DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
第6話:有名な秘密基地
前書き
遂にこのパーティーにも新メンバーが加入します。
カワイイ、カワイイあの子です!
優しくしてあげてね。
(イムル村周辺)
マリーSIDE
私達は今、イムル周辺にある森の中の古井戸へと来ている。
元冒険家のアレックスさんが、井戸の底に洞窟が広がっていると聞きつけ、秘密基地代わりに使用していた子供達から情報を聞き出し、此処を探検したらしい。
その際に、とんでもなく恐ろしい目に遭い、心が子供返りしてパンを盗んでしまったのだという……ホントかよ!?
前代未聞の記憶蘇生術により、その古井戸の洞窟に今回の神隠し事件の有力な手懸かりがあると、教えてくれました。嫁の乳を揉みながら…
ツッコんだら負けだ!実の父親や、兄嫁の父親で体験済み…
冷たい目で見下ろし、去り際に“フンッ!”と鼻で笑ってやるのが最も効果的だ!
しこたま傷付きショボくれる。
だけど真面目なライアンちゃんには刺激的で、本心は見たいはずなのに視線を逸らし照れ笑い。
そして彼等と別れ牢屋から出たところで一言…
「まったく!人と話をする時にあの様な態度を取るとは…けしからん!」
ちょっと腰が引け歩き辛そうなライアンちゃんにはツッコまず、
「アレックスさんの情報が正しいのか、子供達に秘密基地の事を詳しく聞いて裏を取りましょう!冒険野郎マクガ…ゲフンゲフン、アレックスさんの及び腰で、今回の事件と無関係な洞窟を探索したくないですからね…」
と提案。
勿論即決OKで、授業が終わる夕刻に学校へ赴いて話を聞く。
子供心は単純で、出来の良い秘密基地を秘密のままにすることは出来ず、ちょっと自尊心を刺激したらペラペラ教えてくれました。
世の中に秘密基地などは存在しません。公然の秘密基地があるだけです!
そして、その公然の秘密基地に辿り着いた私達は、子供達からの情報に従い古井戸の中を探索するのだ。
マリーSIDE END
(古井戸の底)
ライアンSIDE
心優しいマリーの質問のお陰で、子供達も秘密基地の事を教えてくれた。
私相手では秘密を暴露してはくれないだろう…
流石マリー…美しく聡明なだけはある!
さて、いざ古井戸ないの洞窟を探検すると、所々で『こっちへおいでよ!』と子供の様な声が聞こえてくる。
どうやら我々を誘導している様で、違う道へ向かいそうになると『そっちじゃないよ!』と指摘してくる。
マリーを脅えさせてはならないと思い、手を握ってやろうと近付いたのだが…
「うるせー!私の好きに歩かせろ!お前の指示になんぞ従うか!」
と、何処からか聞こえてくる声に大激怒…脅えてはいなかったみたいだ。
何度目かの『そっちじゃないよ!』の声を無視して進む事数分…
地底湖の畔で1匹のホイミスライムに遭遇した。
戦闘の出だしが遅いとマリーに指摘されて以来、意識して先制攻撃をしてきた私は、咄嗟に剣を抜き攻撃態勢にはいる。
「あ、待って!ボ、ボクは悪いホイミスライムじゃないよ!」
ホイミスライムは何やら言い訳をしているのだが、振り上げた剣は止める事が出来ず、ホイミスライム目掛け振り下ろされる…
「とうっ!」(ドカッ!)
だが、直前でマリーに後ろからドロップキックをされ、勢い良く前のめりに倒れ込みホイミスライムを斬り殺す事を回避する。だが顔面から倒れた為、とても痛い!
「いたたたた………い、一体何をするのだマリー…」
私は顔を押さえながら立ち上がると、涙目でマリーの事を見詰めた。
「私には判るの…この子は良い子よ。目を見れば悪じゃない事は一目瞭然よ!」
「ボ、ボクはホイミン。人間になるのが夢なんです!人間と一緒にいれば、人間になれるかもしれない…だからボクも連れてって下さい!」
「キャー、可愛い!よし、一緒に旅して立派なイケメンになりましょう!」
勝手に話を進めないでもらいたい。
モンスターを連れて旅など出来るわけがないではないか!
