| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十四話 マドラスにて

                 第百十四話 マドラスにて
「彼が戻ったのですね」
「はい」
ラクスはまたダコスタとパソコンで話をしていた。近頃はよくこうして連絡を取っている。
「そしてミネルバに戻りあのガンダムを受け取るようです」
「デスティニーガンダムを」
「ミネルバ隊にはもう二つガンダムが配備されます」
「レジェンドとセイバーが」
「インパルスと合わせて四機、これでザラ隊と並びます」
「そうですね」
それを聞くラクスの顔は普段の歌姫のものではなかった。強い、どちらかというと政治家のそれであった。
「私が共に戦いたいと願う彼等にもガンダムが行き渡たる」
「もう一つ朗報です」
「何ですか?」
「ミゲル=アイマンもまた私達に協力してくれるそうです」
「まことですか?」
「はい、先程フィリス=サイフォンから連絡がありました。これでジャック=ライアン、エルフィ=バートンと並んでザフトのエースが加入しました」
「よいことです。ですがまだ」
「はい、彼等が」
「とりわけ種を司る者達を」
ラクスの目が変わっていく。それはキラやシンと同じものであった。
「アスラン=ザラ、そして」
「キラ=ヤマトとシン=アスカ」
「彼等の力が何としても必要なのです。それはわかっていますね」
「無論です。ですが」
「ですが?」
「キラ=ヤマトはともかくシン=アスカとアスラン=ザラは。我等の同志となるのは困難かと思いますが」
「いえ、大丈夫です」
ラクスはその不思議な光を放つ目で何かを見ているようであった。
「彼等もまた。星達ですから」
「星達・・・・・・」
「星は必ず集います、これからの大いなる運命の前に」
「運命の前に」
「そう、ロンド=ベルの中に」
「そうなればよいのですが」
だがダコスタはいささか不安であった。
「今はナチュラルやコーディネイターなぞ些細なことに過ぎないのですから」
ラクスはさらに言う。
「それを乗り越え。人類は新たな時代を」
「そしてそれを阻もうとする彼を」
「倒さなければなりません。いいですね」
「はい」
ダコスタは最後に一礼してモニターから姿を消す。後にはラクスだけが残った。
「運命がまず彼の手に入り。そして」
呟くところに扉をノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
「お嬢様」
入って来たのはクライン家の執事であった。ラクスもよく知っている顔である。
「お客様です」
「どなたですか?」
「はい、それは」
ラクス=クライン。プラントの歌姫も今真実をさらに知ろうとしていた。それがプラント、そして人類の未来を大きく変えようとしていたのであった。
北アフリカから撤退したイザークとディアッカはそのままカーペンタリアまで退いた。そこで地球に降りて来ていたアスラン、ニコル達と合流したのであった。
「無事で何よりです」
まずニコルが彼等を出迎えてにこりと笑う」
「そしてまた一緒に戦うことが出来て」
「何だ、また同じ部隊なのかよ」
ディアッカはそれを聞いてついつい言葉を漏らした。
「腐れ縁ってやつかね」
「フン、難儀なものだな」
イザークはイザークで素直ではない。
「御前の様な腰抜けとまた一緒とはな。それで御前だけなのか?」
「いえ、アスランもいますよ」
「やっぱりな」
ディアッカはそれを聞いて口の端で笑う。
「役者は揃ったってわけか」
「ミゲルもいますし」
「おっ、あいつもいるのか」
「はい、元気ですよ」
ニコルは答える。
「そして三人来てくれました」
「何っ、三人もか」
イザークがそれを聞いて声をあげる。
「はい、こちらに」
