転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OGs
0096話
「アクセル隊長、クエルボ・セロから通信が入っています」
「クエルボ博士から? 分かった。出せ」
作戦司令室のモニタにクエルボの顔が表示される。いつも何かに苦悩しているような表情をしている事が多いクエルボだが、今日はまた一段とその顔は苦しげに歪められている。
「大尉、すみません。セトメ博士からオウカをゲイム・システムに対応するように調整しろと命じられました。今までは何とか誤魔化していたんですが、これ以上遅延するようならセトメ博士が自ら調整すると」
そうか、そろそろそんな時機か。ならあの老害も処理する頃合いだな。
「ヴィンデル、そろそろあの老害を処分したいが構わないか?」
俺とクエルボの話を聞いていたヴィンデルへと尋ねる。その横には面白そうに笑っているレモンとその側に佇むエキドナ、話の流れについていけないリーの姿があった。
ウォーダンは現在メイガスとリンク中でここにはいない。
「確かに奴の存在は既に害にしか成り得ないが……その条件でクエルボはこちらに付くのだな?」
「ああ。それは既に約束してある。条件としてオウカとゼオラの記憶を元に戻すというものがあるが」
「それは構わん。戦力として使えるのなら記憶の有無は気にしない」
「了解。……クエルボ博士、オウカとゼオラは現在どうしている?」
「オウカは私の研究室にいる。ゼオラはアーチボルド少佐の援軍としてビルトファルケンで出撃を」
「アーチボルドの?」
確かアラドがビルトビルガーに乗り換えるシナリオだったか? 確かあのシナリオではアラドがゼオラの記憶に衝撃を与える事で、一時的にだが暗示による洗脳が緩む筈だ。ある意味丁度いい、か?
「つまり、現在はアギラ・セトメ1人という事か?」
「ええ。外を出歩く事があるのなら護衛の兵が付きますが、セトメ博士は基本的に研究室から滅多に出て来ませんので」
「ヴィンデル」
「条件は揃ってるようだな。アクセルに任せよう。ただし、私達が手を下したと分かるようなやり方は困るぞ」
「死体が見つからければ構わないな?」
「そうだな、それがベストだ」
よくサスペンスドラマや何かだと死体の始末に困るという展開がよくあるが、幸い俺には解決策が幾つかある。
生き物は入れられないが死体なら大丈夫な空間倉庫もあるし、スライムによって吸収してしまえばまさに完全犯罪だ。
「クエルボ博士、アギラの研究室に入るには博士のIDが必要だ。都合良く落としてくれないか?」
「分かりました。では、10分後にセトメ博士の研究室の近くで待ってます」
「ああ、それで構わない。じゃあヴィンデル、早速だが行ってくる」
「気をつけてな」
軽く頷き、作戦司令室を出る。
後ろでは何の事が話されていたのか分かっていないリーがレモンとヴィンデルに説明を受けていた。
以前レモンに連れていってもらったアギラの研究所付近まで来ると、すでにそこにはクエルボの姿があった。やはり落ち着かないのだろう、しきりに周囲をキョロキョロと見回している。端から見れば不審人物以外のなにものでもない。
「アクセル大尉、ここです」
「ああ、悪いな。それでIDは?」
「これです。このIDを通して1579654と入力すればロックが外れてセトメ博士の研究室に入る事ができます」
クエルボから渡されたIDを受け取り、教えられた番号を記憶する。
「それで、オウカとゼオラのバックアップメモリーは?」
「セトメ博士の研究室に保管されている筈です。なので、どのような手段を取るのかは分かりませんが、あまり施設を破壊しないようにして貰いたいのですが」
その目には心底心配そうな光を宿している。こいつは一体俺の事を何だと思っているんだろうか。
「完全に任せろ……とは約束出来ないが、なるべく破壊しないようにするよ。お前は安心して待っていろ。30分もしないうちに戻る」
クエルボに軽く手を振り、アギラの研究室前へと向かう。
「お願いします!」
背後で思い切り頭を下げているクエルボの姿が印象的だった。
「さて、IDを通して……1579654っと」
クエルボに教えられた通り、IDを通して数字を入力すると扉があっさりと開いた。だが、中から誰何するような声は聞こえてこない。
もしかして珍しく外出中か? その場合は帰ってくるまで待たないと駄目なんだが。
可能ならスライムで中の様子を探りたい所だが、あいにくいつ誰が通るか分からない通路で空間倉庫を展開する訳にもいかない。
「アギラ・セトメ博士、いるか?」
念の為に声をかけてみるが、それでも反応はない。
これは本格的に入れ違い、か?
