DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
第9話:行きはヨイヨイ、帰りはフワフワ?
(湖の塔)
マリーの唱えたメラゾーマを皮切りに、ピサロの手先との戦闘が開始された。
早々にピサロの手先が火の玉を吐いて攻撃を仕掛ける…
ライアン・ホイミン共に小範囲に火傷を負うが、直ぐさまホイミで回復する。
直ぐにライアンが剣を振りかぶり強烈な一撃をお見舞いする…
ピサロに手先に当たったが、致命傷にはならずメラで反撃される。
またもホイミンのホイミで回復し、此方も致命傷は避ける事が出来た。
共に一進一退を繰り返す両者…
実力はライアン・ピサロの手先共に互角…
唯一有利な点はホイミンの存在である。
ピサロの手先は少しずつダメージを蓄積してゆき、能力を低下させているのだが、ホイミンが回復をしてくれるライアンは、能力を落とすことなく戦い続ける事が出来ている。
この差は次第に大きくなり、ピサロの手先は焦りを憶えていた。
更に言えば、手下の大目玉を一撃で倒す魔力を有するマリーの存在も大きい。
仮にライアンを倒す事が出来ても、全く余裕を残している強大な魔道士が控えているのだ…
精神的にも押されている。
(湖の塔)
ライアンSIDE
(ザシュ!)「ぎゃー!!」
遂に私の剣は敵モンスターの息の根を止める事に成功する。
ホイミンを仲間にした事は、かなり有利に働いた。
懸命に回復役に努めてくれたホイミンの頭を撫で、攫われた子供達の下に向かう。
そこには先制攻撃のメラゾーマを放ったマリーが、子供達と共に笑顔を浮かべて待っていた。
「おいおいマリー…一人後方で見物なんてズルイではないか?あんなに凄い魔法を使えるのだから、もっと援護してくれても良かったのでは?」
「そうしたかったんだけど、メラゾーマなんて大技を使っちゃったら、魔法力を全部消費しちゃって戦える状態じゃなかったのよね」
ペロッと舌を出し戯けて謝るマリー…そういう事情では仕方ない。
「お姉ちゃんスゲー!僕もあんな魔法を使える様になりたいなぁ」
「俺も、俺も!」
美しく強いマリーは男の子達の憧れの的の様だ。
皆マリーに抱き付きはしゃいでる…羨ましい限りだ。
「お姉ちゃんは凄いでしょう!魔女っ子美少女マイノリティー・マリーとは私の事よ!ホホホホホ!」
気を良くしたマリーが腰に手を当て高笑う。
…しかし何故に“マイノリティー”なのだ?
「さぁ、みんな無事だな!?では家に帰るとしようか!お父さんやお母さんが心配しているぞ」
何時までもこうしていられないので、子供達を纏め帰る準備を整える。
私が先頭に立ち、殿をマリーに任せ、子供達を間に挟み守る形で移動する。因みにホイミンは私の腕に絡み付いている…
暫く歩き塔の外へ出たところで、子供の一人がとある疑問を呟いた。
「この塔って周りを湖に囲まれているんだよね…どうやって帰るの?」
言われてみれば………
「こ、この靴を履けば、元の場所へ戻れるのではないかな?」
古井戸内で見つけ、この塔に来る事が出来た珍妙な靴を取りだし、皆に帰る方法を提示する。
「きっと塔の最上階に行くだけだと思うわよ」
「それはやってみなければ判らぬだろう!さぁみんな、試してみるから私に掴まってくれ!」
マリーに提案を却下され、ついムキになって靴の効果を試す私…
万が一という事も………
だがしかし…
マリーが言った通り、塔の最上階へと到着地点が決まっており、また同じ所へ戻ってきてしまった。
「どうするか…泳いで湖を渡るしかないのか?」
「おじちゃん…僕、泳げないんだ…」
勿論、子供達を泳がせようとは思ってはいない。
だが思わず呟いた言葉に、子供の一人が不安気に反応する。
「じゃぁボクがみんなを運ぶよ!」
途方に暮れていると、ホイミンが明るく提案してくる。
どうやら空を飛べる自分が、皆を運ぼうと言うらしい…
「し、しかしホイミン…言ってはなんだが、お前は力が無い…この人数を背負い、空を飛ぶのは不可能であろう」
「うん…一片に運ぶのはムリだけど、一人ずつなら出来ると思うんだ。多分だけど…」
多分か…どうにも心許ない話だな。
とは言え他に良い案があるわけでもない…
今はホイミンに託すしか無いのかもしれないな…そう考えていると、
「この塔の高さを利用すれば、湖の向こう側まで何とか行けるんじゃない?」
塔の高さを利用する…?
最初はマリーの言ってる意味を理解出来なかった…しかし、じっくり考えると解ってくる。確かに良い案だ!
「うむ。マリーの提案を採用しよう!手間ではあるが、一人ずつ向こう岸まで運んでほしい…お願い出来るかホイミン?」
「うん。ボク頑張るよ!」
「じゃぁ私が一番最初ね。次いで子供達を一人ずつ運んで、最後にライアンちゃんって順番で良いわよね?」
ホイミンの了承を得たところで、マリーが勝手に順番を決めてしまう。
「おいおい…先ずは助けた子供達が優先だろう。我が儘を言う物ではないぞマリー!」
「あ゙?我が儘なんて言ってないわよ!」
しかしマリーは凄く不機嫌な顔になり怒り出す。
「良く考えてよ!向こう岸にだってモンスターは居るのよ。子供達だけを先行させて、戦える私達が最後までここに残ったらどうなると思ってるの!?」
た、確かに…そ、それは……
「だから私が最初に向こうへ行って、敵が来ても倒しておくの!こっちで敵に襲われた場合は、ライアンちゃんが駆逐すればいいでしょ!私が先でライアンちゃんが後なのは、軽い私を先に運んだ方が、ホイミン君の体力消費が押さえられ、子供達を湖に落とす可能性が減るからよ!それに最後のライアンちゃんの時に、ホイミン君の体力が無くなっても、ライアンちゃんなら泳いで帰ってこれるでしょ!?」
どうやらマリーはちゃんと考えて順序を提案してきたらしい…
凄い勢いで正論を捲し立て、私に反論の機会を与えてくれない…
尤もこの意見に反論する気は無いのだが。
「わ、分かった…私が悪かった…で、ではマリーを一番最初に運んでくれホイミン…」
「は~い、分かりました~」
素直なホイミンに助けられる私…もうマリーを怒らすのは止めよう。
「あ、ライアンちゃん…空飛ぶ靴を貸して!」
「空飛ぶ靴?この珍妙な靴の事か?これをどうするのだ?」
『空飛ぶ靴』とは言い得て妙だな。良いネーミングセンスを持っているものだ。
「ホイミン君の負担を少しでも軽減させたいのよ。私達を向こう岸まで運んだら、空飛ぶ靴を履いてここまで戻ってくれば、体力消費を押さえられるでしょ!」
「なるほど…マリーは頭が良いな!」
私は大きく感心し、マリーに空飛ぶ靴を手渡した。
ライアンSIDE END
後書き
何時まで経っても戦闘シーンが書けないあちゃでございます。
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