そこには赤服の女パイロットが二人と緑服の男女それぞれ一人がいた。三人は並んでイザークとディアッカに敬礼して応えた。
「はじめまして、フィリス=サイフォンです」
まずは髪の長い赤服の少女が名乗った。
「ジャック=ライアンです」
「エルフィ=バートンです」
後の二人も名乗った。見れば三人共イザーク達と変わらない年齢である。
「御前達がか」
「はい」
三人はそれに応える。
「この度ザラ隊に配属されました」
「宜しくお願いします」
「シホさんはもうすぐ復帰だそうです」
ニコルはここで付け加えた。
「九人になる予定なので宜しくお願いします」
「また賑やかな感じに戻ってきたな」
ディアッカはそれを聞いて言った。
「ミネルバ隊と組んでいた時みたいだぜ」
「そうだな。ところでニコル」
「はい」
「今ザラ隊と聞いたが。どういうことなんだ?」
「あっ、僕達の部隊の名前です」
ニコルはイザークに答えた。
「隊長にアスランが就いたんでそれで」
「クルーゼ隊長ではないのか」
「クルーゼ隊長は宇宙でスピットブレイクの準備にかかっておられます」
「それでアスランが隊長か」
「はい、イザークが副長ですよ」
「そこまで決まっていたのか」
「ええ、僕も彼等もそうなんで。宜しくお願いします」
「あ、ああ」
「あいつが隊長ねえ」
あまり隊長に向くタイプではないディアッカが言う。
「何か妙なことになってきたな」
「ディアッカ」
ニコルはディアッカを嗜める。
「わかってるって。じゃあ隊長と打ち合わせに行こうぜ」
「はい」
「しかし俺が隊長なんてな」
アスランは机の上で腕を組んで考え事をしていた。その前にまるでオフィスの様に並べられた机の一つにミゲルが座っている。
「不安なのか?」
「ああ、俺なんかで務まるのかな」
そう言って首を傾げさせる。
「大丈夫かどうか」
「誰だって最初はそうさ」
ミゲルはそんな彼に対して言う。
「だから気にするな」
「そういうものか」
「ああ、ところでなアスラン」
「どうした?」
「いや、何でもない」
何かを話そうとしたところで止めた。
「気にしないでくれ」
「そうか。ならいいんだが」
「ああ」
「よおアスラン」
いきなり扉が開けられディアッカ達が部屋に入って来た。
「俺達の部屋はここだってな」
「あっ、来たか」
「元気そうだな」
アスランとミゲルはディアッカ達の姿を見て顔を上げる。
「おう、アフリカから奇跡の生還だぜ」
「これからまた世話になるぞ」
そこには勿論イザークもいた。ザラ隊勢揃いである。
「よし、これで役者は揃ったな」
「ああ。では早速これからのことについて話すか」
再び揃う仲間達。彼等はまだ知らなかった。皆これから銀河の果てまで果てしない旅を巡ることも。ニコルもミゲルもまだそれは知らなかった。
「御苦労だった、諸君」
ジブラルタルを奪還したロンド=ベルの面々はミスマルから労いの言葉を受けていた。
「これで北極に展開しているティターンズへ戦力を向けることが出来る」
「ではこれから北極へですね」
「いや」
だが彼はマリューの言葉に首を横に振った。
「ティターンズには今何かと通商破壊工作等を受けていてな。本格的な攻勢に転じるのはまだ先だ」
「そうなのですか」
「今は地中海を完全に押さえ、そこからロシア、そしてドイツ方面から彼等への戦力を集結させたい。本格的な攻勢はまだ先のことになる」
「では我々はこれからは」
大文字が問う。
「ミケーネのいる日本でしょうか」
「いや、実は君達にはその前に向かってもらいたいところがある」
「それは」
「マドラスだ」
ミスマルは述べた。
「マドラスですか」
「そうだ、そこで補給を受けて北インドに進出しようとしているネオ=ジオンを迎え撃ってもらいたいのだ」
「それではそちらに」
「うむ、頼むぞ」
