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ソードアート・オンライン ~人形使いの集い~ フェアリーダンス

作者:人形使い
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中華再び

今日も仕事、JR大森駅から無料送迎バスに乗って大井埠頭の倉庫へGo!
いつもと同じように1台40キロのレーザープリンターを担いで梱包して出荷
17:30に無料送迎バスに乗って帰る

いつまでもこんな事やってて良いのかな
日雇いバイトとTVゲームで1日が終わるグウタラな毎日
それなりに楽しいっちゃ楽しいんだが・・・

そんなシリアスな悩みを抱えつつもALOに「リンクスタート」
今日は皆で中断していた「火のルビー」クエを再開する予定
「風石の鉱山」まで進めたところで燃える闘魂の馬鹿どものせいでお預けになっていたのだ
少し遠いがノーム領とスプリガン領の間にある「埋立地帯」へと向かう
埋立ってのが何を埋立てたのかがヒントだ、たぶん「火のルビー」が埋まっているんだろう
そんな事を考えつつ進んで行くとフィールドボス狩りをしている集団と遭遇
「燃える闘魂」のメンバーが混ざってないか確認する為に目をこらしてみると

        あー、このネーミングネンスはやっぱりそういう事なんだろうな

石崎ひろし  ナマエナシ     oceanblue    ドワキ      ウシーシ隊長

reading    話しばかり   あい制限された   セークシ気持ち   付き合い

紋でい経   モスチーズ    亀井姫神      名の星       ゐぇ愛

生の存    MiNUY      聖皇        エギラ        高テク

フォーコース 蒼牙マウンテン  大魔王兄      蒼牙の霊峰    活殺神衛兵

以前の騒動で懲りているので中華狩りするつもりはない
ただ中華さん達はどういう狩り方でボスを倒すんだろうと興味が沸いたので皆で立ち止まって見学する
すると、こちらに気がついたのか「石崎ひろし」が近寄ってくる
そして話しかけてきた

                 「PT?」

いやいやいや、そんなつもりは無いよw
「No, We are visitors(我々は見学者です)」と伝えると
「hehehe ok Look^^(アハハハ、わかった見ていきな)」と言いながら戻って行った

ここでボスの討伐方法についてのセオリーを説明しよう
メンバーの中でも硬いプレイヤー、つまりタンカーとか言われる防御力に特化したプレイヤーが
ボスにファーストアタックを加えてタゲを取る
後衛職はタゲを取っているプレイヤーに集中してヒールをする
その間に防御力は低いが攻撃力の高い物理アタッカーや攻撃魔法職がボスモンスに攻撃する
稀にタゲが跳ねてしまう事もあるが、そのまま倒しきるというのが一般的な討伐方法である
さて、中華さんの場合はどういうやり方をするのだろうか?

まずは全員に強化魔法をかける、そしてボスを取り囲む
なんだ、我々と同じ狩り方なのかなと思っていると
いきなり予想外、全員で適当にボスを殴り始めたwwwwwww
大暴れするボス、片っ端から屍となる中華軍団
しかし、死んだ端から蘇生していく、そしてまた適当に殴りまくる
また死ぬ、また蘇生する、また死ぬ、また蘇生、また死ぬ、また蘇生するをエンドレスで繰り返す
おいおい、これデスペナが半端じゃないぞ?
10分ほどこんな状態が繰り返されてボス討伐完了

             アハハハハハハハハ、豪快だな~!

我々日本人が初めてボス狩りした頃を思い出すような壮絶なハンティングだった
こいつら普段からこんな狩り方してるのかな?
なんか老婆心が沸いてボス狩りのセオリーをレクチャーしたくなってしまった
もっとも、そんな義理は無いのだが
すると先程の「石崎ひろし」が再び近寄ってくる
「Was it interesting ?(面白かったかい)」 と聞いてきたので
「yes」と返事をすると「It play together more interesting(一緒にやるともっと楽しいぜ)」
ちょwwww、どうするよ、誘われちゃったぞwwww
「折角だから一緒に遊んでみようか」とシャルル
さすが我らがオヤビン、躊躇無いぜwwwww

