転生とらぶる
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コードギアスR1
0137話
ナリタ連山攻防戦から数日。現在俺はトウキョウ租界にある政庁の廊下で待機していた。目の前の会議室では、現在エリア11に関する会議が行われている。
いくら俺がコーネリア直属の部隊だといっても、所詮は外様の傭兵だ。これからのエリア11に関する会議に参加できる筈もなく、ここで会議が終了するのをただ待っている。
とは言っても俺自身に不満は特にない。いや、逆に会議なんていう面倒なものに出なくてもいいのはかえって有り難い。
「にしても、レモンからの接触が無いな」
コーネリアに雇われてから既にそれなりに経つが、時間がある時はたまにトリニティゲインを空間倉庫から出してリンク装置の様子を見ている。しかし未だにリュケイオスとのリンクが回復する様子はない。
あるいはこちらの日中にでも試せばいいのかも知れないが、さすがに日中にトリニティゲインクラスの特機が姿を現すと目立つ事この上ない。その為、今まで試していたのも夜に人気の無い場所を選んでだったのだが。
「……まぁ、それは俺にはどうにも出来ないからレモンに任せるしかないな」
苦笑と共にリンク装置の事は一端横に置く。次に考えるべきは俺のこれからの行動についてだ。
「ナリタ連山攻防戦から数日が経った。そうなると奴もそろそろ動き出す」
口に出して確認する。そう、確かに原作だとマオはナリタ連山攻防戦が終わった後には既にアッシュフォード学園へと姿を見せていた。そして相手の心の声を聞くというギアスを使いルルーシュとC.C.に関する情報収集を行っていたのだ。
そうなると早いうちに手を打つべきだろう。ここで下手に時間を掛けてしまうとルルーシュやC.C.と接触してしまう可能性が高い。だが、相手の心の声を聞くというギアスは非常に厄介だ。マオをマオと知っている相手が近づくとすぐに察知されてしまう。そうなると、マオを探すのも街や店に備え付けられている防犯カメラに頼るしかないな。
「アクセル、待たせたな」
これからの事を考えていると、コーネリアがギルフォードとダールトンを引き連れて会議室から姿を現し、こちらへと声を掛けてくる。
「会議は?」
「終わったよ。殆ど意味が無かったからな」
ギルフォードとダールトンの方へと視線を向けるが、そちらも苦々しい表情を浮かべていた。
「NACという組織と繋がっている者が大勢いるようでな。困った事にこちらが何かをしようとすると手枷、足枷を掛けようとしてくる」
「文官か?」
「ああ。ナリタ連山で癒着の証拠を見つけたかったのだが、土砂の下だ」
悔しげにダールトンが呟く。ブリタニアでも……いや、超大国であるブリタニアだからこそ、汚職する政治家や官僚が増えるか。俺達の世界の地球連邦と同じだな。
「ところでコーネリア。ちょっと人捜しを頼みたいんだが構わないか?」
「人捜し?」
「ああ。かなり危険な相手がこのトウキョウ租界に潜りこんでいるらしい」
「ほう」
「構わないか?」
「ふむ……ギルフォード、アクセルを情報部へ案内して手を貸すように指示して来い」
「イエス・ユア・ハイネス」
「と言う事だ。その危険人物とやらはアクセルに任せる。私も暫くは軍の再編で動きが取れないからな。その間、お前を遊ばせておくのは勿体ない」
ナリタ連山での戦いで紅蓮弐式の引き起こした土砂崩れにより、かなりの数のKMFが破壊され、そのパイロットも死亡した。その為にブリタニア軍はかなり大きな被害を受けており、その再編の為にコーネリアやダールトン、ギルフォードは文字通り寝る間も惜しんで活動しているのだ。そしてその作業は軍事機密も関わっている為に外様の傭兵である俺が手伝える筈もない。
「了解。じゃあ早速行こうか」
「ああ」
その場でコーネリアとダールトンと別れ、ギルフォードと共に情報部へと向かう。
情報部はその性質上、ブリタニア政庁の奥まった所にその本拠を構えていた。
「まずは私が事情を説明してくる。一応ここには機密情報も多いのでアクセルはここで待っていてくれ」