「わかりました」
「それからはアラスカに行ってもらいたい」
「アラスカ、ですか」
ロンド=ベルの面々はそれを聞いて少し眉を動かした。
「何故そちらへ」
「ザフトが大規模な攻勢を仕掛けようとしているのだ」
「大規模な、ですか」
「その作戦の名はスピットブレイク」
ミスマルは言う。
「オペレーション=スピットブレイクだ。それを地球に仕掛けようとしているらしい」
「何と」
大文字はそれを聞いて声をあげた。
「北アフリカを失い、まだそうした攻勢に出るとは」
「彼等も必死だということだ。宇宙から戦力を降下させるつもりらしい」
「その場所がアラスカだと」
「パナマだというのがもっぱらの情報だがな。だがアラスカは北極に近い」
「北極に」
ティターンズのいる北極である。
「そう、北極の側に降下して。そこを占拠することにより我々とティターンズに睨みを利かせるつもりのようなのだ」
「ですが今太平洋の戦力は」
シナプスが述べる。
「ミケーネとの戦いに三輪長官が日本に集結させております」
「だからこそだ」
ミスマルはそれに応える。
「今アラスカはサザーランド准将が守っているが戦力が足りない。それで君達に向かってもらいたいのだ」
「三輪長官は?」
マリューが問う。
「戦力を回してくれないのですか?」
「無駄だ」
予想されたことだがそれはすぐに否定された。
「スピットブレイクのことは彼も知っているが敵の攻撃目標はパナマだと信じて疑っていない」
「やはり」
マリューにもある程度予想されたことではあったがやはり落胆を覚えた。
「それに今はミケーネこそが重要なのだとの一点張りでな。話にもならない状況だ」
「いつものことだが」
一矢はそれを聞いて苦い顔を浮かべた。
「あのおっさんだけはどうしようもねえな」
京四郎もまた。三輪とは腐れ縁があるだけによくわかることであった。
「だからこそ君達に行ってもらいたいのだ」
それがミスマルの願いだったのだ。
「ここでアラスカを失えば今後に大きな影響が出るからな」
「わかりました。それでは」
「また頼むぞ」
「はい、それでは」
総員敬礼する。そして彼等はマドラスに旅立ったのであった。
北アフリカを出てインド洋に出る。マドラスへはすぐであった。
「へえ、ここがマドラスかあ」
ビーチャはマドラスの基地に降り立つとまずは辺りを見回した。
「インドなんだよなあ」
「そうだよなあ、ここインドなんだよな」
イーノも同じく辺りを見回していた。
「クェスはここにいたんだよね」
モンドがクェスに声をかける。
「うん、そうだよ」
「そこで修行してたんだよね」
今度はエルが彼女に問う。
「まあ修行って言うのかな。ここにいたのは事実よ」
「やっぱりカレー食べてたの?」
ルーの話題は食べ物だった。
「まあね。ここのカレーって凄い辛いけれど」
「ええっ、辛いカレー!?」
プルがそれを聞いて引いていた。
「あたし辛いカレー嫌だよお」
「甘いカレーはないのか?」
プルツーにとってもそれが気懸かりであった。二人一緒にクェスに問う。
「あることはあるけれどね」
クェスはそれに応える。
「お菓子もあるし」
「やったあ!インドのお菓子!」
「甘いんだよな、やっぱり」
「気が遠くなる程ね」
クェスの言葉は実に意味ありげなものだった。
「気の遠くなる程!?」
命がそれを聞いて眉を顰めさせる。
「それってどういうことなのかしら」
「気が遠くなる程美味しいって意味だと思うよ」
護はそう思った。
「だったら早く食べたいなあ」
「おい護、戦争に来てるってことを忘れるなよ」
ルネが護に注意する。
「それはいいな」
「わかってるよ。けれどインドのお菓子かあ」
「やれやれだな」
お菓子を楽しみにする護を見ているとルネもついつい頬を緩める。
「じゃあ一緒に行くか、凱」
