魔法少女リリカルなのは 異形を率いる男
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3.新しい発見
前書き
短くてすいません。
この世に生まれてはや三年、外で動きたい。
そんなことを彼は考えていた。
彼自身は幼少期はそこまで苦ではないと考えていたが、それは大きな間違いであった。
自分で自由に動けない事の苦労を覚えていなかったせいで動けないことに対するストレスが半端なく溜まるのだ。
現在、彼の両親は共に出かけているので外に出ることは叶わない。
どうするか、と、悩みながら床の上を転がっていると、いつの間にか、床の感触が変わっていた。
そのことに気付き、周りを見てみると周りには見たこともない大量の機械と一つの飾り気の全くない、スライド式のドアと思われるものしかなかった。
「は…?」
いきなりのことに彼の頭の中は真っ白になっていた。
だがそれでも無意識に現状のことを必死に確認しようと頭は思考を続けていた。
そこから考えられたのは自分と同じく転生したという話の殺人鬼と神の使いといった男に渡した転生時の設定の中にあった研究用の施設に移動する能力だった。
これの可能性は後者の可能性が圧倒的に高い。
理由としてはまず、あの殺人鬼がここに連れ込んだのなら、ここにいないことを説明できないこと、悩みながら床を転がっているときに頭の隅でこの能力のことがかすかに頭をよぎったなどの事から能力の世界なのだと分かり、周囲を確認してみると、これまた飾り気のない金属性のテーブルの上に二つ折りになった紙と黒い宝石のはめ込まれた指輪が置いてあった。
大方死んだときに出てきたあの男が置いたものであろう。
彼はそんな予測をしながら紙を開いてみた。
案の定、紙に書いてあったことはこの部屋とドアの奥の部屋の解説であった。
そのメモを読んでいるとき、気いなったのは紙の字が恐ろしく特徴的なことだったことだ。
一応は綺麗な部類の字なのだろうが、字体が古いのだ。
この字が使われていた時代ならきれいなのだろうが、読みずらい。これが感想である。
あの男は自称、神の使いなんて言うことを言っていたがなぜこんな字で書いたのだろうか、今となっては知る由もない。
それともう一つ、紙には一緒に置かれていた指輪についても書いてあった。
ハイスペックなデバイスらしい。
だが、いかんせん起動の仕方が書いていない。
アニメなどでは、常に起動していたが、あれは使用者の魔力を使って動いているはずである。
つまり使用者の決まっていないデバイスの起動の仕方が分からないのである。
そんな疑問を持ちながら彼は指輪に手を伸ばした。
指輪に彼の指が触れた瞬間、指輪がいや、はめ込まれた黒い宝石が一瞬、強い光を発した。
「認証確認。初めましてマスター」
男性の声が聞こえた。
アニメのインテリジェンスデバイスは全部が英語で会話していたた、めまさか日本語を話すとは思わなかった。
「何で…いきなり起動した」
「触れた瞬間に魔力を供給させて貰いました」
独り言のつもりだったのだが、このデバイスは律儀に答えてきた。
「名称と愛称を決めて貰えませんか?マスター」
「名称はブラックスカイ、愛称はブラックだ」
これは、かなり即興で考えた名前だ。
基本的には名前はそこまで痛い名前でさえなければいいのでそこまで気にはしない。
「これからお願いします。マスター」
「よろしく。ブラック。今回はこれで」
挨拶を済ませると彼はまた机の上にブラックを置き、そのまま外に出た。
何故ブラックを中に置いたままなのかというと、あんな指輪をこの体で持っていたらまずいであろう。いくら注意したとしても何かの拍子で見つかるか分かったものではない。
自分の部屋でももらえれば話は別だが部屋なんぞ貰える気配など全くない状態である。故にブラックは置いてきた。
賢そうだし察してくれるであろう。
そんな考えで彼はブラックを放置…でなく置いてきたのだ。
そんな事よりも、今後あの部屋のことを考えなければいけないのだ。
急遽、今後のことを考えなくて話ならない状態に陥った事になり、彼の暇な時間は無くなった。
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