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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第三十一話 ハンターハンター

「さてと・・・これからどうすっかな」

シュウはキリトと分かれた後にスイルベーンを見て周っていた。

「そう言えば、装備がイマイチだったな。武器はいざって時には閻魔刀があるがこの初期装備は何とかしたいな」

シュウはSAOのステータスを受け継いでいるとは言っても装備に至っては、やはり心配があるのか武器防具店に赴く事にした。

「えっと・・・この世界の金は【コル】じゃなくて【ユルド】なのか・・・て言うか、あるのか?今の俺に」

シュウは自分のアイテム欄を開くと自分の所持金がどれ位あるのか確認すると・・・

「・・・おいおい。SAOのデータ引継ぎはステータスだけじゃなくお金まで引き継がれんのかよ」

そこには名前はコルではなくユルドに変わっていたが金額はSAOに居た時のそのものだった。シュウはSAOで便利屋を営んでいたため、1億ユルドは軽く超えていた。しかし装備が欲しいシュウに取っては都合が良かった。
さっそくシュウは武器防具店に入ると飾ってある武器と防具を見始めた。そして紫色のロングコート【ヴィオレット・コート】を購入し装着した。コート系統は他にも色があったがシュウの種族の象徴色は【紫】だったため、それに合わせて紫を中心としたヴィオレット・コートを購入したみたいだった。

「中々良いコートじゃねぇか。防御力もそれなりにあるしな。後は・・・刀か。店主、この店に置いてある最高の刀を見せてくれないか?」

「刀ですか?少々お待ちを・・・こちらでどうでしょうか?名前は【ムラマサ】。攻撃力はお墨付きですよ?」

「ムラマサ・・・確か妖刀(ようとう)の名前だったよな。少し振ってみても良いか?」

店主からの承諾を得ると周りに人が居ない事を事を確認するとシュウはムラマサを左手に持つとそこから抜刀術などの刀の剣術をやってみると、中々手に馴染んだのか気に入ったみたいだった。

