ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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AMOと仲間
「超能力、魔法……か」
汎用性の魔法、威力の超能力か……
「魔法だな」
俺は剣で戦うつもりだし、超能力だの魔法だのは本当にサブとしか思わなかった。そうは思ったのだが、超能力の欄を見ていると一つの能力を見つけた
「……やっぱりこれだな」
俺は新たに見つけた超能力を選択した。容姿の設定も終え、周囲が光に塗り潰され次の瞬間俺は巨大な街に立っていた
「ふむ……」
一から作った割りには中々クオリティが高いだろう。まあ、SAOと比べるとちょっと物足りないが
「とりあえず、クエストの確認といこうか」
親父によるとクエストはすでに受けた状態になっているとのこと。俺はメニューを開くと受注済クエストの欄を確認しようとした。その時だった
突然後ろから光が発生した。SAOで体に染み付いた動きに逆らわず前に飛びながら体の向きを180度反転させる。そこには、数人の人影が見えた
このゲームはまだ発売されてないものでシステム的にはクローズド。入ってこれるのは、俺のようにゲームを持っている者。または親父の関係者。俺はなにがあっても動けるように構える
「……誰だ?」
「……リンのアバター、何かかっこいいな」
「は?」
予想の斜め上どころか、月とスッポンレベルで予想外なセリフを言って来たので思わず聞き返してしまった
「……こんにちは……」
「あっ、どうも……」
続いて一人の少女が呑気に挨拶をしてきたので、呆然としながらも反射的に挨拶を返す
「俺、参上!」
「うぜぇぞ、クライン」
「げぇっ!?なんで俺だけわかるんだ?」
「そんなにうざくて、アホで、バカっぽくて、いじられたいオーラを出しているやつなんてクライン以外知らん」
「ひ……ひでぇ……」
地面に倒れorz状態に移行するクライ……もといアホ面。まあ、おかげで冷静さを取り戻したし、ちょっとは感謝する。数秒で忘れるが
「相変わらずだな、リン」
次に苦笑してきたのはスキンヘッドの巨漢
「その容姿は変わらないのか、エギル」
「なぜか知らんがこうなった」
そう言ってまた苦笑するエギル。さりげにクラインを踏んでいるのはご愛嬌といったところか
「んで、お前はキリト、と」
「ああ……」
「ちなみに最後の一人は?」
「俺たちも知らないんだ。ついでにこの少女も知らないけどな」
二番目に挨拶した少女を指差すキリト。……ミユだろうな。あのしゃべり方は
「ミユだよな?」
俺の問いかけにこくりとうなずくミユ
「じゃあ、君は誰?」
「詩乃。……ユーザー名はシオンだけどね」
「えっ……しっ、詩乃?」
「なんで……」
「へ?」
「なんでこんな……こんな世界にまた来てるの!?あなたにとって辛い記憶のはずなのに……」
俺がまた危険なことをしていることを感じ取ったのか激昂する詩乃。その目尻には涙が浮かんでいる
「なんで……か。自分の生き方を貫くためだよ」
俺は詩乃を抱きしめると言う。少しでも詩乃の心が軽くなるように
「俺には貫きたいものがある。守りたいものがある。そのためならば、例えどんなに辛い過去だって、どんなに過酷な未来だって、乗り越えてみせる」
「強いね、燐は」
「強くないよ。詩乃やキリトやミユやリーファたちがいなかったら潰されてたよ」
「……」
燐がそう言うと無言で見つめあう二人
「……ごほんごほん。お二方、そろそろいいかな?時間がないんだろ?」
「あっ、ああ」
「そうだね……」
見られていると気付くと弾かれたように離れ顔を赤くする二人。初々しいことこの上ない
「これだとリーファが可哀想だな。捨てられるのは確実」
ニヤニヤしながらキリトがそういうと詩乃の目のハイライトが消えた
「……誰?」
「旅の仲間です!」
背中に大量の冷や汗が流れる。今までに感じたどの威圧感よりも詩乃の威圧は上だった。そのためセリフが敬語でしかもいつもと言い方が変わってしまっていた
「……そう……」
怖っ!
