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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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梨華の戦い。

「はや。通信傍受をお願い。敵の位置を割り出して。」
『了解。すぐに伝えるよ。』
私は冷静な状況ではなかったが、言えることが一つだけあった。
それは絶対に負けてはいけないということ。
もなかにあんなことしたんだもん。
絶対に許せない。
『梨華分かったよ。敵は市街地の北側を拠点にしているみたい。隊長の戦車以外は一緒になって私たちに向かってきているみたい。』
「ありがとう。いつでも小ミサイル弾を使えるようにしておいて。射程範囲に入ったら構わず撃っちゃって。」
『了解。』
向こう側は四両で攻めてくるんだ。
見つかる前に攻撃しないと押し負けちゃう。
だから先に仕掛けないと。
『梨華。』
もなかが私に通信を入れてきた。
「なに?」
『騙されないで。修善寺は絶対に五両で来るから。だって美香は絶対に流儀を曲げないから。』
もなかの話を聞く限り修善寺は全車両でかかってくるのか
これは好都合のことで。
「はや。この情報をみほ達にも伝えて。」
『もう伝えてあります。』
今日のはやは行動がいつも以上に早い。
なにか良いことでもあったのかな?
試合が終わったら聞いてみよ。
「敵戦車二両確認しました。どうしますか?」
「他の車両は?」
「現在はやが確認中です。」
私は裕香とさやねに情報を聞き、最適な撃墜方法を考えた。
「私達は砲弾と小ミサイル弾であの二両を倒すわよ。」
「「「了解です。」」」
通信手の裕香が小ミサイル弾のロックをかけた。
「後方の戦車にロックオンしました。」
裕香も慣れてきたのかロックするスピードが早くなった。
そして亜依の装填速度も。
「装填完了です。狙いも前方戦車に合わせました。」
これで狙いは定まった。
「発射。」
すると砲弾は大きな音をたて、小ミサイル弾は気付かない程度の音で打ち上げられた。
砲弾は感づかれましたが回避は出来ずに命中。
小ミサイル弾には気付かず命中。
アッサリと二両を撃破してしまった。
『梨華危ない。』
私は後ろを見るともう一両の戦車の砲台が私たちを狙っていた。
「再装填急いで。はや、援護して。」
私がお願いする前に大きな音が聞こえた。
一瞬はダメかと思った。
だが、
『間一髪だね梨華。』
はや達が撃った砲弾は向こうの砲弾にあたり砲弾を撃ち落とした。
「絵里。準備はいい?」
私は絵里に目線を向けると引き金を引く手前だった。
絵里は独断で砲弾を撃ち見事命中した。
「ナイス絵里。」
『修善寺女子高三両行動不能。残り二両。』
審判に告げられてわかった。
みほたちもまだ大丈夫だと。
「もなか。残りの戦車には誰が乗っているの?」
もなかは口を詰まらせていたが、
『妹の美香に毛利愛の二人だと思う。』
『大洗二両行動不能。残り三両。』
審判の言葉に耳を疑った。
「はや。美保のところに行くよ。」
『みほはこの先を右折してから直進したところだよ。』
私はみほ達なら大丈夫だと思っていた。
その思い違いが今回の結果を生んでしまった。
『梨華。私たちは大丈夫だから気をつけて。』
みほからの通信。
でもみほは大丈夫な状況とは言えない。
「はや。一斉に威嚇するよ。」
『うん。』
私たちは空砲を撃って敵を一時的にこちらに注目させることにした。
「ドォーン。」
空砲のため良い音ではなかった。
しかし敵戦車から車長が乗り出すのが見えた。
「みほ。今だよ。」
『うん。』
みほたちに一両撃破してもらい残りの一両を私たちで叩く。
『ドォーン。』
みほの戦車から砲弾が打ち出された。
みほたちの砲手は絵里程ではないが腕が良い。
「絵里、幸。お願いね。」
私たちも負けずに撃った。
しかしみほ達が撃った戦車から砲弾が飛んできた。
『大洗、修善寺共に一両行動不能。残り大洗二両。修善寺一両。』
飛んできた砲弾ははやたちに当たった。
「みほ。一緒に撃つよ。」
『うん。』
私たちは同時に攻撃を仕掛けた。
前後からの攻撃を避けれるはずもなく。
『修善寺全車両行動不能。よって大洗の勝利。』
見事な勝利とは言えないが勝った。
と言うかこんな学校に負けるわけがない。
だって仲間を大切にしていない学校なんだから。
チームワークなんてバラバラ。
結果なんて始まる前から決まっていたはず。
それでも追い込まれたのは私のわがままのせい。
みほの指示を聞いていればこんなことにならなかったはず。
私は挨拶のために戦車をおりて修善寺女子高の隊長、副隊長の前にたった。
「一同礼。」
「「「「ありがとうございました。」」」」
審判に合わせて挨拶をした。
私は修善寺女子高に向かって。
「今日のことは本家で話すから。」
来年も出るであろう一年生は嫌な顔をしていた。
「待ってください。」
私が戻ろうとしたのを止めたのは美香を含む一年生は三人だった。
「出すぎた真似をしてすみませんでした。」
「「すみませんでした。」」
三人は頭を下げて謝ってきた。
美香以外が謝ってきたのに意味が分からなかった。
「君たち二人は?」
「三好藍です。」
「小早川葵です。」
二人が顔を上げて名乗ってきた。
「三人に免じて今すぐ許してあげるなんて出来ないんだ。だからね、決勝トーナメントの結果で決めるから練習頑張ってね。」
私は甘い。
あんなことで許すなんて。
「じゃあ帰ろうか。」
私たちは自分達の学園艦に向けて歩いていった。 
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