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久遠の神話

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第三十七話 人との闘いその九

「だから。それからね」
「いじめをしている人はなの」
「うん、止めることにしているんだ」
「そうなのね。その幼稚園の先生に怒られて」
「凄くいい先生だったんだ。今は確か」
「確かって?」
「神父さんになっているよ」
 キリスト教のだ。それだというのだ。
「今はね」
「神父さんなの」
「八条学園ってあれじゃない」
 幼稚園もだ。彼は八条学園だったというのだ。
「色々な宗教関係のコースもあるじゃない」
「そうね。宗教学部があって」
「そこで神主さんにもお坊さんにもなれて」
「神父さんにもね」
 契約でだ。それを可能にしているのだ。
「なれるからね」
「じゃあその先生って」
「最初から八条大学で神父さんのコースに行ってたんだ」
「じゃあ上城君の先生だった時は」
「もう神父さんの資格を持ってたよ」
 そうだったというのだ。
「で、先生から神父さんになったんだ」
「成程。そうなのね」
「そうなんだ。今どうしてるかな」
「元気だったらいいわね」
 こんなこともだ。樹里は笑顔で言った。
「その先生も」
「一度行ってみようかな」
「その神父さんのところに?」
「うん、神父さんのおられる教会はもうわかってるし」
「じゃあそこに行ってみる?」
「今度そうしてみるよ。元気だといいね」 
 微笑んでだ。上城は言った。
「本当にね」
「そうよね。神父さんね」
「村山さんは教会とかに行ったことは」
「あまりないわ」
「そうなんだ」
「ええ。天理教の教会は結構行くけれど」
 そちらには縁があるというのだ。
 その理由もだ。樹里は上城に話した。
「先輩が天理教の教会の娘だったから」
「そうだったんだ」
「そうなの。八条分教会ってあって」
「この町にも天理教の教会あるんだ」
「あるの。八条グループの総帥さんも信者らしいわよ」
「へえ、そうだったんだ」
「ええ。その先輩の人は今この町にはいなくてね」
 では何処にいるかもだ。樹里は上城に話す。
「奈良の方にいるけれど」
「奈良県になんだ」
「天理大学に通ってるの」
 樹里はこのことも上城に話した。
「だから今は神戸にいないの」
「奈良なんだね」
「奈良の天理市にいるの。高校の時からね」
「高校からって言うと。寮にいるのかな」
「今は詰所ってところにいるらしいけれど高校の時は高校の寮にいたらしいわ」
「寮ねえ」
「八条学園にも寮があるけれどね」  
 日本全国はおろか世界中から生徒が集まる学校だ。それならこれも当然のことだ。
「先輩が通っていた天理高校もなのよ」
「寮があるんだ」
「女の子の寮で東寮っていったらしいの」
 樹里は結構細かくだ。上城にその先輩のことを話していく。
「その先輩のお家が教会で。そこに遊びに行って」
「縁ができたんだ」
「ええ、そうなの」
「そうだったんだ」
「それで天理教の教会は行ってるけれど、今もね」
「キリスト教の教会はっていうと」
「あまりないの」 
 こう話すのだった。 
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