八条学園怪異譚
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第十八話 トイレの花子さんその五
「胸とかお尻とか脚とか」
「胸はまあ今でも体操服の上からラインで出てるけれどね」
「それでもね。お尻と腰よ」
愛実は言い切った、この二つが危ないとだ。
「半ズボンでも目立つけれど」
「何かブルマのデザインだと際立ち過ぎるのよね」
「だからブルマは、よね」
「絶対に反対よ。それにお店の中で堂々とそうしたことをお話するのは」
「問題外よね」
「というか変態さんじゃないの?」
聖花はこうまで言う。今はかなり遠慮がない。
「それって」
「私もそう思うけれどね」
愛実自身もそう思うことだった。
「けれど迷惑行為はしてなかったから、お店やお客さんにね」
「お話の内容があれなだけだったのね」
「流石に汚いお話とかもっといやらしいお話だったら注意したけれど」
注意してそれで駄目ならば出てもらう、そうするが萌えだのそうした話題までならというのだ。
「ぎりぎりね、正直」
「注意しjないっていう」
「そう、ぎりぎりのラインよ」
「それはうちもかしら」
「エロゲのお話でも肝心の部分を言わなかったらいいしね」
「何かうちのクラスの男子もしてるっぽいけれど」
まだ高校一年でそうしたゲームを出来る年齢ではないがそれでもだというjのだ。
「そうしたゲームね」
「あれっ、普通に全年齢用のが出てるわよ」
「そっちをやってるのかしら。何かゲームのお話でにやにやしながらいやらしそうなこと言い合ってたから」
「クラスの中で?」
「そう、こっそりとだったけれどね」
「まあ全年齢用のお話と思ってね」
愛実はあえて好意的な解釈をすることにした。これも処世術の一つである。
「それでいこう」
「そう解釈するのね」
「男の子を見るのはね」
ここでこう言う愛実だった。
「普段と結婚してからは片目を瞑って見ろってね」
「付き合ってる間と結婚するまでは?」
「両目でじっと見て」
そうするべきと聖花に話す。
「そうお祖母ちゃんに言われたのよ」
「ふうん、そうなの」
「お母さんの方にね」
祖母といっても二人いるがそちらだというのだ。
「言われたの」
「何か深い言葉ね」
「それにそうしたゲームってね。まあ何ていうか」
愛実は言葉を選びながら聖花に話す。
「男の子だったらどうしても興味があるものじゃない」
「それはね」
聖花も愛実のこの言葉は否定せずに頷く。
「私達もだしね」
「そうでしょ、聖花ちゃんもやっぱり」
「女の子同士だから言えるけれど」
聖花も愛実を見ながら言う。
「実はね」
「男の子の、よね」
「私結構特撮俳優の写真集好きだけれど」
「私はそういう漫画ね」
「男の子が読むみたいな?」
「ああいうのって女の子が見てもいいじゃない」
「そうよね。男の子がいいって思うんならね」
違う場合もあるがそうである場合もあってのことだった。
「だからなのね」
「そう、だから男の子がそうしたゲームをしていてもいいかなってね」
「大目に見るっていうか当然のことなのね」
「そういうことだと思うけれどどうかしら」
「言われてみればそうかしら」
聖花もここで頷いた。
「それじゃあそういうゲームのお話をしていても」
「聞こえていないふりをしてね」
「そうすればいいのね」
「そう、そういうことでね」
愛実は少し笑って聖花に話す、そうしたことを話しているうちに今回の目的地であるトイレに来た。女子用のトイレには当然男子用の小のものはない、扉がある個室が幾つか並んでいるだけだ、タイルの床に白い壁の学校のトイレだ。
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