ギルフォードがそう言って中に入って行ってから5分程。1人の男を連れて部屋を出てくる。見た目40代くらいの痩せぎすの男だ。神経質そうな顔をしている。
「アクセル、彼はキノー・クライスだ。君の人捜しを手伝ってくれる事になった」
「キノーです。よろしく」
短く自己紹介し、ぺこりと頭を下げてくる。
「俺はアクセル・アルマーだ。今回はよろしく頼む」
「ではアクセル、私はこれで失礼する。姫様の手伝いで色々と忙しくてね」
「ああ、助かった。言ってもしょうがないと思うが、無理をするなよ」
「姫様が一段落するまでそれは無理だな」
苦笑しながらギルフォードが去り、この場には俺とキノーの2人だけが残された。
「それでは早速ですが探している人物の特徴等を聞きたいのでこちらへ来て下さい」
そう言って近くにある部屋へと入っていく。部屋の中はこれといって特徴のない普通の会議室といった具合だ。キノーと共に近くの椅子に座り、説明を開始する。キノーはノートPCを用意してこちらの話を聞く準備は万端だ。
「探している人の名前はマオ。フルネームに関しては知らない。特徴としては銀髪で四六時中ヘッドホンを付けている。また、バイザーのようなものをつけている事もある。そして痩せぎすで……」
と、俺が思いつく限りのマオの特徴を話していく。30分程した頃、ノートPCのモニタにはマオそっくりのモンタージュ写真が出来上がっていた。
「これでいいですか?」
「ああ。そっくりだ。……それと、この男を捜す時の最大の注意点がある」
「はい、何でしょう?」
「このマオという男は何と言うか……そう、人の心理状態を読むのが非常に上手い。ある種の異能と言ってもいい程にだ。顔をちらっと見ただけでまるでこちらの心の中を読んでいるかのようにこちらが考えている事を把握する事が出来る」
「そんな事があるんですか?」
苦しい説明だが……まさかギアスの事を教える訳にもいかないし、これで押し通すしかないだろう。
「ああ。そして人を殺す事に何の躊躇いも持っていない。だからこの男を捜すのは実際に街を歩いて探すのではなく、街中にある監視カメラや防犯カメラを使って探してくれ。くれぐれも男の近くには近づかないように。特に半径500m以内に近づいた場合の安全は保証出来ない」
「そんな化け物みたいな人物がいるとは思いませんが……ギルフォード卿から紹介のあった人の言う事ですし、一応情報部局員には連絡を回しておきます。それでこの人物を見つけたら貴方に連絡すればいいのですか?」
「ああ。俺に連絡を取ってくれれば、後はこちらで何とかする。俺に連絡が付かない場合はギルフォードに頼む。それとこの男はアッシュフォード学園近辺にいた所を発見されているから、その辺を中心に探してみるといい」
「了解しました。では早速取りかからせて貰います」
軽く礼をして、そのまま会議室を出て行った。仕事が早いというのはいい事だ。
さて、後は実際にマオが見つかるまではやる事がないので連絡を待つとするか。
「は? 見つかった?」
俺の顔は恐らく呆然としていただろう。それはそうだ。マオを探すように頼んでからまた1日も経っていない。数時間程度だ。それなのに、もう見つける事が出来たとは……
「さすがブリタニアの情報部、優秀だな」
俺のその言葉にキノーは軽く首を振る。
「いえ。そう言って貰えるのは嬉しいですが、今回は私達が優秀ではなくても見つける事が出来たでしょう。何せ標的はなんの用心もなく街を出歩いていたのですから。見つけるのは至極簡単なものでした」
……なるほど。そもそもマオは相手の思考を読み取るギアスを持っている。それ故にそのギアスが効かないとなると酷く脆い。実際、原作でもルルーシュにその点をつかれて誘拐犯に仕立て上げられて警官に撃たれていたしな。
「接触は?」
「もちろんしていません。標的を見つけたのは街にある防犯カメラです」
ならこちらの情報は漏れていないと考えていいか。
「今はどこにいる?」
「現在は租界にある図書館にいます」
図書館か。皆本を読む事に集中しているとなると他への注意は散漫になる。これはいけるか?
