『言霊使いと幻想郷』
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第九話
前書き
何とも締まらない終わり方ですが……。
「……これは一体どういう状況なんだ霊夢?」
「……私に言われても分からないわよ誠兄」
俺の問いに霊夢はそう答えた。だよなぁ、なにせさっきまで敵として戦闘していた二人が霊夢と紫さんと一緒に永遠亭に来てるからな。
「さっきも言ったけど、魅魔が博麗神社と霊夢に復讐する理由は無くなったわ」
「どういう事なんですか紫さん?」
「そこからは私から説明するよ」
そこへ魅魔が挟んできた。
「あら、私がせっかく説明しようと思ったのに」
「紫が説明したら膨大な嘘になるからね」
「あら、用意していた話があったのに……」
「嘘をする気だったのかいッ!!」
……漫才はいいから進めて下さい。ほら霊夢も封魔針を作らない。
「………」
渋々と封魔針を仕舞う霊夢であった。その後、魅魔から説明を聞いた。
どうやら魅魔は紫さんが幻想郷を作る時からの知り合いで、結界をしてもらう候補者だったらしい。
ところが、魅魔より数倍力がある博麗の巫女が名乗り出たために魅魔は候補者から脱落。
魅魔はそれくらいで復讐するような事はなかった。そんな時に魅魔に好きな人が出来、いざ勇気を振り絞って告白しようとしたが、その男性は既に博麗の巫女と結婚していた。
魅魔はそれに失望し、巫女を怨み殺そうとしたが魅魔より力があるため逆に返り討ちにあって死亡するが怨念が強すぎて他の怨念と融合して悪霊として甦り、博麗の巫女を復讐する事を念頭に力を蓄えてきたらしい。
だが、幻想郷を見守ってきた紫さんによれば博麗の巫女は魅魔を祀って神社の裏山に墓を建てていたらしい。
「それに魅魔が勘違いをして巫女を殺そうとするんだから」
「勘違い?」
「ゆ、紫。そ、それは言わないでくれ頼むッ!!」
紫さんの言葉に魅魔が慌てる。カリスマが溢れていたはすが今はそんなの微塵もないな。
「あらあら仕方ないわね。まぁ訂正するけど、巫女はその時結婚してなかったの。男性は元々魅魔が好きだったらしいけど、魅魔が勘違いして死んじゃうし、巫女が慰めていたら……」
……あぁ成る程。それで勘違いと……。
「結局言っているじゃないかッ!!」
「あらなんの事?」
「魅魔様が押されているなんて……」
魔理沙の呟きに俺と霊夢は無言で頷く。
「ちょっと病室で騒がないの」
そこへ八意さんが病室に入ってきた。
「診察の時間だから早く出なさい」
八意さんはそう言って霊夢達を追い出した。まぁ五月蝿かったからな。
「貴方も少しは注意してね」
「すいません……」
八意さんから叱られた。そして服を脱いでと言われたので上着を脱いで八意さんが診察を始めた。
「……この傷具合なら一週間程度で退院ね」
「そうですか」
「まぁそれはよく此処で安静にしておく前提だけどね」
「霊夢さんが毎日来て暴れそうです……」
鈴仙がそう呟いた。まぁ済まん……。
その後診察は終わり、霊夢達と面会時間が過ぎるまで話していた。
「……霊夢達が帰ると途端に寂しいな……」
そういやルーミアは大丈夫だったのだろうか? まぁ文と一緒に逃げたと霊夢が言っていたから大丈夫なんだろう。
「誠いる~?」
「……何だニートか」
扉が開いて病室に入ってきたのは蓬莱山輝夜。遥か昔から生きている女性であり、この永遠亭から滅多に動かない。言わばニートだ。
「ちょ、ニートとか……まぁあながち間違ってはいないわね」
「いや否定しないのかよ……」
なお、輝夜は竹取物語のかぐや姫だと言っているが……八意さんは本当だと言っているから本当なんだろう。
一日中、鈴仙を弄るかゲームしかしない奴なんだけどな……。
「それで俺に何か用か?」
「ん~、暇だから一緒にゲームしようかと思ってね」
輝夜はそう言ってスーファミを持って「やろう」というサインを送っていた。ちなみにソフトはぷよ○よとファ○スタだ。
「あのなぁ、俺は一応病人なんだが……」
「あら、私の命令が聞けないの?」
「俺は輝夜の部下じゃねぇよ」
「つれないわねぇ。一回くらい、いいじゃない」
輝夜はそう言って不満を言う。まぁ一回くらいなら構わないか。
「まぁええよ。それならやろか」
今回は久々に輝夜を負かしてやるか。ちなみに対戦成績は二十戦中八勝十二敗だな。
そして……。
「安静にしてなさいと言ったでしょう」
「……すいません……」
八意さんに輝夜と共に怒られていた。あの後、輝夜に勝ったが輝夜が悔しがってもう一戦もう一戦となったらいつの間にか俺達の後ろに八意さんがニコニコ笑いながら立っていた。
あの笑顔はマジで恐かった……。
「姫も誠君を安静しておくように言っておいたはずですよ」
「……いいじゃない。ぷよ○よなら大丈夫と思ったのよ」
「……全く。いい事誠君? ちゃんと安静にしなさいよ。読書はいいけどね」
その日は八意さんに散々と釘を刺された。勿論輝夜もである。
そして鈴仙から出されたお粥を食べてその日は八意さんから出された薬を飲んで寝るのであった。
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