じゃあ言ってみようかという事で「Yes」と答えると「ok, come come」
そう行って一斉に南に移動していく、我々もその後を追う
しばらく進むとウンディーネ領の湿地帯、そこにいるフィールドボスは「ジャイアント・スワンプ」
緑色の巨大なミミズみたいな奴である
ついてはきたものの、流石にあんな狩り方に付き合うわけにはいかないのだがどうしようと思っていると
「ボスのタゲを取らないように連中よりワンテンポ遅れて攻撃すれば大丈夫じゃね」とシャルル
集まって強化魔法をかけると、先程と同じように中華が適当に殴りだして戦闘開始
大暴れするジャイアント・スワンプ、我々も数秒遅れて攻撃開始
次々と死んでいく中華、そして次々と蘇生、次々とタゲを変えるジャイアント・スワンプ

こういうモンスターは内部にヘイトリストというデータベースを持っており
攻撃された順番、回数、ダメージを積算した数値、ヘイト値で反撃するターゲットを選定している
そして対象が死亡するか、ログアウト、一定時間、或いは一定距離を離れると
ヘイト値がリセットされるという仕組みを持っているのだ
そのため順番に中華が死んでいくとワンテンポ遅らせて殴り始めたとしても
最終的には必ずこちらにもタゲが向く事になる
これを防ぐためには中華の誰かが自分よりも大きなヘイト値を稼ぐか、一定時間、一定距離を離れて
ヘイト値をリセットさせない限りタゲが離れる事は無い
さあ、どうする、どうする、どうする、もうそろそろこちらにタゲがくるぞ
するとシャルルが「全員、武器を初期装備に持ち替えて」と指示を出す
なるほど、そうすればタゲがこちらに来るタイミングを大幅に遅らせる事ができるね
とはいえヘイト値がゼロになるわけではないのでボスが死ぬのが先か
こちらにタゲが来るのが先なのかは変わりない
ドキドキしながら殴っていると「No change arms(武器を持ち替えるな)」と石崎ひろし

              げぇっ、見られてるじゃん! 

シャルルから「仕方ない、アイツの言うとおりにして」とウィスパー
言われた通り再び通常武器に持ち替えてボスを殴り始める
嗚呼、嫌だな、いつボスのタゲが自分に飛んでくるか気が気じゃない
こちらの思惑に気がついてるようで「hehehe okok dai jyou bu da yo」と石崎ひろし
10分ほどしてジャイアント・スワンプの討伐完了
運よく誰もタゲをもらう事なく終わった

いや待てよ、これ本当に運が良かっただけなのか?
確かに数分だけ初期装備にしていたとはいえ、これだけ殴る蹴るしておきながら
12人全員が1度もタゲをもらわずに済むものなのか?
だいたい、ジャイアント・スワンプをわずか32名(25+7)で倒せるって変だよね?
そういやさっきのフィールドボスは10分かかったとはいえ25人で倒しきったんだよな
ここから導き出される答えはだた1つ
彼ら1人1人の戦闘力は我々とは比べ物にならないくらいに高いって事だ
その事に気づいてシャルルにウィスパーを送ると、やはり同じ結論だったらしい

ALOはスキル制でありレベル制ではない、しかしスキルポイントというものは存在しており
こいつは狩りを繰り返す事で蓄積されていくし、ユルドを稼いで高級な武器防具を揃える事もできる
ましてやボス狩りをしているとなれば、ボスからドロップする強力な装備を持っていても不思議ではない
あらためて彼らの装備品を見てみると、明らかに店売りとは違うものばかりだった
赤く輝く剣、黒光りするハンマー、青く光る短剣、白銀の弓
流石にレジェンダリーウェポン(伝説武器)ほどではないだろうが、見ただけで強そうなのがわかる
恐らく彼らはスキルがMAXまでカンストしているのではないだろうか
もしそうだとすれば・・・

なんか鬱々とした気分になってきたところに「hehehe」と言いながら石崎ひろしが近寄ってくる
「Go next(次へ行くよ)」そう言って移動を始める
シャルルに「どうする?」と、問うと「ついて行こうぜ」との事 
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