ヘタリア大帝国
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TURN58 USJ決戦その一
TURN58 USJ決戦
キャロルはUSJにいた。アメリカ兄妹も一緒だ。
アメリカ妹は自身の乗艦からモニターを通じてキャロルに言った。
「悪いね、ゲイツランドのことは」
「参戦できなかったこと?」
「ええ、こっちの準備に手間取ったからね」
「いいのよ、あたしが無理言って妹ちゃんにここで頑張ってもらったし」
キャロルはこのことは笑ってよしとした。
「けれどゲイツランドがあそこまであっさりと陥落したのはね」
「予想外だったんだね」
「ソーラレイがあったから」
キャロルもソーラレイには自信があったのだ。
「あれで負けても相当なダメージを与えられると思ってたんだけれどね」
「残念だけどそうはならなかったね」
「ええ、してやられたわ」
キャロルは今度はむっとした顔になる。
「今回もね」
「全く。頭が回るね」
アメリカ妹は太平洋軍に対してある意味感心していた。
「連中も何かと」
「ええ、機転が利くのは間違いないわ」
キャロルもそのことは認める。不承不承ではあるが。
「向こうの司令官はね」
「東郷だな」
アメリカもモニターに出て来た。
「あの司令は確かに強いな」
「あんな厄介な敵はいないね」
アメリカ妹はこう兄に言う。
「だからここまで来られたんでしょうけど」
「そうだな。ところでだ」
「ところで?」
「これから僕の乗艦に集まって会議だな」
アメリカは妹とキャロルに言った。
「そのことなんだが」
「ええ、どうしたの?」
「ドワイト司令はいるかな」
「ああ祖国さん何だ?」
スキンヘッドでやけにいかつい身体の男が出て来た、しかもその身体はただ大きいだけではない、そのうえなのだ。
身体のあちこちが機械になっている。この男ドゥービル=ドワイトは誇らしげな顔でアメリカに対して言ってきたのだ。
「何かあるのかい?」
「また機械化が進んでないか?」
「まあな。アステカ帝国と一戦交えたからな」
「勝ってはいるんだよな」
「勝ったさ。けれど負傷してな」
その結果だというのだ。
「また機械を付けたさ」
「そうか、それでか」
「ガメリカ軍のサイボーグ司令」
ドワイトは自分から言う。
「中々いいものだろ」
「クローン技術で身体は幾らでも元に戻せるでしょ」
クローンで作った身体の一部を移植させてそれで元通りにする、キャロルはこの世界では普通になっているこの技術のことを言っているのだ。
「それで何で機械にこだわるのよ」
「サイボーグが好きだからな」
それでだというのだ。
「悪いかい?」
「悪いっていうか。まあとにかくね」
「祖国さんの船に集まるか」
「ええ、そうしましょう」
彼等はアメリカの乗艦戦艦アメリカの会議室に集まった。ドワイトは会議室に入ると開口一番コーヒーを手にして言った。
「俺としては少し寂しいな」
「ダグラス司令のことだな」
「ああ、祖国さんとしてはどう思うんだ?」
「やっぱり僕も寂しいさ」
アメリカもコーヒーカップを片手にドワイトに答える。
「彼もいて欲しかったな」
「この戦いはな」
「正念場だからな」
アメリカも何時になく真剣な顔だ。
「是非共な」
「全くだ。政治的な事情かい?」
ドワイトはキャロルを見て問うた。
「長官さんはそのことは知ってるかい?」
「言えると思う?」
キャロルはむっとした顔でドワイトに答える。それが何よりの答えだった。
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