八条学園騒動記
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プレリュード
八条学園騒動記
人類が銀河に進出して一千年あまり。圧倒的な人口と国力を持ちながらも纏まりに欠ける連合、貴族制社会であり人口問題に苦しむエウロパ、戦乱に明け暮れるサハラ、そして連合と同盟関係を結びつつも独自の勢力であり続けるマウリア。その四つの勢力が存在していた。
政治や社会はそうなっていた。四つの世界があり人々はそれぞれその中において暮らしていた。それはどんな時代になっても変わるものではなく飲んで食べて笑って泣いて暮らしていた。これは変わることはない。人間である限り。
つまり人間であるからすることも同じなのだ。この時代でも普通に学校があり、そこに生徒達が通って勉強をしている。それはどの勢力でも同じことだ。エウロパは貴族は別の種類の学校に通ったりするが連合はそうしたことはない。それぞれ自由で階級とかそうしたもののない学園生活を楽しんでいるのである。大衆社会がそのまま学校にも現われていた。
そんな中にある日本。この国にもやはり学校がある。その名を八条学園という。日本の名家の一つである八条家が経営している組織の一つであり幼稚園から大学院まであるかなり大規模な学校である。日本からだけでなく連合中、果てはマウリアからも留学生が訪れている。連合は連合加盟国ならばどの国のどの学校に通ってもよく、それで連合中から生徒が集まるのである。設備等は八条家が資産家である為潤沢な資金を使ってかなりいい。理事長は八条義統。言わずと知れた連合中央政府国防長官であり八条家の嫡子である。その彼が理事長を務めているが彼は多忙なので学園には滅多に顔を見せない。それで実質的な経営は彼の部下達が受け持っている。
そうした学園である。生徒数は途方もないもので大学で四万もいる。高等部は一万だ。かなり大袈裟な数となっていて街一個が学園にまでなっている。当然文字通りの学園都市になっており大変な状況となっている。そんな学園である。この物語はそんな馬鹿げた学園で高校生活を送る学生達の悲喜こもごもの話である。笑いあれば笑いあり。喧騒があって仲直りがあって。そうした話である。今それが幕を開けようとしていた。
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