「そうだな、後で」
凱もそれに応える。
「最近ずっと戦闘ばかりだったしな。骨休めに丁度いいさ」
「では私達も一時の休息を」
「気合入れて休むぜ!」
「気合入れて休むものなの?」
プレシアはゴルディマーグの言葉を聞いて呟く。
「ボルフォッグさんはわかるけど」
「ガハハ!細かいこと気にしていたらキリがないぜ!」
そんなプレシアの言葉を笑い飛ばすゴルディマーグ。
「それよりマサキ隊員はどちらですか?」
「えっ!?」
ボルフォッグの言葉にはっとなる。
「お姿が見受けられませんが」
「いっけない、また道に迷っちゃったの!?」
「やれやれですねえ」
「・・・・・・うむ」
デメクサとゲンナジーが言う。
「全く。じゃあ探すとしようかね」
シモーヌはやれやれといった調子であった。
「よりによってインドで道に迷うなんてね。困った奴だよ」
「けど基地の中やろ?すぐに見つかるで」
ロドニーはそうベッキーに突っ込む。
「そうですよね、幾ら何でも」
「心配することはない。すぐに会える」
「エリスさん、バレンシアさん、それ甘いです」
だが保護者のプレシアの考えは違っていた。
「お兄ちゃんの方向音痴は普通じゃありませんから」
「そうだ、だからすぐに行くぞ」
ヤンロンが声をかける。
「全く何処に行ったのかしら」
テュッティも困った顔だ。
「いつものことだけれど」
「じゃああたしはこっちね」
リューネはすぐに動きはじめた。
「じゃああたしはこっち。行こ、ゲンちゃん」
「うむ」
「ザッシュさんは私と一緒にお願いしますね」
「うん、それじゃあ」
「では私もプレシア君と共に」
さりげなくジノもついて行く。
「わたくしはこちらに差し向けて頂いても宜しくないでしょうか」
「モニカ、あんたはいいから」
モニカとセニアは留守番となった。かくしてマサキの捜索がはじまったのであった。
その当のマサキはやはり道に迷っていた。基地の建物の何処かなのはわかるがそれが何処なのかまではわからない。
「参ったなあ、おい」
「で、ここ何処だニャ?」
クロが彼に問う。
「基地なのは間違いないようだけれど」
「さて」
「さてじゃないニャ」
シロが突っ込みを入れる。
「全く、いつもいつも道に迷って」
「おいら達の迷惑も考えるニャ」
「何だよおい、いつも文句ばかりよ」
使い魔達に反論する。
「俺が何したってんだよ」
「道に迷ってるニャ」
「それもいつもいつも」
「いいじゃねえか、それ位」
「よくないニャ」
「で、ここで何処なんだよ。何でこう簡単に道に迷うかねえ」
「ちぇっ」
「待つがよい」
だがここで声がした。
「その声は」
マサキのよく知る声であった。
「ティアンかよ」
「左様、御主を探しておったのじゃ」
「探してたって」
「皆心配しているぞ、早く帰ろう」
「ファング」
ティアンだけでなくファングもそこにいた。どうやら彼を探していたのは事実であるようだ。
「プラーナでわかったのじゃ」
ティアンは言う。
「御主のプラーナがな。ここにいると教えてくれたのじゃ」
「俺のプラーナが」
「私達にはよくわからなかったけどティアンは一応元お坊さんだからね。そういうのもわかるみたい」
二人と一緒にいたロザリーが言う。
「そんなに強く出てるのかよ」
「このインドは特別な地故」
ティアンも何時になく物々しい。
「プラーナもはっきり見れるのじゃ」
「そんなもんか」
「マサキ、御主のプラーナはとりわけ強くなっておるようじゃ」
「俺のがか」
「それをこれから生かすかどうかは御主次第」
ティアンは言う。
「では帰るとしよう。帰ってカレーじゃ」
「ここは牛肉のカレーはねえけどな」
「なぬっ!?」
それを聞いてティアンは普段のティアンに戻った。
「それはどういうことじゃ!?」
慌てた顔でマサキに問う。