そんな風に思いつつ、研究所の中をシリンダーに身を隠すようにして進んでいくと奥まった所にアギラの姿があった。何やらコンピュータで熱心に入力している所を見るに、どうやら研究に集中しすぎていて俺の声が聞こえていなかったらしい。
「ふむ、アウルム1の記憶の根幹がブロンゾ27と28、ラトゥーニ11に対する愛情から来ているのは確実。なら、その対象を他の者に移すのはどうじゃ? ……いや、それではちと弱いの。ならば逆に愛する者を失った怒りと悲しみがどれ程戦闘力に影響を与えるのかを試してみるか? フェフェフェ、これは面白い実験になりそうじゃの」
このまま殺すか? ……いや、折角この老害を始末する機会が来たんだ。今までの自分の行いを十分に味わってもらわないと困るな。
このコンピュータは……そう言えばクエルボに施設はなるべく壊さないようにしろと言われていたな。このコンピュータの中のデータも大事なものが入っている可能性がある訳だし。となると……
周囲を見回すと、喉が渇いた時に飲む為の水だろう。水差しとコップが置いてあるのが目に入った。
まさに年寄りの冷や水って奴だな。
そんな事を思いつつ水差しを手に取り、そのままアギラの頭の上で逆さまにしてやる。
「ぎゃふっ、な、何じゃ!?」
文字通り、飛び上がって驚いたアギラは周囲を見回し、俺と目が合う。
「お主、確かシャドウミラーのアクセルとかいう……ワシに何の用でここにおる?」
「いや、あんたに用があって声を掛けたんだが、気が付いて貰えなかったんでな。悪いと思ったがそこにある水を使わせて貰った」
「じゃから! 誰の許しを得てここにおる? と言うか、どうやってワシの研究室に入った!?」
顔を怒りで真っ赤にしてしているアギラだが、既に消すと決めている以上特に何を感じる事もなく話を続ける。
「取りあえず、俺の話を最後まで聞いてくれ。それでもまだ興味がないようなら俺の事をヴィンデルに訴えるなりなんなりしてくれてもいい。俺も大人しくその指示に従おう」
「……フン、まぁ、いいわい。それでワシに用というのはなんじゃ?」
「ここ最近、妙な能力に目覚めてしまったようでな。それをちょっとあんたに見て欲しいと思ったんだ」
「ほう、妙な能力とな?」
今までの面倒な奴を見る目が、知識欲でギラリと光る。どうやら上手く興味を引く事が出来たようだ。己の知識欲で今まで散々非道を働いてきたんだ。その知識欲で身を滅ぼして貰おう。
「いいか? 俺の右側の空間を良く見ていてくれ」
俺の言葉に従い、視線を俺の右側へと向けるアギラ。
それを確認してから、指をパチンとならして空間倉庫を展開する。
「な、なんじゃ……それは?」
アギラの目には、空間倉庫へと繋がる黒い穴が見えているだろう。
「まだだ、よく見てろよ……」
空間倉庫の中にあるスライムの触手をゆっくりとこちらの世界へと伸ばす。
「なんじゃ、なんなんじゃ、それは一体。ワシは知らんぞ。こんな物、見た事も聞いた事もない。アクセル、さっさと答えいっ! これは一体なんじゃ!? 能力は? 組成は? どのようにしてこのような能力を得た!? ええい、いいからさっさと答えるのじゃ!」
口から泡を出し、目をこれでもかと大きく開きながら詰問してくる。
アギラを焦らす事十数秒。再びアギラの口が開こうとした時、俺も口を開く。
「能力は……」
「能力は?」
「こういう事……だよっ!」
俺の意思に従い、今までのゆっくりとした動きが嘘のように素早くアギラへと絡みつき、顔以外を覆い尽くす。
「何じゃ!?」
咄嗟に近くにあるスイッチ――恐らく外部との連絡用――を押そうとするアギラだったが、既にその身体はスライムにより覆われている為に身動きは出来ない。動かせるのは顔だけという有様になっていた。
「さて、どんな気分だ?」
「貴様、最初からそのつもりで!」
憎々しげな顔で俺を睨みつけてくるが、その滑稽な様を見て俺は口元に笑みを浮かべる。
「いやいや、これも実験の1つだ。実はそのスライム、対象を消化・吸収する事が可能でな。あんたにはその対象となって貰おうと思ったんだよ。光栄だろ? あの世に旅立つ最後まで自分の好奇心を満たせるんだから」
「や、やめいっ! 自分が何を言っているのか、何をやっているのか分かっておるのか!?」
滑稽だな。他人を実験に使うのは構わなくても、自分が実験される側になるとこうも取り乱すのか。
「ああ、もちろん。あんたはこれからそのスライムに生きたままジワジワと吸収されていく事になる訳だ。俺はその無様な姿を見物させて貰うよ。精々見苦しい最後を迎えてくれ」
「貴様、何が目的じゃ! それともヴィンデルの命令か!?」
