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吾輩は猫である

作者:古々
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無印前
  吾輩、過去を語る 続々

250~268日目


今日は大晦日、さざなみ寮に来てからいろいろあった。
美緒に襲われて返り討ちにして、耕介さんの飯をうまうまと喰い、愛さんに全身をくまなく調べ尽くされ(内臓もしっかりと)、ゆうひさんの歌を聞きながら久遠と昼寝をし、真雪さんの漫画のモデルにされ、美緒に昼飯のおかずを取られフルボッコにしたり、薫さんには戦えと木刀を持って追いかけられ、十六夜と久遠とでのんびり日向ぼっこし、ドジっ子巫女那美の生み出した廃棄物(料理)の処理をしたり、不意打ちをかましてきた美緒を避けて倒し、倒れた美緒に毛玉を吐きかけたりしたな………


『くぅ~。かおす、そろそろごはん』
『今行く』


吾輩はさっき襲ってきて返り討ちにされた美緒の背中から降り、久遠の所に向かう。


「ぐえっ!」


おっと、鳩尾を踏んでしまった。いいか別に、俺猫だし。(※体重15kg以上です)
ん? 何か変わったって? もしかしてこの吾輩って一人称のことかい?
……この寮にいる奴らの個性の濃すぎるからちょっと対抗したくって那美、久遠、薫、十六夜に相談したら―――――


「「「吾輩ってつければいいんじゃないか?」」」


「……それでいいと思う」


なぜ! ホワイ!


「いや~猫って聞くと夏目漱石のアレしか思い浮かばなくって……」
「同じく」
「「うんうん」」


それはつまり俺が渋くってかっこいいということかな? いや~うれしいね~。


「くぅん……全然違うと思う……」


「適当に決めただけなんだけどね」


ひどい! 個性のあるお前たちには俺の気持ちなんて分からないんだ!


「「「「いや、一番個性があるから」」」」


解せぬ。




―――――こんな事もあり、今は吾輩を一人称にしてる。
……なぜだろう……すごくしっくりくる。まるで作者が2話で一人称を忘れてたから無理矢理戻すために……ハッ!
俺はいったい……なんか電波を拾ったような気が……



それから年越しまで年越し蕎を喰い、みんなでカードやテレビを見て過ぎごした。
あ、ゆうひさんが出てる。



あけおめ~
え? 内容が薄い? 端折りすぎ?
のんびりして、あけおめって言って、神社で那美の忙しいそうに売り物をさばいてるのをニヤニヤしながら見守って帰っただけだからね~。とくに語ることもない。あるとすれば那美がこけて袴が脱げたくらいだ。眼福である。
しかし興奮しない、これはきっと猫になった弊害だろう。眼福ではあるが、枯れたじいさんに近い感じだ。


今年は海鳴の猫の勢力を完全支配しよう。そしてヴァジュラに変身できるようになってやる。
……やっぱライオンを喰わんとダメかな? またニュースになるな……




269~
400日目


海鳴全域の野良猫は支配下に治めることに成功した。あとは飼い猫だ、あいつらは既にボスがいるから言う事を聞かせるのは難しい。だけど俺は諦めない、完全な家猫は捨てるとして外に出ることができる飼い猫は支配したい。


ん?


「でねでね、昨日お姉ちゃんの作った料理を食べたお兄ちゃんが青い顔して倒れちゃっの!」
「うわぁ……美由希さんの料理マジリーサルウエポン」


相変わらず仲がいいなあの2人。実はもうくっついてるんじゃないか?


「なのは、俺……父さんの転勤で引っ越すことになったんだ」
「えっ?」
「明日にはもう海鳴を去らないといけないんだ。だからさ……」
「嫌だよ! 行っちゃ嫌なの!!」
「なのは! ……俺だって嫌さ、でもこれは決まったことなんだ……」
「うぅ……うわぁぁぁぁん!! 嫌なの! いなくなっちゃ嫌なの!」
「アリサやすずかだっている。きっと大丈夫さ……なのはパソコン使えるだろ。それで毎日連絡だってできるさ」
「うぅ……ひぐッ……で、でも私たちだけじゃ皇咲くんや衛宮くんの対処なんてできない

の……」


「あ~、本気に嫌になったら連絡くれ、俺があいつを張り倒してやる」
「本当だ。だから泣かないでくれ」
「ぐす……うん!」
「やっぱりなのはは笑ってた方がかわいいな」
「か、かかかかわいい!?」
「それに俺なのはの”なの”とか”にゃ”って口癖すごくいいと思うぞ。うんかわいい(確信)」
「そうかな? えへへ///」
「ああ、きっとなのはのこと忘れなくなるよ!」
「////」


おお、なんて素晴らしいラブコメなんだ。甘い! 甘すぎるこの空間!
手なんか繋いじゃって……ロリの方なんか顔が真っ赤になっちゃってかわいいのう。
ショタの方はええ男やな~、普通あの年であんなこと面と向かって言えないぞ。
吾輩はなんていい場面に遭遇したんだ、感動的だ!