「だってよ、ここインドだぜ。インドは牛肉食べねえぜ」
「そういえばそうだったニャ」
「神聖な動物だったんだよな」
クロもシロもそれは知っていた。
「うぬぬ、そうだったのか」
「そうだったのかってティアン」
ロザリーが呆れた顔で彼に問う。
「あんた昔仏教はインドで生まれたって言ってたわよね」
「うむ」
「それで何で知らないのよ」
「忘却もまた真理」
神妙なふりをして述べる。
「そういうことじゃ」
「訳わからないわよ」
ロザリーはそう抗議する。
「全く。お坊さんなのに肉も酒も平気だし。どうなってるのよ」
「そういうことは言っても無駄だぜ。何しろ破戒僧なんだからな」
マサキが付け加える。
「戦闘になったら大暴れするし。とんでもないお坊さんね」
「まあいい。それでは帰るとするか」
ファングが言った。
「マサキも見つかったしな」
「そうね、これでロンド=ベルにね」
彼等は帰還した。そして数日休んだ後でマドラスから北インドに向かった。攻撃目標は既に決まっている。ネオ=ジオンの軍勢であった。
「今度はネオ=ジオンなんですね」
トールがアークエンジェルを操縦しながらふと言った。
「そうだ」
ナタルがそれに答える。
「ザフトとティターンズが地球に降下してきた時に彼等も効果してきたのだ」
「そうだったんですか」
「来ているのはアナベル=ガトーだ」
「ソロモンの悪夢ですね」
サイがそれを聞いて言った。
「手強いぞ」
「確かソロモンで核バズーカをぶっ放した人ですよね」
カズイも彼のことは知っていた。
「それで連邦軍の艦隊が一個壊滅したって」
「私はまだその時は士官学校を卒業したてで研修を受けていたのだがな」
ナタルはそれに答える。
「話を聞いた時は我が耳を疑った。そこまでやるとは思わなかったからだ」
「やっぱり」
「同期も何人かそれで亡くなった」
「そうだったんですか」
「だから知っている。彼は手強いぞ」
「他にも来ているんですよね」
ミリアリアが問う。
「アナベル=ガトーの他にも」
「当然だ。だがネオ=ジオンは数そのものはそれ程ではない」
「らしいな」
ムウがそれに応えた。
「ただし、質がな」
「はい」
ナタルはそれに頷く。
「ティターンズと比べて手強いぞ」
「ハマーン=カーンは来ていないらしいわね」
マリューがふと尋ねてきた。
「彼女は今はアクシズにいるって聞いているけれど」
「はい、そのようです」
ナタルが答えた。
「来ているのはアナベル=ガトーの他にグレミー=トトの部隊のようです」
「グレミー=トトか」
今一つ目立たない名前であるように思えた。
「何かパッとしないって感じだな」
「そうかしら」
マリューはムウの言葉に顔を向けさせた。
「俺の主観だけれどな。やっぱりソロモンの悪夢も来ているからな」
「ですがモビルスーツは強力なものばかりです」
ナタルがそこで言う。
「キュベレイもあるようです。ですから」
「ああ、用心が必要だな。おい坊主達」
「はい」
カズイ達はムウの言葉に応えた。
「ファンネルに注意しとけよ。奴等は他にも一杯とんでもない兵器持ってるけれどな」
「ファンネルってプルちゃん達のキュベレイやクェスのヤクト=ドーガに搭載されているあれですよね」
ミリアリアがそれを聞いて言う。
「ああ、そうさ」
「けどミリィ」
ムウはそのまま応えたがマリューは少し聞くことがあった。
「何ですか?」
「彼女達なの?ファンネルっていうと」
「だってキュベレイっていえば」
「そうじゃなくて。やっぱりファンネルって言ったら」
「ギュネイさんやロザミアさんのやつでもないんですか」
「彼等もそうだけどやっぱり」
サイに応える。
「あれよ。アムロ=レイ中佐のニューガンダム」
「あれですか」
「そう、やっぱりロンド=ベルの看板エースだし。普通はそれじゃないかしら」
