とある科学の対能力者
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今は無き称号
前書き
久々の更新
とある裏路地、一人の少年が走っていた。
そして少年の後ろには何人かのチャラチャラした男がいた。
無論そのチャラチャラした男達も駆けていた。
「ふざけんな!オレは関係ねー!」
「関係なくても見られたからには殺しとかないとな!」
「それにどっかと通じてるかもしんねーしな!」
「通じてねーよ!たまたま!!偶然!おけー?」
「うるせー!てめぇらあのガキ殺せ!」
「クソ!不幸だ!」
少年は知り合いのウニ頭の台詞を吐く。
危なげにしながらも裏路地を慣れたように逃げ回る。
少年を追いかけている連中は所謂“白い粉”を取り引きをしていた。
それを偶然にも裏路地に通っていた少年に見られこのような状況に陥ったのである。
しばらくすると道が開けていた。どうやら裏路地を抜けるようだ。
少年は安心したとばかりに安堵していたがすぐに顔をしかめた。
何故ならそこが建物のに囲まれた行き止まりであったからだ。
建物の小窓があるがどうもそこから中に入ることは出来そうにない。
袋の鼠、万死急須、絶体絶命、年貢の納め時など無駄な言葉が少年の頭をぐるぐると回る。
ふぅ、と息を捨て吐き男達の方へと振り向くと少し姿勢を低くし左手を地面につけ、右腕を真横に伸ばした。少年は内心思っていた。
この構えかっこよくね?
実際そうでもなかった。
だが残念ながら少年の感性はまともではなかった。
そんな少年をみながら男達は全員思った“こいつバカだ”と。
そして男達は所持していた各々の武器を取り出して構えた。
男達の中の一人は片手に風を巻き起こしていた。
能力者、少年は即座にその単語を思い浮かべた。
ただのチンピラならオレでも頑張れば勝て――いや、無理か、
でも能力者いる時点でアウトだし良いよねこれ、もう無理とか少年は思っていた。
能力者である男が「じゃーなガキ」と風を放とうとしたその刹那、能力者の男は吹き飛んだ。
「風紀委員ですの」
風紀委員
能力者の学生たちによる学園都市の治安維持機関。
メンバーは盾 のマークがある腕章を付けている。
「風紀委員」になるには「9枚の契約書にサイ ン」「13種類の適正試験」「4か月に及ぶ研 修」が必須。能力のレベルは問われない。しかし、あくまで学生の機関であるので重要な任務に就かされることはなく、装備も必要最小限の物(ゴム弾や信号弾)。
要は警察のようなものである。
そして少年の目の前にいる風紀委員は白井黒子《しらいくろこ》。
常盤台中学1年生にして第177支部所属の風紀委員で能力はレベル4の空間移動。
少年の知り合いだ。
「また貴方ですの?ちょっとは自重しくれません?」
「うっせ、巻き込まれて巻き込まれたんじゃねーよ」
「まぁいいですわ、後でたっぷりとお聞きしますから」
「こんのアマッ!じゃましてんじゃねぇぞ!!」
「五月蝿い殿方ですこと少しお黙りなさいな」
瞬間、黒子は消え男達は意識を飛ばした。
黒子の能力、空間移動によるものである。
「相変わらずえげつねぇな黒子」
「この程度朝飯前ですの」
「尚更えげつねぇよ。スズはどーした?」
「今は違う任務についてますわ。やっぱりわたくしよりリンさんの方が良かったんですの?」
何やらニヤニヤとした顔で少年に問うが少年は少し震えながら答えた
「いやァ、スズだったら今ごろオレもそいつらの仲間いりだからな。あの暴力女にはホント困ってるぜ」
少年が言うスズとは黒子と同年代にして風紀委員である|時咲坂 鈴《とき
さきざか りん》のことでだ。
彼女は学園都市に八人存在する超能力者の第八位である。
鈴という漢字から少年だけはスズと呼んでいる。
少年がいやァ良かった良かったと喜んでいるといきなり少年が吹き飛んだ。
それはもう綺麗な放物線を描きながら
少年が吹き飛んだのとは違う方向には白いパーカーを着た青髪ポニテの少女がいた。
「ス、スズ……」
|時咲坂 鈴《とき
さきざか りん》その人である。
「暴力女で悪かったですね、弓弦」
「何でここに」
「黒子から連絡がありやがりましたので」
「黒子てめぇ!――ぐはっ!?」
黒子に詰め寄ろうとしたが鈴の能力である空気共鳴による圧縮だ。
それにより少年は地面と熱いキスをすることになった。
「すみません、わたくし次の任務がありますのでここいらで失礼します」
黒子はそう言うと空間移動でその姿を消した。
それを確認すると鈴は少年を起こしてダメージによりよろけた少年を支えた。
もっともそのダメージを与えたのも鈴であったが
「戦えねーんですから無理はしねーでください」
「だから巻き込まれたんだよ」
「はぁ…まぁ良いです帰りやがりますよ、弓弦。」
少年、黒時峰 弓弦《くろときみね ゆづり》はあァと頷き歩きだした。
黒時峰 弓弦はかつて対能力者と呼ばれていた少年である。
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