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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第8話:ちょほいと待ちなぁ~

(テンペ村)
リュカSIDE

「ちょっとリュカ! 悪者を放っておいて良いの!? 私達でこの村を救いましょうよ!」
何言ってんだ、この嬢ちゃんは?
唯一の美女は他人の女…格好を付けたところで、一体誰が俺に群がって来るんだ!?
ババア共か? ロリータ共か? …どっちも興味ねぇ!

「そうですよねアリーナ様! 我らがこの村に訪れたのも、何か神のお導きかもしれません。私達でこの村を救ってあげましょう!」
おぉ…アリーナの前だからってカッコつけて点数稼ぎか?
だけど、ちょっと声と足が震えてるゾ! 魔物が怖いんだろうに…(笑)

「救うって………どうせ3分間しか変身出来ない豚が、村の女の子を攫って………はっ!?」
そうだよ…ウーロンが人攫いを行った時、隠れ家に女の子達を連れ帰り、うはうはハーレムを築いてたんだ!
その魔物を“バチーン!”と倒して隠れ家に行けば、美女達がこの(イケメン)に群がってくるんじゃ………うん。間違いなくそうなるね!

「よし、僕達で魔物をぶっ飛ばそう!」
「おぉ、本当でございますか!? そ、それでは教会へ行き、神父様に事情をお話下さい。そうすれば本日の生贄として、村奥の祭壇へ案内してくれるでしょう」

“本日の生贄”? …つまりアレか。
悟空みたいに、女装してウーロンを待ち構えようってワケね!
アイツ…立ちションしてバレたから、今回は気を付けないとね。

リュカSIDE END



(テンペ村)
クリフトSIDE

今私の目の前には、アリーナ様の美しい髪の毛が広がっております!
狭い…とても狭い籠の中…私とアリーナ様とブライ様は、今日生贄にされる予定だったニーナさんの代わりに、生贄として籠の中に身を潜め祭壇へ奉られております。

4人で旅をしているのに、ここに居るのが3人なのにはワケがございます。
それは教会での事…



「え~嫌だよ! こんな狭い籠の中に入るのは嫌だ!」
「リュカ…何を言っておる! この中に入って、魔物共が近付いてくるのを待つのが作戦であろう!」
「こんな狭い籠の中に、4人もの人間が入れる訳ねーだろ! 大体これは、女の子が1人で入る様に作られたんだぞ!」

「た、確かに4人はムリか…」
「それに僕は、アリーナと二人っきりなら喜んで入るけど、野郎と密着したくない!」
「き、キサマと姫さ…アリーナ様を、二人きりに出来るか! 生贄にするより(たち)が悪いわ!」

「じゃぁ僕は入らん! それに爺さん…アンタ仁丹臭いんだよ!」
「よ、余計なお世話じゃ!」
「ま、まぁまぁブライ…落ち着いて…じゃ、じゃぁ籠に入って待ち構えるのは、リュカを除いた3人って事で良いわね?」

「ではリュカさんはどうするのですか? 宿屋に戻って我らの活躍を高みの見物ですか?」
「う~ん………それもアリかな?」
「ちょっとリュカ!」

「ジョーク、ジョークだよ! 魔物に気付かれない様に、外で籠を見張ってるよ。魔物が現れたら、みんなで応戦だ!」



と、リュカさんだけは何処かで我らを見守っている…ハズです。きっと…

「そ、それにしても…」
アリーナ様が何やらモゾモゾ動きながら呟いている。
正直、アリーナ様が動く度に、柔らかいお尻が私のアレに当たり刺激します。す、素晴らしい…

「リュカの言ってた事は本当ね…」
「と、言われますと?」
アリーナ様が動くのが苦しいらしく、ブライ様が苦悶の声で呟き問う。

「こんな籠の中に、人間4人も入らないわ。3人ですら苦しいんだもん!」
その通りだ…しかも我ら3人は、どちらかと言えばスリムな方なのだ。
しかしリュカさんは違う…見た目はスリムなのだが、体中の筋肉が凄いのだ。

とてもじゃないがリュカさん込みでは入れない…我らの内1人としか、この籠には潜めないだろう。
いい加減に見えて、何時も正しい事言ってくる人だ。
………ブライ様の仁丹臭さも!

クリフトSIDE END



(テンペ村)
ブライSIDE

生贄の祭壇へ奉られて暫く…
外の様子は見えんが虫の音が聞こえてくる事から、辺りは暗く夜へと変わったのだろう。
この窮屈な籠のなか…ワシ等の我慢も限界を迎え始めた頃…

「ぐっはっはっはっ…今宵も生贄を貪るとしよう…」
我らの入る籠の近くで、禍々しい声が聞こえてくる。
本来は引き付けて奇襲をする作戦だったのだが、この窮屈さに耐えかねた姫様が、颯爽と籠から飛び出し魔物と対峙する。

「テンペ村を困らせる悪いアンタ達は、この正義の味方アリーナが許さないんだから! この場で成敗してやる!」
本来ならば作戦を台無しにしたと怒鳴っているところじゃが、今回はワシも飛び出したい気持ちになっていた為、むしろ感謝をしておる。

「ん~? どうやら村の者共は我慢できなくなったようだ…旅人を雇い、我らに対抗しようとはなぁ…わっはっはっはっはっ!」
魔物のリーダー格…あれは『カメレオンマン』と言う魔物じゃった…が、暴れ狛犬を数匹従え、我らを恫喝してきおる。

くっ…暴れ狛犬も強敵であれば、それらを統率するカメレオンマンも並々ならぬ相手。
どうやら苦戦する事は必至であろう…
無茶な突出は控えるよう、姫様に目で合図を送る。

姫様もワシを見て小さく頷き身構えた。
どうやら成長はしているらしい…その点はリュカに感謝じゃな。
そんな事を考えていた時…

(デンデレ デンデレ デレデンデレ)
「ちょほいと待ちなぁ~」
どこからともなく鳴り響くギターの音と共に、リュカの力の抜けた声が響き渡ってきた!

ブライSIDE END



 
 

 
後書き
R・田中一郎

ファンの人、ゴメンね。
知らない人、ゴメンね。
はしゃいでるリュカさんを書いてたら、このシーンを書きたくなっちゃったんだ! 
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