久遠の神話
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十八話 神父その八
手を握り合った。それも両手と両手で。
固い握手を交えさせてだ。大石は上城に言った。
「ではこれから宜しくお願いします」
「こちらこそ」
「私達はこれで永遠の同志となりました」
「例え何があってもですね」
「戦いを終わらせましょう」
二人でだ。そうしようというのだ。
「一人ならば難しくともです」
「二人ならですね。いえ」
「いえ?」
「他にもおられます」
戦いを止めようとする剣士がだ。いるというのだ。
「それもお二人です」
「二人ですか」
「御存知ですか。そのお二人は」
「いえ、実は剣士になってから他の剣士に御会いしたのは」
それ自体がだというのだ。
「上城君がはじめてでして」
「そうだったのですか」
「他の剣士の方のことは知らないのです」
「ではそのことは」
「上城君は御存知ですか」
「はい、知っています」
正直にだ。上城は答えた。
「そのことをお話させてもらって宜しいでしょうか」
「お願いします」
大石はすぐに答えを返した。
「私も知りたいと思っていますので」
「わかりました。それじゃあ」
「では場所を変えましょうか」
大石は上城にこう提案した。
「礼拝堂でこのままお話をしても」
「それでもですね」
「何か堅苦しいですから」
だからだ。場所を変えようというのだ。
「そうしましょう」
「わかりました。では僕は」
「貴女もそれでいいでしょうか」
大石は樹里にも顔を向けて問うた。
「場所を変えるということで」
「はい、お願いします」
樹里もすぐに言葉を返した。
「それで」
「わかりました。それでは」
こうしてだ。三人は礼拝堂から教会の中に入りそこの客の間に入った。そこは質素な趣でありソファーもテーブルもそうしたものだった。
その中で大石は紅茶を出した。その紅茶を飲みながらだ。
上城は他の剣士達のことを大石に話した。彼等のことを聞いてだ。
大石は紅茶を飲みながらだ。こんなことを言った。
「大体わかりました」
「剣士のことはですね」
「はい、わかりました」
そうだというのだった。
「今いるのは私達を含めて九人になりますね」
「そうです。そしてその力は」
「それぞれ違いますね」
「僕は水です」
上城は自分の力のことも話した。
「水の力を使って戦っています」
「私は風です」
大石も自分のことを話してきた。
「風の力を使って戦っています」
「神父さんは風ですか」
「そうです。それを使っています」
そうだというのだ。
「やはり力はそれぞれですね」
「本当にそうですね」
「十三人の剣士がいてそれぞれの力を使う」
「それで先生で九人目です」
「上城君と私と」
まずは彼等だった。ここで語られるうえでは。
「火、雷、土」
「木、光、闇に魔になります」
「それで合わせて九人ですね」
「残りは四人ですね」
上城はこの数も話した。残りの剣士の数も。
ページ上へ戻る