とある委員会の委員長
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木山春生と乱雑開放(ポルターガイスト)
「こんなに早く証拠らしいのが見つかるなんて。」
枝先さん待っててね。
すぐに見つけるから。
「能力No.2空間移動。」
私は乱雑開放が起きた第7学区の会場近くの高台に向かった。
風紀委員会としての権限を使えば乱雑開放の捜査に協力をして枝先さんを探さないと。
「風紀委員です。今回の乱雑開放の件について話があるのですが。」
「そうしたいのはやまやまなんだが、救出作業をしないといけないから今度にしてくれ。」
「了解です。私に手伝えることは有りますか?」
私は事件に関わるために協力を打診した。
そもそも風紀委員第177支部の管轄のここにいるのはおかしい。
「そうだな。ここ以外に被害がないか確認してきてもらえるかな。」
「了解です。」
私は空間移動を使って近辺の安全確認を行った。
確認作業をして気づいたのは、情報通り春上さんの周りだけだった。
そこで私は端末から防犯カメラの映像を見て春上さんの乱雑開放直前の状態を確認した。
そこには一人言を言う春上さんが映っていた。
「念話かな?だとすると相手は枝先さんしかいないような。」
現場に戻り報告を使用としたところ、そこにテレスティーナがいた。
「テレスティーナさんがいると言うことはなにかの実験なのかな?」
私はあえて聞こえるくらいの大きさでいった。
もちろん反応してきた。
「雫じゃないか。」
「お久しぶりです。なんでこんなところに?」
この人なら研究所で籠っていそうなんだけど。
「乱雑開放がなんか魅力があるのよ。貴方にもわかるっでしょ。」
「そうですね。ですが、私の友達に手を出したらテレスティーナさんでも殺すよ。」
私は殺気を込めて言った。
見たことのない私に驚くテレスティーナ。
でも嘘は言っていない。
「なるべく覚えておいてやるよ。」
テレスティーナは自分の持ち場に戻っていってしまう。
「まさかテレスティーナさんがポルターガイストの担当者ではないよね。」
そんなことを思いながらフラフラと歩いた。
そこに私のよく知る人物から電話がかかってきた。
「もしもし雫ですけど何ですか?」
『君に頼みたいことがあるのだよ。私のところまで来てくれるかな。』
学園都市統括理事長アレイスター=クロウリー。
彼からの電話は何時も唐突だ。
「わかりました。案内人(結標淡希)はどこにいますか ?」
『君には必要ないだろう。多才能力者の木原雫。』
いつも電話が掛かってくるときは絶対能力進化実験等の絶対能力者に関係するとき。
ということは今回も。
「わかりました。すぐにいきます。」
私は電話を切るとすぐに、
「能力No.2、空間移動。」
窓もドアもないビル。
此処にアレイスターはいる。
『いつもより遅かったね。』
容器の中で逆さになっているアレイスターは私に笑いながら告げてきた。
「考え事をしていただけです。本題は?」
私は時間が惜しかったのですぐさま聞いた。
『今回の件だが、止めてくれてかまわない。』
「今回の件?乱雑開放の事ですか?」
思い浮かぶのは乱雑開放の事だけ。
微かに絶対能力進化実験のことも思い出した。
『君も予想はついているのだろう。』
「はい。ですが良いのですか?絶対能力進化実験は学園都市の存在意義では?」
『量産型能力者計画、絶対能力進化実験とは違いリスクが高い。幸い常盤台の超電磁砲も動くだろう。』
リスクが高い?
ってまさか。
「能力体結晶。こんな危険なものを使うきなんですか?」
『そうだろう。これで事の重要性は分かっただろう。』
「わかりました。それで今回の報酬は?」
いつも通り私はアレイスターに報酬を要求した。
いつもなら口座に入れておくだけなのだが、
『君が探している人物の場所でどうかな?』
「えっ。」
どうして知っているのか驚きを隠せなかった。
『今回の事件を解決すれば必ず見つかる。』
「わかりました。では委員会を開始します。」
私はアレイスターの部屋から空間移動を使って外に出た。
『私の計画に狂いなど生まれたら困るのでな。』
アレイスターはなにか言っていたが私は気にしなかった。
「風紀委員会を明日の朝に本部に呼び出すことにしよう。」
私は寝る間際に明日の予定を考えていた。
明日収集して間に合うかは不安だけど手を出さないよりは良いと思う。
それに不振人物の徹底調査ぐらいなら・・・・・・あっ。
「テレスティーナさん。なるほど、乱雑開放の調査をしていたのはこれのためだったんだ。」
そうだよ。
お祖父ちゃんの実の孫なら考えられる。
それに『能力体結晶』を持っている可能性も大きい。
「やっぱり明日は独自に調べよう。それが一番いいはず。」
私の長い一日はこうして幕を降ろした。
「鈴。今日は行けないからヨロシクね。」
『今頃ですか!今日は良いですけど今度からもっと早くしてくださいね。』
私の部屋の時計で7時を指していた。
私は朝イチで副委員長の鈴本鈴に連絡をしたつもりだったのだけど遅かったらしい。
と言っても委員長の仕事なんていつも無いんだけどね。
「キャパシティダウンに対抗する物でも考えるとしますか。」
私はキャパシティダウンのプログラムを見て驚いてしまった。
能力者の脳波に直接影響を与える音なんてあり得ない。
能力者の脳は全員一定の接点しかないのにどうしてこんなものが作れたのか。
正直気になるけどあとにしておかないと。