「あれはまた桁外れだろ」
ムウがここで突っ込みを入れてきた。
「片っ端から撃墜していくからな」
「そこがいいのよ。何て言うか颯爽としてて。頼りになるわ」
「そういえばさ」
トールが通信でカズイに囁く。
「うちの艦長も葛城三佐も何かとアムロ中佐を意識してるよな」
「声なんじゃないかな」
カズイはそう答える。
「やっぱりそれかな」
「思い入れのある声なんだろうな、やっぱり」
「ふうん」
「是非アムロ中佐にはタキシードにマントで決めてもらいたいわね」
「艦長、それでは只の変な人ですが」
「そうかしら」
だがマリューにはよくわかっていない。
「それで私は学生時代のセーラー服で」
「艦長、それって」
「殆ど危ないお店ですよ」
サイとミリアリアもこれには呆れ顔であった。
「駄目かしら」
「駄目って言うよりは」
「それ以前ですよ」
「何かそういうことしたいのよ。葛城三佐も言ってたけれど」
「はあ」
「とにかく私にとってはファンネルって言えばアムロ中佐ね。あんな感じで来るのね」
「まああそこまでは桁外れじゃないだろうけれどな」
ムウは言う。
「ただ、あらゆる方向から攻撃を仕掛けてくる。それは覚悟しといてくれ」
「わかったわ。じゃあこのまま他の艦と共に北へ」
「了解、このまま北へ」
トールがそれに応える。
「暫くしたらケーニヒ二等兵に替わってノイマン少尉が操縦を頼むわ。ケーニヒ二等兵はスカイグラスパーの練習に行って」
「わかりました。それじゃあ」
「トール、頑張ってね」
「有り難う、ミリィ」
パイロットは幾らいても足りない。それで今トールにスカイグラスパーのパイロットとして練習を積ませているのである。後にこれがトールを危うく死ぬところまでさせるのである。
ニューデリーの北に彼等はいた。もう戦闘態勢に入っている。
「グレミー殿の部隊も来ているな」
「はい」
そこにはGP-02もいた当然それに乗っているのはガトーである。
そのガトーがカリウスに尋ねていた。見ればドライセンやザクⅢを配属された強力な部隊である。
「ニュータイプを中心にした部隊です」
「彼等か」
ガトーはニュータイプというのを聞いて少し考える顔をした。
「確かに優れているが。だからといって」
「強化人間ですか」
「あれはどうかと思うのだが。そんなことは大義の前には何もないのだがな」
「ですが強力です」
「それは認める」
ガトーは言った。
「では期待させてもらうか」
「間も無くロンド=ベルがこちらに来ますし」
「彼等がか。相変わらず動きが速い」
ガトーはニューデリーの南を見据えていた。
「こちらも用心しておかなければな」
「はい」
彼等はガトーのGP-02を中心に陣を組んでいた。その後方にはグレミーの部隊がいる。そこでロンド=ベルを待ち受けているのであった。
「ニューデリーから敵の艦隊です」
その中の一人から報告があがった。
「その数十隻」
「彼等か」
ガトーはその情報だけでわかった。
「よし、総員配置につけ!」
そしてすぐに指示を飛ばす。
「ここで彼等を退けインドを手中に収めるぞ!」
「ハッ!」
ガトーの部隊はすぐに配置につく。グレミー達もそれに倣う。だが。
「ソロモンの悪夢か」
グレミーはふと呟いた。
「ジオンの大義というが私にとってはどうなのか」
彼は今までのグレミーとは少し違っていた。何か野心が感じられた。だがその野心は今は誰にも見えはしなかった。彼だけが知っていることであった。
ロンド=ベルはニューデリー北で戦闘態勢に入った。そしてネオ=ジオンの部隊と対峙する。
「やはり・・・・・・ガトー!」
コウはまずはガトーを見た。
「インドもまた核の炎で焼くか!」
「安心しろ、今はそれはない」
「何っ!?」
「ニュートロンジャマーのせいでな。核は使えんのだ」