「良い刀だな。いくらだ?」

「はい。50万ユルドですが、よろしいですか?」

「流石に良い刀だけあって高いな。んでも、問題ないぜ」

シュウは代金の50万ユルドを取り出し、支払いを済ませると試し斬りをやるためにスイルベーンの外に赴く事にした。

~~~~~~~~~~~~

シュウは左手にムラマサを持ち、羽を羽ばたかせながら空を飛んでいるトカゲの集団に突っ込んで行った。

「悪いが・・・この刀の実験台になって貰うぞ・・・」

シュウは集団とすれ違う際に眼にも止まらない神速で抜刀術でトカゲを斬り刻み、消滅させた。
トカゲの集団も負けじと、口から火炎弾を吐くがシュウはその軌道を読み、それを回避した。そして今度はムラマサから閻魔刀に替えるとその場で留まり、右手に閻魔刀の柄を握ると・・・

「Be gone(失せろ)・・・」

シュウは小さく呟くと閻魔刀のアビリティ【次元斬】を発動させ、抜刀術による空間を斬る様に真空波を飛ばしトカゲを切り裂いた。
数分後、集団のトカゲを一掃し地面に降り立つと閻魔刀を回転させながら納刀する。そして木々の裏に向かって呼びかける。

「隠れていないで出てきたらどうだ?俺を闇討ちしようと考えているみたいだが・・・バレバレだぞ?」

シュウが言い放つと5~6人の若いサラマンダー達がシュウを取り囲むように飛び交った。そしてリーダーらしい男がシュウに言い放つ。

「へっへっ・・・兄さん。良い武器持ってんじゃねぇか。その武器俺達にくれねぇか?」

(こいつらはPK集団か・・・やはり、どこのゲームでも下種な連中は居るんだな)

シュウが深く溜め息をしてリーダーの男を無視しているような態度を取っていると・・・

「おいおい、兄ちゃん。無視してんじゃねぇよ」

下っ端の連中がシュウに突っ掛かって来た。シュウは溜め息を一つ付くとサラマンダー達に言い聞かせる。

「別に無視をしてる訳じゃない・・・貴様等みたいな下種に話す舌は持ち合わせていない・・・それだけだ」

「んだと!テメェ!!大人しく武器と金を渡せば痛い目に合わずに済んだのによ!!死ねや!!」

沸点が低いのか下っ端の一人がシュウに向かって剣を振りかざしてシュウに突っ込んできたが・・・

「You shall die(貴様が死ぬと良い)・・・」

シュウはその襲撃を軽く横に身体を動かし、横切る際に閻魔刀を抜刀術の要領でがら空きの胴を横に一閃した。

「グアッ!!」

シュウに襲い掛かったサラマンダーは真っ二つになると赤い炎と化した。

「「「なっ!?」」」

サラマンダー達はシュウの力量と技術を初めてみたのかたじろいだ。先程の剣術はそれなりの技量と見切りの力が無くては成しえない高度の技だったため、それをやってのけたシュウに恐怖を抱いたのだろう。
そんな事もいざ知らず、シュウは抜刀した閻魔刀を納刀するとさらに続ける。

「Humph,what's wrong(フン、どうした)?・・・Come on(来い)!」

シュウが右手で挑発のポーズを取るが先程の事もあるのかサラマンダーのPK集団は襲い掛かって来なかった。何時までも掛かって来ない集団を見るとシュウは・・・

「来ないなら・・・此方から行かせて貰うぞ!!」

シュウは閻魔刀を鞘に納めたまま、地面に突き刺し両手で掲げると魔法呪文を唱え、始めた。

「シム・ニジャーリムス・テネブリス・フェチート・オルティオーネム・アド・オルチシェンダム・ノービス!!」

シュウの呪文詠唱が終わるとシュウの背後の黒い剣の様な物が8~10本ほど展開され・・・

「ミラージュ・ソード【幻影刀】!!」

シュウの叫び声を共に黒い剣達が一斉に集団に襲い掛かった。
これがシュウの魔法【ミラージュ・ソード】。その名の通り、闇から剣を作り出すと敵に向かって一斉に剣が自動で襲い掛かる闇魔法。なお発動中は術者の意思で本数を決める事が出来るが本数によって消費するMPの量も違ってくる。

「な、何だ!?」

「ギャッ!!」

サラマンダー達は幻影刀で串刺しになった者が少々居たが、避けた連中も居たがシュウの本命は牽制により体勢を崩した後に・・・

「You trash(散るが良い)・・・」

閻魔刀の次元斬の餌食にして行った。そして数分もしない内にPK集団はリーダーのみとなってしまった。本来なら意識の炎が残っている場合、仲間に蘇生魔法を施されれば復活する事が出来るがシュウはそんな余裕を与えるほど甘くはなかった。

「Humph,how boring(フン、退屈だな)・・・」

「ヒィ・・・お、俺が悪かった・・・だから見逃してくれ!!」

リーダーは腰を抜かし、命乞いをして来たが・・・

「先に仕掛けてきたのは貴様等だ・・・それならそれ相応の覚悟があった筈だが?フン・・・腰抜けが!!貴様に斬る価値もない」

シュウはリーダーを罵倒すると踵を返してスイルベーンに戻ろうとしたその時・・・

「・・・ヒャーハッハッハ!!!甘ぇんだよ!!死ねぇ!!」

リーダーがシュウの後ろを向いた瞬間に得物でシュウに襲いかかったが・・・

ドス!!

「えっ・・・?」

リーダーの腹には閻魔刀の刃が突き刺さっていた。シュウは後ろを向いたまま閻魔刀を逆手に持つとそのまま後ろに突き刺していただけだった。

「貴様の考えている事はお見通しだ・・・そう言った奴等を俺は嫌と言うほど見てきたからな・・・」

シュウは閻魔刀を引き抜き、振り向きながら普通に持ち替え横に一閃した。そしてゆっくり納刀して行き・・・

「Rest in peace(安らかに眠るが良い)・・・」

カチン・・・

と音が響くと首に一閃が入り、赤い炎と化した。そしてPK集団の意識はその場からいなくなった。

「ふう。飛んだ災難だったが良い試し切りになったな・・・さてと、俺もそろそろ落ちるか」

その後シュウはスイルベーンの宿屋に戻り、ログアウトを完了させた。
 
 

 
後書き
シュウの日常と戦闘の性格が全然変わってしまい、不自然に思ってしまったら申し訳ありません!!

シュウの幻影刀の呪文はラテン語から取ってきました。原文は・・・

【Sim NIGERRIMUS tenebris Fecit ultionem ad ulciscendam nobis】

訳すと【漆黒の闇よ!我に仇なす敵を討て!!】です。厨二っぽいですがご了承下さい!!

感想と指摘。よろしくお願いします!! 
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