「今回は助かった、礼を言わせて貰う。どこか図書館から1km程度離れていて、尚且つその図書館の中にある防犯カメラの映像を見る事が出来る場所はないか?」
「こちらで用意しましょう。30分もあれば準備できます」
「分かった。じゃあ準備が出来たら連絡をくれ。すぐにそこに移動したい」
俺の言葉に頷き、急いで準備を整えに行ったキノーの後ろ姿を見送った。
キノーに案内された場所。そこは普通のマンションの一室だった。部屋の中に入ると複数のモニタが置いてあり、それぞれ別の場所を映し出している。そのうちの1つ。恐らく俺の為に動かしたのだろう、部屋の正面にあるモニタには図書館らしき場所が映っている。そして、図書館の机の1つにヘッドホンとバイザーという怪しげな格好をしたマオの姿があった。
「確認した。後は俺の方でどうにかするから戻ってくれ」
「分かりました。では私はこの辺で」
キノーが軽く頭を下げて部屋から出て行く。モニタに表示されているマオの様子を見ながらキノーがしっかりとマンションから出て行くのを確認する。
「……よし」
空間倉庫を展開して、スライムを出す。細く、細く、細く……直径0.1mm程度まで細くしてからドアの隙間から伸ばして図書館まで辿り着くのにおよそ30分。幸いな事にまだマオは先程と同じ場所で黙ってヘッドホンに集中していた。恐らくC.C.の声を聞く事で精神の安定を図っているのだろう。
「そのままいろよ……」
スライムは図書館の天井、空気穴や配管、ダクトに隠れている為に一般人に見つかる事はないだろう。
モニタの情報と、スライムから送られてくる情報。その両方を頭の中で処理しながらもじっと時を待つ。また、いつでも行動が可能なように少しずつだが図書館で待機しているスライムの量を増やしていく。
そんな状態が1時間程続いただろうか。既に図書館で待機しているスライムの量はKMF1機分くらいにはなっている。そしてついにその瞬間は訪れた。
マオが立ち上がり、トイレの方へと向かったのだ。
「人は……いないな」
マオを先回りしてトイレへとスライムを伸ばし、索敵する。空調の音や、蛇口からポタポタと落ちている水の音は聞こえるが、人の気配はない。そしてトイレへと向かい近づいてくる足音。マオだ。
それを確認した俺は、ダクトを通して換気口の中へとスライムを集め、いつでも襲い掛かる事が出来るように準備する。スパロボの世界では念動力を得たスライムの吸収能力。果たしてギアスを入手する事は出来るのか? ギアスは使い続ければ暴走してオン・オフが出来なくなるというマイナス要素があるが、それは使い続ければの話だ。なら使い過ぎなければ全然問題は無いだろう。あるいは、マオの暴走状態のギアスがそのまま俺に吸収されたとしても、その時はPP消費が少ない技能か何かでスキル覧を上書きしてしまえば問題無い筈だ。
「ふんふんふーん……C.C.、待っててね。もうすぐ迎えに行くから。そうしたらオーストラリアに建てた白い家で一緒に暮らそう」
恐らくC.C.と共に暮らしている想像をしているのだろう。歓喜と言ってもいいような声を上げながらトイレへと入ってくるマオ。
「ふぅ……落ち着け。この距離で俺の事に気が付いていないという事は、少なくてもマオのギアスはスライムに効果がないと見ていい。後はいつタイミングを見計らっていつ襲うか……」
用を足し終えたマオが手を洗う為だろう、蛇口を捻る音が聞こえてくる……いまだっ!
「行け、スライム!」
俺の意志に従い、天井に備え付けられてある換気口からスライムを伸ばす!
「うわぁっ、な、何だよこれ!」
驚きの声を上げるマオに構わずに、まずはドアの方へとスライムを着地。逃げ道を塞ぐ。
「くそっ、何だよ、何なんだよこれはぁっ!」
マオの叫ぶ声がスライムを通して聞こえてくるが、それを無視してスライムの触手を四方八方へと伸ばしまるで蜘蛛の巣のように展開させる。
既にマオを中心として至る所にスライムの網が出来上がり、スライムに接触しないで脱出する事はどうやっても無理な状況だ。
「くそ、ルルーシュの仕業か!? 卑怯だぞ、出てこいよ!」
……なるほど。既にゼロ=ルルーシュには辿り着いていたか。
「だが、残念だったな。お前の生はここで終える。……喰らえっ、スライム!」
マオを中心として形成されていた糸のような細さのスライムから枝分かれし、マオを縛り上げる。そして身動きが出来ないようになったマオを中心にトイレ中に広がっていたスライムが集まり、その姿を完全に覆い尽くす。
スライムの中で手足を振り回し暴れまくっているマオだが、スライムには効果がない。
「せめて安らかに眠れ。SPブースト!」
SPを大量に消費し、普段の数倍~数十倍ものブーストを得たスライムは数秒とかからずにマオを完全に吸収する。そして……
ズグンッ!
「ぐぅっ!」
念動力を吸収した時と同じような……いや、それ以上の違和感が身体を襲う。その感触に座っている事が出来ずに、床へと倒れ込む。
「ぐっ、くそ……せめて……」
スライムがトイレにある場面を誰かに見られると騒ぎになるのは間違いない。今の状態でスライムをこのマンションまで戻す事は不可能だが、せめて換気扇の中へ!
床に倒れながらも、スライムをコントロールする。ギュルルンッとでも表現したいような感じでダクトの中へとスライムを戻す事に成功する。余裕がない為、ファンの部分はトイレの床に落ちたままだが仕方がないだろう。
「ぐうっ」
あるいはそうやって気を抜いたのが悪かったのか、再び襲ってきた違和感に意識が遠くなっていく。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:34
PP:170
格闘:242
射撃:260
技量:252
防御:249
回避:277
命中:299
SP:414
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:193
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