「あっ、そうか」
キースもそれを言われて納得する。
「それでティターンズやネオ=ジオンは結構苦労しているらしいな」
「おおそうか、だったら今回は助かったな」
モンシアは目を細めていた。
「ニュートロンジャマーも役に立つ時があるじゃねえか」
連邦にはシズマ=ドライブもあり原子力がなくとも充分動けるのだ。ティターンズやネオ=ジオンもこれは持っているが節約しているのである。彼等の数は限られているからだ。だから今はニュートロンジャマーは連邦にとってはミノフスキークラフト程度の効果しかないのである。
「だがソロモンの悪夢が相手なのは変わらないぞ」
バニングが釘を指す。
「それはいいな、モンシア」
「わかってますって」
「じゃあ今日も行くか」
「ですね」
ベイトとアデルが前に出る。不死身の〇四小隊もコウも前に出て来ていた。
「あれがアナベル=ガトー」
キラは前にいる重厚なガンダムを見ていた。
「何か。オーラが違う」
「あいつの相手は俺がする」
コウがキラに言った。
「だからキラは別の奴を頼む」
「わかりました。それじゃあ」
「キラ、来るわ」
ミリアリアから通信が入る。
「気をつけてね」
「うん」
「後方の敵も動きはじめました」
マヤが報告する。
「キュベレイ、ゲーマルクの部隊です。キュベレイは戦艦に向かって来ます」
「来たわね」
ミサトはそれを聞いてモニターに映る敵軍を見据えた。
「各艦に知らせて」
すぐにマヤに言う。
「ファンネルを装備した部隊が来るって」
「了解」
それを受けてすぐに通信が送られる。それは当然ながらアークエンジェルにも届いていた。
「そのファンネルね」
マリューはそれを聞いてまずは呟いた。
「はじめての攻撃だけれど。いけるかしら」
「何を言っておるか!」
それを聞いたカットナルがモニターに姿を現わした。
「いけるのではない、いかせるのだ!」
彼は言う。
「ファンネルの十や二十かわしてみせよ!」
「そうだ!そんなので怖気付いていたらこれからやっていけぬわ!」
ケルナグールまで出て来た。
「荒れ狂う敵の攻撃を蝶の様に舞い、そしてかわす。それこそが」
ブンドルも出て来て薔薇をかざす。
「美しい・・・・・・」
「ということじゃ。わかったな」
「はあ」
いつもの三人の絶妙のやり取りに呆然としながらも答えた。
「では健闘を祈る」
モニターが消えた。後には唖然とするアークエンジェルの面々が残された。
「・・・・・・とにかく艦長」
その中で最初に口を開いたのはナタルであった。
「ファンネルだからといってかわせないものではありません」
「そうね」
「ゲーマルクのマザーファンネルとチルドファンネルはかなり厄介ですがやり方さえ間違えなければ」
「かわせるものだと」
「では臆することなく」
「ええ、このまま迎撃ね」
「はい」
「敵機、来ました」
ミリアリアが報告する。
「二機、キュベレイとゲーマルクが一機ずつです」
「丁度おあつらえ向きに」
「悪い、そっちで迎撃してくれ!」
リョーコから通信が入る。
「今目の前にキュベレイの編隊がいるんだ!手が離せない!」
「こっちもだ。こちらはゲーマルクだ」
ナガレからも通信が入る。
「悪いがこちらが片付くまで頼む」
「了解、では迎撃用意」
「敵、ファンネルを放ってきました!」
「艦長!」
「イーゲルシュテルン、斉射!」
それがマリューの迎撃であった。
「全部撃ち落として!」
「イーゲルシュテルンで!」
「こちらに向かって来るのならそれで!」
マリューは言う。
「出来る筈!だから!」
「わかりました、では!」
ナタルもそれに覚悟を決めた。
「イーゲルシュテルン、てーーーーーーーっ!」
あらゆる方向にイーゲルシュテルンが放たれ弾幕を作る。それで夥しい数のファンネルを撃破した。
「やったぞ!」