「さて、目的は特にはないな。あえて目的を提示するとしたら……」
勿体ぶってさも何か目的があるようにアギラへと見せ掛ける。自分の命が危険だと言う事をはっきりと認識したのか、その目的に藁にも縋る思いのアギラへと向けて口を開く。
「お前が苦しみ抜いて死ぬのを見る事だけだ」
「き、貴様……」
「ふん、今までお前がしてきた実験体と同じような目にあうだけだ。特に問題はないだろう?」
「ふ、ふざ……ふざけるな! お主はワシを何だと思っておる! アギラ・セトメじゃぞ! ワシが実験体を弄るのは研究者としての仕事じゃ! ワシが実験体になるなんて事はあってはならぬ事じゃ!」
「おいおい、あまり自分勝手な事を言うなよ。それに頭に血を昇りすぎてプッツンされても困るぞ。それより、身体が痒くなって来ないか?」
突然話題を変えた俺を睨みつけながらも、実際身体が痒い事に気が付いたのだろう。眉を顰めている。
「お主、ワシに何をした?」
「そのスライム、見た目が銀色だろ? 基本的に水銀のようなもので出来てるから、スライムに包まれている部分は見えないだろうが……現在進行形でお前の身体はジワジワと溶かされて吸収されていっているんだよ。ほら」
アギラの右腕を覆っていたスライムをコントロールし、露出させる。そこには既に皮膚が溶かされ、肉もほぼ溶かされ、半ば骨が見えている状態になっていた。
「ぎっぎぎぎゃやああぁぁぁぁあっっっっ!」
スライムを寄せ、空気と接触した事で麻痺していた痛覚が蘇ったのか、聞くに堪えない悲鳴を上げるアギラ。
「五月蠅いな、近所迷惑だろう」
露出していた腕を再度スライムで覆ってやる。そうすると痛みが薄らいだのか、アギラの口から上がっていた悲鳴が止む。
「お主…一体……何故…こんな事を……」
息も絶え絶えといった状態でこちらへと尋ねてくるアギラ。正直、こいつを苦しめるというのは賛成だが、見ていて見苦しいだけだ。十分苦しめたと思うし、もういいだろう。
「さて。好奇心の塊であるお前には教えてやらないよ。好奇心を満たせないまま逝け。SPブースト!」
「あぎひぃぃぃぃぃぃっ」
SPを消費してスライムの能力を上げ、アギラを一瞬で吸収する。
「……ふぅ」
アギラを吸収し終えてから数分、半ば興奮状態にあった精神状態もようやく落ち着いてきた。まだ出しっぱなしだったスライムを空間倉庫へと戻し、アギラの部屋の通信機を使ってクエルボへと連絡を取る。
「はい……アクセル大尉!? 僕に通信を送ってきたという事は?」
「ああ、全て完了した。これでオウカとゼオラは自由だ。後の処理は任せて構わないか? そちらの注文通り、アギラの部屋には傷をつけていない」
「分かりました、すぐに向かいます」
それだけ言うと、その場から姿を消す。余程慌てていたのだろう、通信装置を切る事も忘れているようだ。
「お、お待たせしました……はぁはぁ」
数分後、全速力で走ってきたのか完全に息が切れているクエルボの姿がアギラの研究室にあった。だがその顔には今までのような罪悪感や良心の呵責といったものではなく、希望が浮かんでいる。
「オウカとゼオラのバックアップメモリーの場所は知ってるんだな?」
「はぁ、はぁ、……はい、ここです」
クエルボが向かったのは、壁際にある本棚。その内の1冊を取り出すと同時に反対側の壁の1部分が開く。
隠し金庫か。アギラもそれなりに危機管理意識はあった訳だな。
「これです」
クエルボの手に持っているのは三角形の形をしたものが2枚。これがオウカとゼオラのバックアップメモリーか。
「これで、2人をようやく救える……」
「ああ、その作業は任せた。それとお前達がハガネに行く時機だが、オペレーション・プランタジネットの後になりそうだ。この事は俺の独断で決めた事だから、誰にも漏らすなよ。もしこの情報が漏れた場合は、最悪俺がお前達を始末しなければならなくなるかもしれん」
俺の本気度合いを理解したのだろう、クエルボは真剣な顔で頷く。
「分かりました。オウカとゼオラを救うきっかけを与えてくれたアクセル大尉の言葉ですし、信じます」
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:40
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP20
覚醒 消費SP32
???
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.8
???
???
???
???
???
???
撃墜数:135
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