真剣で軍人に恋しなさい!
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『期待してた?』
「ふぃ~いい湯だった~」
ほっこり気分で寮に帰宅した俺……うん、銭湯は日本が誇る文化だよ
「そういや姉さん来てるかな~っと……うん、来てるね」
姉さん特有の気で大体分かる。以前は微弱にしか分からなかったが、人外執事にしごかれて覚えた……思い出すんじゃなかった
「ただいま~姉さん。ちゃんと来てたんだね」
「な、何の用だ…私を部屋に連れ込むとは……」
……ん? 何やらいつもと感じが違う様な……? 気のせい?
「ちょこっとね……んじゃ早速しますか」
やり方は覚えてるし、うんイケる
「ま、待て! 物事には順序と言う物があってだな! その……イキナリするのは…すこし…心の準備が……///」
やっぱりおかしい……何やらその、乙女としてのナニかが感じられるようなそうでないような……?
つか、心の準備必要か? ただ横になるだけなのに
「ほら膝枕、此処に頭を乗せて」
「そ、そう言うコトを最初にするのか!? 前戯も無しにか!?」
前戯? 何ですかそれは?
「いいから頭乗せる! 痛い事はしないから」
「それはそれで……って、お前は何をさせたいんだ!」
「え? 耳掻きですが?」
「へ……耳掻き?」
「……まさかとは思うが、疚しい方を想像したんじゃないよね……?」
まさかのマッカーサ、武神である義姉の川神百代さんがそんな疚しい事を考える筈か無いじゃないですか! ねぇ、姉さん?
「…………そ、そんな訳ないさ……」
はい考えてましたね。いいんです、貴女もお年頃の歳になりました。ソウイウ方に興味があるのは当然の事です……でも
「この俺が恋仲でも無い人にチョメチョメやる鬼畜な人だと思いますか!?」
そう思われているなら直ぐに銃自殺してやる! そんな外道になりたくねぇよ!!
「そうは思いはしないが……あの言い方だとそうとしか……」
え、それって俺が悪いの? 百歩譲って悪かったとしよう……でもそれって姉さんの解釈も問題じゃね?
「……はぁ、期待して損した……帰る」
「いや俺だけ悪いみたいな空気を残さないでくれるかい!? 取り合えず、耳掻きしてあげるから!」
このまま明日まで引きずって、迷惑が俺に降り懸かるのを防ぎたい
「モモ先輩が抜けるなら、私が受ける」
「耳掻き、ひざまくら~♪」
いつの間に入ってきたか分からんが、京とユキが部屋の中にいた……つか、最初っから聞いてたろ「……ま、姉さんが帰るならいい「やっぱりしろ!」……との事なので、部屋に戻る様に。終わったら呼ぶから」
「了解……優しくしてね?///」
「オッケー?」
ツッコまんぞ? その役目はモロなんだからね!
取り合えず二人は部屋から出ていった
「さて、んでは始めますか」
「う、うん…///」
耳掻き棒と綿棒、梵天を持ってくる……久しぶりにするな、耳掻き
「じゃ、膝に頭を乗せて、最初は右耳からだから…そ、顔が外を向くように」
「痛くするなよ……?」
「オッケ、任せんしゃい! こう見えても耳掻きは上手い方だと自負してるから」
ま、所詮自負だケド……
先ずは耳の外側の汚れを取っていく……こう見えても外側は汚れているんですよねぇ
「……何かくすぐったいな」
「まぁ、こればかりはどうしようも出来ませんね~」
思っていたより外側は綺麗だった為、次は耳の穴周辺を掃除する
「耳綺麗だね? まめにやってんの?」
「まめにと言う訳ではないが、月一か二ぐらいはやってる」
「まぁ、耳掻きってあんまりやらない方が良いらしいですからね~」
「そうなのか?」
「確かだけどね。何でかは分からんが」
「そうなのか……んぅっ」
くすぐったいのは我慢してケロ……どうにも出来ないから
「しっかし綺麗だな……俺やる必要なかったんじゃないか?」
「いや、弟の膝枕で横になりがら耳掻きを受けているだけでお姉ちゃんは幸せだぞ?」
「そうか? そうなら俺も嬉しいさ」
基本的に役に立ってもらえば嬉しい者なのでね。
次に耳の穴の中の掃除に移る
「ん~……お? こりゃ大きいか?」
「ん? 大きい物あったのか?」
「ん~? 取れるかな……んしょっと」
大きな耳垢を最後は手で引っ張って取る。うむ、やって良かった
「んでお次は、濡れた綿棒で取れなかった汚れをとるっと」
水で少し濡らした綿棒を耳の縁に付ける
「ひゃっ!?///」
「……姉さんも可愛い声出すんだねぇ~」
ニヤニヤと笑いながら姉さんに言う……いつもは凛としてるんだけど、こういう一面が可愛いんだこれが
「ニ、ニヤニヤするなっ!///」
はいはい、仰せのままに
綿棒を耳の縁、入り口周辺、中へと走らせる
「最後は梵天で仕上げて終わりだ」
白くフワフワとした梵天を耳に差し込んで軽く拭う
「ん、コレは気持ちいいな……」
若干トロンとした声が聞こえてくる絶対
後書き
前戯と言う物は辞典で違う言葉を調べていた時に見つけ、色々な意味で絶望しました……辞典ェ
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