「じゃあ、彼女は?」
詩乃はミユを見て言った
「彼女は友だ……」
「私は燐の物……」
「ちょっとミユさん!?」
俺のセリフにミユが被せてきた。しかも最大限の勘違いを誘うようなセリフを
「へぇ……」
詩乃の纏う黒い瘴気が強くなる。……今の詩乃だったらヒースクリフも裸足で逃げ出しそうな気がする。周りのメンバーは、キリト、クライン、エギルといったメンバーは近くにある家の影に逃げ込んでいる。ちなみにミユは天然なのか、瘴気に気付いていない
「詩乃、絶対勘違いしてるって!!」
「知らない……」
そう言ってそっぽを向く詩乃。拗ねた詩乃もなかなかかわい(ry
「あの時の返事、今するよ。俺も詩乃のことが好きだ。俺でよければ付き合ってくれないか?」
そっぽを向いたままの詩乃を抱きしめながらそういうと顔を真っ赤にしてうつむく
「……ズルいよ、燐は」
「そういうのも引っ括めて俺だからな。で、答えは?」
詩乃は少し悩んでいたがやがて口を開いた
「ごめんなさい」
「そっか……」
悲しい、寂しい。様々な負の感情が胸の中に溢れる
「ち、違うよ。そうじゃなくて……」
俺の辛い顔を見てか、詩乃はあわてて言った
「今は、まだ自分のことしか考えられない。だから、過去を乗り越えられるまで待ってて」
「じゃあ……」
「うん、乗り越えられたとき、まだ私のことを好きでいてくれるなら、その時はよろしくお願いします」
顔が一転して綻ぶのを感じる。だから、俺は詩乃を力一杯抱き締めた
「くっ、苦しいって、燐」
「嫌いになるわけないだろ?未来のことはわからないけど、これは絶対だ」
「うん……」
しばらくそうして抱きあっていた
〜キリトSide〜
「うわ……こっちのことなんて完全に忘れてるな」
「ああ……何か甘すぎて胸焼けがする」
「俺も彼女が欲しいぜ……」
「……お似合い……」
ちなみに今のは上からキリト、エギル、クライン、ミユのセリフです
「そういえば、ミユっていったか?」
「……何?」
キリトは振り返るとミユに話しかけた
「ミユはいいのか?このままリンとシオンが仲良くなって」
「いい……私は燐に助けられた。だから、燐が幸せであれば……それでいい……。私は……側で支えるだけで……いい」
「それって好きってことだよな……。まあ、ミユがそれでいいならそれでいいが……」
そのミユの言葉を聞いたクラインは僻みを隠さず本音を漏らした
「ったく、リンの野郎……。こんなに健気な女の子そばに侍らせて……。俺も欲しいぜ……」
「クラインには一生来ないと思うがな」
このメンバーで唯一(というかできない)結婚しているエギルがクラインを弄り始めた
「なにおぅ!!何でお前が綺麗な奥さんもらえて、俺がもらえねぇんだろ……」
最初こそエギルに突っ掛かったクラインだったが、それにより逆に自分を改めて認識したらしく、地面に両手を付きいわゆるorzの体勢になる。アニメならばクラインの上に平行線が大量に入っているだろう。ちなみに、アニメだとするならば、エギルの上には矢印で既婚者、キリトの上には彼女持ち、そしてリンとシオンの上にはバカップル、最後にクラインの上には、華の独身とか年齢イコール彼女いない暦とか表示されているだろう
「っていうかよぉ。いつまでああやってるんだ?」
「クラインには目に毒だったか」
クラインがおい、と言っているがクライン以外のメンバーはそれを無視してリンとシオンの方へ歩きだした
後書き
蕾姫「はい、新たに始まりましたAMO編です」
リン「おい……」
蕾姫「何?」
リン「何で詩乃が来てるんだ?」
蕾姫「メインヒロインのはずなのに出番が少なすぎたから。シノン成分が欲しかったから」
リン「つか、シオンって何だ。シオンって……」
蕾姫「この時点でキリトにばれるのは不味いかと……」
リン「キリトがばれてたらダメじゃん……」
蕾姫「……おお!」
リン「気付いてなかったんか!」
蕾姫「まあ、成るようになるさ」
リン「……はぁ……」
ミユの健気さ、詩乃の愛情、クラインの弄られ、今回はこれですねw
リーファとシノンの絡みを期待してた方、GGOが終わるまでお待ちください
では次回も読んでいただけることを祈って。感想よろしくお願いします!←
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