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ヘタリア大帝国

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TURN57 頭を撃つその三

「敵だけになったところで」
「一気にですね」
「そのうえで」
「ああ、防衛要塞とソーラレイ達で一気に攻めよう」
 それで戦いを決めるというのだ。
「何時でも撃てる状況にはしているからな」
「はい、それではですね」
「すぐに艦隊に指示を出しましょう」
「本当は俺が後方で指揮を執るよりも前線にいた方がいいんだけれどな」
 艦隊指揮という面ではその通りだった。
「けれどな」
「はい、防衛ラインのコントロールがありますから」
「それは無理ですね」
「この戦いはこの連中があってこそなんだよ」
 キャヌホークはその防衛要塞とソーラレイ達を見て言った。
「このソーラレイ達がな」
「はい、だからこそですね」
「ここは」
「ああ、何とかうちの艦隊をあちらの艦隊と離して」
 全てはそれからだった。
「一気に焼き払うか」
「ではすぐに艦隊に指示を出しましょう」
「その為にも」
「全軍敵から離れるんだ」 
 キャヌホークも実際に指示を出した。
「上か下に一気に動け」
「そしてですね」
「奴等から離れて」
「いいか、巻き込まれるなよ」
 艦隊を率いている部下達にこのことを釘を刺す。
「さもないと本当に死ぬからな」
「はい、わかっています」
「それだけは」
「出来るだけ巻き込まない様にするからな」
 キャヌホークに部下を撃つ趣味はない、だから言うのだった。
「下がってくれ、いいな」
「はい、わかりました」
「ここは」
 部下である艦長達も頷く、そしてだった。
 ガメリカ軍はすぐに上下に別れ太平洋軍と分かれた。それは異様なまでに実にスムーズに進んだことだった。
 キャヌホークはそれを見て一瞬いぶかしんだ。
「あっさりと逃げられたな」
「ガメリカ軍の速度のせいでは?」
「アフターバーナーも動かしましたし」
 部下達がこう彼に述べる。
「だからでは」
「そうではないでしょうか」
「そうか?しかしこれで攻撃が出来る」
 キャヌホークはそれをよしとした。
「すぐにソーラレイで焼き払うか」
「では今から」
「ソーラレイの総攻撃に移ります」
「急ぐんだ」 
 その攻撃をだというのだ。
「太平洋軍を焼き払う」
「では」
 ソーラレイから太陽の光を反射したかなり強烈な光が放たれようとしている、だがその時にだった。
 東郷は指示を出した。ガメリカ軍の艦隊との混戦が終わったその時に。
「よし、今だ」
「今こそですね」
「全軍全速前進、そしてだ」
「敵の指揮艦を攻撃するのですね」
「他の艦艇はいい」
 今はだというのだ。
「そしてだ」
「それからですね」
「指揮艦がなくなったソーラレイは動かない」
 そして防衛要塞もだ。
「張子の虎でしかないからな」
「ではですね」
「そうだ、それから敵の艦隊に向かう」
 今は別れた彼等にだというのだ。
 
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