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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第6話:体より先に頭を鍛えろ!

(サラン周辺)
アリーナSIDE

私の周りを突風が駆け抜ける…
2匹の暴れ狛犬に挟まれ絶体絶命だった私は、目にも止まらぬ早さで攻撃を繰り出すリュカによって助けられた。

屈辱だ!
二度目…リュカに危ないところを助けられたのは、出会ってまもない時に問答に夢中になり敵の接近に気が付かなかった時…そして今回と、二度も痛手を負う場面でリュカに助けられた。

しかもそれだけじゃない…
今私は、『戦い方がなってない!』と説教をされている…
サントハイム城に居た頃は私に敵う相手など居なかったのに…戦い方で私に説教を出来る奴など居なかったのに!

「滅多やたらに突撃するな! 折角一緒に戦う仲間が居て、援護をしてくれるのだから協力し合わないと! お前一人で敵を全滅させられるのなら問題ないけど、実際問題敵中で孤立し隙だらけになってたからね! …頭おかしいのかと思ったよ、あの戦い方は!」

「だって……簡単に倒せると思ったんだもん!」
そう…私は強いのよ! そりゃリュカ程じゃないけども、一国の兵士達よりも強いのよ。
あんな犬もどきに負けるはずがないじゃない!

「これだから世間知らずのお姫さんは困るんだよ…『彼を知り己を知れば、百戦殆うからず』と言い、敵の能力を把握し自分の力量を理解していれば、負ける事は無いと言う意味だ。お前はどっちも分かってないだろ!」

「わ、分かってるわよ! これでも私は、城の兵士達より強いのよ! 一度も負けた事が無いんだからね!」
プロの兵士達より強いのよ。
自分の事はちゃんと分かってるわよ!

「馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、これ程ヒドイ馬鹿だとは思わなかった…」
「な…ば、馬鹿とは失礼ね!」
何なのよ溜息混じりで失礼な!

「城の兵士に勝つのは当たり前だろう。一応とはいえ、アリーナはサントハイムのお姫様なんだぞ! 本気なんか出す訳無いだろうが! 間違っても怪我などさせる訳にいかないんだ…万が一、顔に一生消えない傷を付けてしまったらと思えば、自身が痛い思いをしても勝ちを譲るに決まってるだろう! そんな事をした兵士が、何時までも城で働けるはず無いからな!」

「私、そんな心の狭い事はしないわ!」
「違う! アリーナがどうこうすると言う意味じゃない! お前はお姫様なんだ…自分はそんな事を気にしなくても、周りの人々は気にするんだ」

「ま、周りの人々…」
「そうだ。現にアリーナの身を心配して、ブライとクリフトは危険を顧みず同行してるだろ! もし城の兵士の一人が、間違ってアリーナの顔に傷を付けたら、ブライもクリフトも…城の皆がそいつを許さないだろう。例えアリーナが許すと公言しても、周囲の人々は心から許す事が出来ず、精神的に追い込んで行くだろう」
そ、そんな事まで考えた事ないわ…

「良いかいアリーナ…お姫様気分を捨てきれないんだったら、今すぐお城へ帰って我が儘を言っていろ! 自由を手に入れ、世界を旅し、強さを求めるのであれば、自分一人の事だけでなく仲間の事も考えて行動をしなさい。自分の動きが、仲間達にどんな影響を及ぼすのか…それを考えながら行動しなさい!」

リュカは怒っている…
私が敵の事を理解しようともせず、ブライ達の動きを考えようともせず、我が儘に動いたから凄く怒っている。…………悔しいなぁ!

(リュカ)は少し強く旅慣れしている軽いだけの男だと思っていたのに…
凄く色々な事を考え、心身共に強い、本気で頼りになる男性なんだ。
どうしよう…城には居ないタイプだよ…
どうしよう…カッコイイよ…

アリーナSIDE END



(テンペ村周辺)
リュカSIDE

俺、カッコイイ!
まだまだ青いお嬢ちゃんを叱り、本当は頼れる男をである事を見せつけ、俺のパーティー内の立場を確定させる。
アルル達との冒険の時も同じ手を使ったしね…これで戦わずにいても怒られにくくなったね!

さっきの説教以後、3人が連携して戦闘をこなす様になり、ここら辺の敵であれば危なげなくなった様だ。
仲間って便利だよね。仲間がいれば面倒な戦闘をせずにビアンカ達を探せるし…
痛い思いもしないで済むし!

しかも戦闘が終わる毎に、アリーナが“これで大丈夫?”ってな感じで俺の事を見るんだ…
大人の包容力を見せる為、無言のまま笑顔で頷いて答える。
そうすると顔を赤らめて嬉しそうにする少女…可愛いよね!

ただアリーナに惚れているクリフトが、俺をチョイチョイ睨むんだけど…
嫉妬かしら? 鬱陶しいですねぇ…そんなにアリーナの事が好きなのなら、夜這いでもかければ良いんだよ!
もうちょっとオッパイが大きかったら、喰ってたからね俺!
早い者勝ちの世界だからね!

さて………
地図で見た感じでは、この近くに村があるはずなのだが…
日も暮れかけてきたし、野宿よりは宿屋のベッドで眠りたいなぁ。
できれば可愛い村娘付きで!

意外と田舎の教会には、スレてない美人シスターが居るんだよね…
それに畑仕事ばかりしている娘が、ダイアの原石だったりするし…
田舎を侮っちゃダメだよね!

あぁ…ワクワクしてきたよ。
冒険しているなぁ~って感じがしてきた。
やっぱ自由って良いなぁ!

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
前作でも、リュカさんはこんな事を考えながら格好を付けてました。
格好いいリュカさん像を壊してしまってゴメンね。
でもこれが本当のリュカさんなんだよ。 
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