「………計画通りッ!」


あ、あれ? ショタの方がまるで某新世界の神みたいな顔になったぞ。


「えへへ///」
「くっくっく」


………よし、見なかったことにしよう。


「一哉くん///」
「くけけけけけけけ」


見てないったら見てない!! てかロリよお前の隣にいる奴の顔をよく見ろ夕日のせいでいろいろ隠れてしまってるが、どんな殺人犯よりヤバイ顔になってるぞ。



あいつらは手を繋いで夕日の向こうに消えた。
ああ、今日はなんか疲れたな……
今日はもう神社に行って久遠がいたら一緒に寝よう。夢に出そうだ……


イイハナシダッタノニナー!!




401日目


いなかったよ畜生!
嫌な悪夢見たし、みんなあいつと同じ顔でずっと「くけけけけけけ!」って言ってる夢なんて嫌すぎる!


今吾輩は昨日の道を歩いてる。
そこにはあの幼女、もといなのはという子がいた。


「……………はぁ」


めっちゃ落ち込んでますね。好きな奴がいなくなったんだから当然っちゃ当然か。


「うぅ……一哉くん……」


トボトボとバス亭に向かっていく。
学校かな? あの制服は確か私立の小学校だっけな。
ついて行ってみるか。



私立聖祥学園到着。
なのは嬢のほかに金髪と紫髪の少女たちが共にいた。


「なのは元気だしなさいよ。メールアドレス知ってるんでしょ?」


ツンデレっぽそうな金髪っ子。


「そうだよ。ずっと会えないわけじゃないんだから元気出して」


優しそうなだけどなんだか人とは違う匂いがする紫髪の少女。
こいつ……ヤンデレの素質ありそうだ……


教室に行ったか……木に登って覗くか……
あっ、教室知らんかた。




教室を一つ一つ探した。この身体能力があるから木から木に飛び乗るのは楽だが、向かいの教室を調べるためにわざわざ人の目を掻い潜って向かうのは難しい。
黒いから見つかりやすいし、小学生だから学校に猫一匹いるだけで騒ぎにあるからな。


教室には少女3人組みの他に気持ち悪いくらいに顔の整った少年が2人いる。


「あんたたち気持ち悪いのよ! あっち行きなさい!」
「ははは、アリサはツンデレだな~。別に恥ずかしがることなんてないんだぞ(ニコッ」
「やめて気持ち悪い! 近づかないで!」
「俺のなのはよ、俺を見て元気を出すがいい! ふ~はっはっは!!」
「一哉くん……たすけてぇ~……」
「皇咲くんやめなよ! なのはは今一哉くんが引っ越して落ち込んでるんだよ!」
「あのモブに騙されてたんだろ? 俺が慰めてやる! さあ、飛び込んでこい!」
「おい! なのはが嫌がってるだろ! なのは、俺が慰めてあげるかな(ニコッ」
「このモブが! オリ主である俺のなのは達に近づいてるんじゃねぇ! 嫌がってるだろ!」
「貴様こそ俺の嫁達に近づいてるんじゃねぇよ! このモブが!」
「一哉くん~へるぷみ~……」
「「……はぁ」」


うわぁ……これはひどい。
さっきまで元気だった少女2人に疲れが見え、なのは嬢なんて虚ろな目でもういないあの少年一哉に助けを求めてた。




放課後、俺は心配でなのは嬢の後をついていった。


「……はぁ」


一向に回復せんな。
ここはこのキュートな俺が―――――


「ぐへへ、おおお、お嬢ちゃん。飴ちゃんあげるからぱぱぱパンツ見せてくれないかい?ぐへへ……ブヒ」
「ひぃ!?」
「ほら、怖くないよぉ~。こっちおいで~げへへブヒィィィ」


――――ロリコン出現!
なんというタイミング! 今日はきっとなのは嬢の運勢が全て最下位に違いない。


「ああ……もう我慢できないぃぃ!! ブヒィィィィィィ!!」
「嫌あぁぁぁぁぁぁ!!」


させるか! オラ!


俺は性犯罪者に向かって体を硬め、GT-Rを喰った俺の500馬力の体当たりをくらいやがれ!!


ドゴォ!!


「ぐげえぇぇぇ!!」


変質者は大きく吹き飛び、俺勢いをそのままに引き摺る。


「ぎぃぎゃあぁぁぁぁぁ!!」


ほ~ら、汚いロリコンの紅葉おろしだよ~、汚いね~。
ある程度引きずったらそのまま工事中で空いてるマンホールにシュゥゥゥゥゥゥゥ!! 超エキサイティング!!


「あああああぁぁぁぁぁぁ…………」


よし逝った!


「ふぇ? 君が助けてくれたの?」
「にゃ!(YES!)」
「最近の猫って人を吹き飛ばせるんだ~」


この子絶対将来詐欺に引っかかる。
でもこの反応新鮮。


「お礼に家でなんかご飯食べさせあげるの!」


やったね!


「あっ、名前とかあるのかな?」
「にゃ~(カオスです)」
「よし! 今日からクロなの!」


えっ?


「クロ! よろしくなの!」


えっ? ……言葉が通じないってマジ不便。



今回の食事

さざなみ寮のご飯
鉱物少々
人からのおすそ分け
高町家のご飯


 
 

 
後書き
やっとリリカル原作キャラ3幼女と絡めました。
それと、他の転生者全員登場!


うちの猫は頑張ればスポーツカーと同等の速さで動けます……縦横無尽に。
 
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