この場合は脳波に影響を与えられないように最初から対キャパシティダウン用の音を流したほうが早いかも。
でも大がかりな装置になるからやっぱり一人では無理か。
今日は暇になっちゃったから少し散歩にでも行ってきますか。
そして私は外に出て気がついた。
現在は01;00。
もう一回言うが01;00である。
つまり夜中。
「なんで部屋のシャッター開けなかったのよ。」
私は一人言を言いながら寮を出た。
目的地は私とお祖父ちゃんが昔一緒にいた先進教育局に向かった。
枝先さんの事を詳しく知るために。
「可笑しいな、こんなところに車が有るなんて。」
見たことのある車だったから余計に嫌な予感がする。
私はパスワードを打ち込もうとしたところで電気が通っていないのに気づいた。
「ちょっと実験室に入ってみようかな。」
実験室に向かう途中でいきなり電気が付いた。
同時に警備システムも作動した。
「何処のバカよ。死んでいたセキュリティーに電気を流したのは。」
この時に私は周囲を確認してから文句を言えば良かった。
「誰がバカだって。」
私の前に常盤台の超電磁砲と木山春生がいた。
「何でもないですよ。ちょっと失礼。」
私は携帯を取り出して、
「常盤台の寮の電話番号は確か・・・・・」
「ちょっと。雫さんやめて。」
必死で止めにかかる御坂さん。
ちょっと面白いかも。
「冗談ですよ。でも完全下校時刻はとっくに過ぎていますよ。」
私はいつになく風紀委員ぶった。
私は自分の行動だが吐きたくなってきた。
「そろそろ行きたいのだが。木原も来るのか?」
「私のこと覚えているの?」
私は先進教育局のなかでは一時的に研究員として配属された。
研究員として来たので授業は受けていない。
「覚えているさ。君は木原幻生の孫だからな。」
「お祖父ちゃんは有名なんですね。」
有名でもしょうがない。
何故なら多くの実験にて功績が残っているのだから。
「そうだな。それでは行くぞ。」
この人は私のことをあまりよくは思っていないようなのです。
私としては仲良くしたいのですけど。
「私の車は二人乗りだがどうする?」
「場所さえ教えてくれれば空間移動します。」
「仕方がない。」
木山春生はやる気の無さそうな声を出しながら私の顔に近づき、
「水穂機構病院だ。」
あの病院か。これもまたついていないですね。
「了解です。では後程。」
私は意識を集中して、
「能力No.2、空間移動。」
私は急いで移動しなくても良かったのだけど後ろから付いてきているテレスティーナに対抗するために令状を確保する必要があった。
「招いた覚えは無いのだが。」
ポットのなか逆さかになっているアレイスターは何回見てもなれない。
「木山春生に暴走能力者の対応を委任する為の令状を今すぐ発行してください。」
「なんのことだかよくわからないが作ろう。」
私の頼みを聞いてくれた。
「はい、これ。」
現れた泡希によって渡された令状。
「早く行ったほうが良いのではないか?そろそろテレスティーナが水穂機構病院つく頃だぞ。」
やばい。
私は咄嗟に能力を使った。
「此処に令状を用「待ったー。」。」
私は先についていたテレスティーナの前にたち令状を見せた。
「これはあなたが用意した令状よりも上の統括理事長直筆の物ですよ。」
私はこれを冥土返し(ヘブンキャンサー)に見せた。
「こちらも本物の用だね。」
テレスティーナは私を睨み付けた。
「ごめんなさい。これが私の仕事ですから。」
私はいつも以上に作り笑顔をした。
「チッ。帰るぞ。」
テレスティーナが引き上げて行く。
その前に私は、
「待ってください。能力体結晶のもと持ち主であるテレスティーナさん。この令状には能力体結晶を譲渡せよ
と書いてあるのですけど。渡さないなら此処で現行犯逮捕ですよ。」
こんなので大人しくならないのは知っていた。
だがあえて渡すように告げる。
「チッ。ほらよ。」
投げられた能力体結晶を受け取り、それを木山先生に渡した。
「これがあれば良いのですよね。」
「ああ。ありがとう。やっとこの子達を起こすことができる。」
すぐさま作業に入る木山春美。
「あとちょっとで解析が終わる。そうすれば。」
「あっ。木山先生。少し失礼しますね。」
私は春上さんが収容去れている施設に向かった。
「能力No.2、空間移動。」
私は何時もなら誤差なく行けるはずだったが疲労が溜まっていたせいか、部屋の中にまで入ってしまった。
「こんな時間にどうしたなの?」
音をたてて入った為起きてしまった春上さん。
「枝先さんが見つかったんだ。一緒にいきましょう。」
「分かったの。」
もちろん行く春上さん。
「しっかり捕まっていてね。能力No.2、空間移動。」
私は毎回思う。
私自身行動が早いと。
「此処は何処なの?」
私たちが来た部屋は少し暗かった。
そこに一人待っている木山春美。
「本当にありがとう。あの子達は全員病室に移された。」
「そうですか。おめでとうございます。」
私と春上さんはこの部屋を飛び出して枝先さんのいる部屋に向かった。
「此処なの?」
私も驚いた。
枝先さんは個室だったのだ。
「失礼しますね。」
私はお構い無く入った。
「あなたはだれ?」
やっぱり私のことは覚えていないんだ。
でも枝先さんが入ってくると、
「衿衣ちゃん?」
「そうなの。絆理ちゃん。やっと会えたの。」
私は二人の感動の再会を邪魔しないようにそっと病室を後にした。
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