ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第六十六話 出演
「冥界テレビの出演?」
ヴァーリ達と接触し忠告を受けた翌日、闇慈は部室でリアスから次の休日に冥界のテレビに出演すると言う話を聞いた。
「ええ、そうよ。取材が入ったから、冥界のテレビ番組に私達が出るの。若手悪魔特集で出演よ」
「でも悪魔特集ですよね?僕は悪魔じゃなく、死神なのにどうして僕まで呼ばれているんですか?」
「ソーナとのレーティングゲームの時に遊撃手として出場したでしょう?その時の映像は冥界に放送されていて、その影響でファンが出来たらしいのよ。それでサプライズゲストとして出演して欲しいそうよ」
何とも急な誘いだったが闇慈は悪い気分ではなかった。闇慈はその出演に同意して当日まで待つ事にした。
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そしてテレビ収録当日。闇慈達は魔方陣で冥界に飛んだ先は都市部にある大きなビルの地下だった。そして待っていたプロデューサーに連れられ、エレベーターでビルの上層内に着くと、廊下の先から見知った顔が歩いて来た。
「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」
「リアスか。そっちもインタビュー収録か?」
「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」
「これからだ。おそらくリアス達とは別のスタジオだろう。試合、見たぞ。お互い新人丸出し、素人臭さが抜けないものだな」
苦笑していたサイラオーグが闇慈と一誠に視線を向けると
「どんなにパワーが強大でもカタにハマれば負ける。相手は一瞬の隙を狙って全力で来る訳だからな。とりわけセイクリッド・ギアは未知の部分が多い。何が起こり、何を起こされるか分からない。ゲームは相性も大事だ。お前らとソーナ・シトリーの戦いは俺も改めて学ばせてもらった。だが、お前達とは理屈なしのパワー勝負をしたいものだよ」
サイラオーグの言葉に闇慈が返す。
「パワーの勝負も大事な事ですけどこんなことわざがあります。『柔よく剛を制す』。パワーだけが勝利へと導くわけではないと思いますよ?」
「ふっ。それもお前の戦いを見ていて良く分かっているさ」
そう言うとサイラオーグは闇慈と一誠の肩をポンっと叩き、去っていった。その手には何かの重みを感じていた。闇慈はサイラオーグと戦う日が楽しみになって来ていた。その後、スタジオらしき場所に案内され、スタッフが声をかけてくる。
「えーと、木場祐斗さんと姫島朱乃さん。いらっしゃいますか?」
「あ、僕です。僕が木場祐斗です」
「私が姫島朱乃ですわ」
2人が揃って手を上げるとスタッフは説明を開始する。何でも2人は人気が上昇中らしい。祐斗は女性悪魔、朱乃は男性悪魔からみたいだった。
そして一誠はソーナとの戦いで『乳龍帝』と称され、子供たちの間で人気爆発中らしい。一誠は驚きと喜びを抱いていたみたいだったが、ドライグは悲しかったのか涙を流していた。
「最後に黒神闇慈さんはいらっしゃいますか?」
「あ、はい。僕が黒神闇慈です」
「貴方も人気上昇中の御2人方同様に有名になっているので質問などが用意されています。そして貴方は多くの方々から『死神執事』と呼ばれているそうですよ」
「死神執事ですか。ならファンの方々にもちゃんと執事としてサービスをしないといけませんね」
「その心意気でお願いします!!では闇慈さんはサプライズゲストの部屋にご案内します」
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「ふう。疲れた・・・」
収録が終わり闇慈は一人部屋でゆっくりしていた。始終はリアスの話だったが途中から眷属達の質問に変わり、観客はそれぞれの反応を示していた。
祐斗は女性から黄色い声が、そして朱乃からは男性陣から「朱乃様―!!」と声をかけられていた。一誠はお客の子供達から「ちちりゅーてー!」「おっぱいドラゴン!」って声をかけられていた。
最後の一誠の質問が終わると闇慈がサプライズゲストとして登場した。服装も死神執事と言う事で執事服を着ていて、登場した際の執事挨拶した際の女性の反応は・・・
「死神執事さ~ん!!」
「私に笑顔を見せて~!!」
など凄まじかったそうだ。そして挙句の果てには死神姿にもなって観客達も大満足のようだった。
「何がともあれ無事に終了して良かったよ」
闇慈が一人でゆっくりしているとコンコンとノックが聞こえた。闇慈がそれに答えるとサーゼクスが入ってきた。
「失礼するよ?アンジくん」
「サーゼクスさん。どうして貴方がここに?」
「妹の収録があると聞いてね。来てみたんだよ」
そう言うと闇慈の向かい側の席に座り、話を出した。
「ソーナとのレーティングゲームは見事だったよ。君の戦いぶりは多くの人々に叫喚を与えたものだと言って良い」
「そんな。僕はまだまだですよ。こんなことで満足していては、成長が止まってしまいますよ」
サーゼクスはフッと笑みを零すと闇慈に尋ねた。
「アンジくん。君は『魔具』と言うものを知っているかね?」
「魔具?それは何なんですか?」
「太古の昔に悪魔のために作り出された武器のことさ。しかしその力が膨大なため、災害をもたらしてしまい封印されてしまったそうだ」
「そんな武器があるんですね。それらは今何処に?」
闇慈が興味を持った表情でサーゼクスに尋ねる。
「私も詳しい事は分からないが武器は複数あるらしい。そして一つの武器の封印されている場所が明らかになった。そしてそれを手に入れようとした悪魔たちは所有者として認められようと封印されている神殿に挑んだが帰ってきた者は誰一人としていない。私の言いたい事は分かるかね?」
「僕になら出来る。そう仰りたいんですか?」
「どうかね?その力を手にすれば君はもっと強くなる。それ相応の覚悟があるなら君に封印されている場所を教えよう」
サーゼクスは取引しているような事を言ってるが闇慈の答えは決まっていた。
「勿論。行きます!!」
「君ならそう言うと思っていたよ」
「所でその武器の名前って何て言うのですか?」
闇慈の問いかけにサーゼクスはゆっくりと立ち上がりこう答えた。
「『アグニ』と『ルドラ』だ」
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