開け放された豪華な部屋に飛び込むと、集まったMob達は元の配置に戻っていった。

ふう、と息をつく。やっと一休み出来る・・・・・・・と思ったのだが、どうやらそうは問屋が卸さないらしい。

「おい、クラディール・・・・・・・・」

キリトが目を鋭く細め、周囲を見渡す。豪華な礼拝堂の中を満たす不可視の威圧感(プレッシャー)。その根源は・・・・・・・・聖書を置く説教台に腰掛ける、妖艶な女性から放たれていた。

「俺とあんたは初対面の筈だが・・・・・・・ずいぶんと殺気丸出しじゃあないか、やたらグラマラスな蒼髪のお姉さん?」

にやりと笑いながらも、キリトと共に全力で放つ威圧感(プレッシャー)。その二つの威圧感(プレッシャー)は真正面からぶつかり、広い広い礼拝堂の半分の『場』を、俺達が支配した。

「あらあら、ずいぶんと物騒ね妖精さん達。影妖精の二人・・・・・・・有名ね、『黒の剣士』と『白い聖騎士』。侵入した十八人の中でもトップクラスの手練ね」

それは人型だった。勿論このゲームには星の数程NPCが登場するが、このALOはプレイヤーそのものが九種族の内どれかの妖精なのでNPCもプレイヤー達と同じ九種族中のどれかである。そう考えると、この女性はALOで初めての人間型キャラクターかも知れない。彼女は際どいスリットが入った紺碧のドレスに包まれた足(足はほぼ露出しているが)を妖艶に組直しながら応じる。

「私が命じられたのは貴方達の実力を計る事と時間稼ぎ。後個人的な興味かしら?」

説教台から降り、その細い腕を緩やかに振り上げる彼女。その腕が降り下ろされた時・・・・・・・・礼拝堂は見事に凍り付いていた。

「九人の『神王』が一人、『氷王』のエスカフローネ。・・・・・・・楽しみましょう?」

男を惑わす魔性の色香と妖艶さで、しかし放つ殺気はまるで緩ませず、『神王』の一人、『氷王』のエスカフローネは俺達に死を告げた。 
 

 
後書き
九人出したいけどなぁ・・・・・・・あ、ちなみに字伏先生がお書きになっている『漆黒の剣聖』に登場する『種族九王』と若干(というかかなり)似ていますが、私が書く『神王』はあくまでモンスター扱いであり、字伏先生の『種族九王』はプレイヤーです。似ているのは偶然なので悪しからず。後、字伏先生設定が若干被ってしまいすみません! 
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