「マリー…悪いのだが「私達ね、子供が神隠しになる事件を調べているの。ホイミン君は何か知っているかしら?」
私の拒絶を遮って、ホイミンと名乗るモンスターと楽しげに会話を続けるマリー…
この娘はモンスターが怖くないのか?
私が複雑な表情でマリーを睨んでいると、気付いたらしく向き直って告げてくる…
「私の故郷では、モンスターと共存するのは日常茶飯事よ!町中にも至る所に邪気のないモンスターが居り、人々と共に助け合って生活してます!私の友達にもホイミスライムのホイミン君が存在します!」
「わぁ、ボクと同じだぁ!お姉さんは仲良しなの?」
「えぇとっても仲良しなの!私が回復魔法を使えないから、怪我した時とかに重宝するのよ!数々の修羅場を潜り抜けてきてる子だから、回復魔法を全て使えるしね!」
「すごーい!ホイミスライムなのに、ホイミ以外の魔法も使えるんだ!………でもボクはホイミしか使えないよ。こんなボクじゃお役に立てないね………」
「何を言ってるのホイミン君!君は人間になるのが夢なんでしょう!?だったらその過程で、色々な魔法を憶えて行けば良いのよ。私と一緒に頑張ろう!」
私を無視してホイミスライムの同行が揺るぎない物になってゆく。
二人とも盛り上がり、かなり感動し合っている…
今更『モンスターと同行などできん!』と言えば、私はマリーに極悪人として見られるだろう。
「私はマリーよ、よろしくね♡ あっちの髭を生やした顰めっ面は……ねぇ、ホイミン君を連れて行く事に反対なの!?」
自己紹介を終え、私に向き直り紹介しようとするマリー。だが不本意が顔に出ていた様で、厳しい口調で突っかかってくる。
「い、いや…反対というか…何時モンスターの本性を現して襲いかかって来るとも限らん…危険では……?」
「何を言ってるのよ!ライアンちゃんだって、何時男の本能を剥き出しにして、私を襲うとも限らないでしょ!」
「な…失礼な!私はそんな不埒な事は絶対にしない!」
「それだったらホイミン君だって、私達を襲ったりなんかしないわよ!」
「何故そんな事を言い切れる!?モンスターなのだぞ!」
「ライアンちゃんも同じでしょ!風呂場では私の胸元ばかり見詰め…牢屋ではフレアさんの胸を見た後、私の胸元を見て顔を赤くし…男なんてスケベな事ばかり考えてるじゃない!それでも私はライアンちゃんの事を信じてるわ。何故なら目を見れば、その人の為人がある程度判るからよ!その私がホイミン君を信用してるのよ。私達を襲うわけないでしょ!」
う………一気に捲し立てられてしまった。
マリーの判断を信用出来ぬと言い切れば、それは即ち私自身への信用も危ういと自ら認める事となり、その様な発言は絶対に出来ん!
ここは諦めるしかないか……
私が常に注意をしていれば、寝首をかかれる事もないだろうし…
だがしかし、このホイミンを見る限りその様な事はしそうに感じないなぁ…
「ど、どうやらマリーの言い分が正しい様だ…私もホイミンからは邪気を感じない。まぁ、その~、何だ…モンスターという事だけで、偏見的な目で物を言ってしまい申し訳ない!」
「良かったねホイミン君!じゃぁ3人で仲直りの握手をしよう!」
そう言うとマリーは、ホイミンの手蝕の1本を右手で握り、空いた左手を私の方へ差し出してきた。
それを見たホイミンも、残りの手蝕の1本を私に差し出し、握手を求めてくる。
正直、ホイミンの手蝕に触れる事に抵抗があったのだが、戸惑っていると不快感を与えかねないので、思い切って2人の手(?)を握る事にする。
“ぐにゅ”っとホイミンの手蝕に驚いた…だが、想っていた程不快感はなく、むしろ柔らかくて心地良い。
その後、『私はライアン』と自己紹介をし、ホイミンの頭を撫でてみる…
此方も柔らかくスベスベして心地良かった。
勝手な先入観で物事を決めつけてはいけないのだな。
うむ。マリーと行動すると色々勉強になる!
ライアンSIDE END
後書き
だんだんマリーが父親に似てきている様に見えるのは私だけでしょうか?
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