「まだだ!油断するな!」
ナタルは声をあげるカズイにすぐに言う。
「まだキュベレイとゲーマルク本体が残っている!艦長!」
「ええ、バリアント用意!」
「バリアント、てーーーーーーーっ!」
今度はその二機に向かってバリアントが撃たれた。連装砲がそれぞれのモビルスーツを撃ち抜いていく。
キュベレイは墜落しゲーマルクは炎に包まれた。そしてそれぞれ爆発して消えていった。
「やったわね」
「ええ」
ナタルはマリューに対して頷く。
「とりあえずの危機は去ったわ」
「はい、イーゲルシュテルンの使い方、お見事でした」
「あれ、咄嗟だったのだけれど」
マリューは少し困ったような顔をして応える。
「咄嗟だったのですか?」
「ええ。ファンネル相手だとミサイルみたいにすればいいかしらと思って」
「はあ」
「けれど上手くいったみたいね。今後もこの弾幕は使えるわね」
「そうですね」
この弾幕は以後盛んに使われることとなった。マリューもまた艦長として戦術を身に着けようとしていたのであった。
前線ではコウとガトー、ジュドーとグレミーが激しい応酬を繰り広げていた。
「インドへは行かせるかっ!」
「どけ!ウラキ!」
コウは空からビームを放ち、ガトーはそれを巧みに左右にかわす。
「貴様に止めさせはせぬ!」
「無駄だ!俺達がいる限りここは!」
ガトーもビームを放つ。それはコウの操縦とデンドロビウムのIフィールドに防がれる。
「やらせるものか!」
「まだ大義がわからんか!」
「俺には大義は関係ない!」
コウは言う。
「大切なのは後ろにいる人達を守ることだ!それが軍人だ!」
「それが貴様の考えなのだな!」
「そうだ!それが俺の答えだ!」
「わかった!ではそれを見せてみろ!」
ガトーもまた言う。
「私の大義よりも上なのかな!」
「あれがソロモンの悪夢アナベル=ガトー」
キラはコウとガトーの戦いを見ていた。
「何て凄い戦い方なんだ」
「彼がああなったのも理由がある」
そんな彼にクワトロが声をかけてきた。
「クワトロ大尉」
「彼もまた信じるものの為に戦っているのだ。戦士としてな」
「戦士として」
「そうだ、キラ=ヤマト君、君とは違う考えでな」
「違う考えですか」
「人はそれぞれだ。色々な考えを持っている」
クワトロはキラに語る。
「ウラキ中尉や君の様に誰かを守る為に戦う者もいる」
「はい」
「そして彼の様に信じるものの為に戦う場合もある。そういうことだ」
「そうなのですか」
「そうだ、それは覚えておくといい」
「覚えておくと」
「戦争を止めさせる為に戦っている者もいるのはわかるな」
「バサラさんですか」
「まだ彼はよくわからないか」
「何か。あまりにも独特なので」
バサラは武器を持たずに戦場にいる。そしてギターを奏で続けているのだ。
「彼もまた志がある」
クワトロにはそれがわかっていた。
「人それぞれ志がある。それは覚えておいてくれ、いいな」
「わかりました。じゃあ僕は」
「君の信じるものの為に戦うといい。いいな」
「ええ」
「では行くのだ。敵は多いしな」
「ネオ=ジオン。それに」
火星の後継者達も来ていた。キラは彼等に攻撃を加える。
「けれど僕は!」
すっと前に出てライフルを放つ。それで次々と撃退していく。キラもまた成長しようとしていた。だがまだ何かが足りなかった。それを身に着けるのは少し後のことであった。
グレミーの赤いバウが舞う。それでジュドーのダブルゼータを翻弄しようとする。
「正面からまともにやっても不利。ならば・・・・・・!」
変形して撹乱戦術に出ていたのだ。バウは二つに分かれて空から攻撃を仕掛けて来る。
「これでどうだ!」
「くっ、考えてるじゃねえか!」
ジュドーは地上にいた。そこでバウの動きに何とかついていた。
「けれどな!」
だがそれはすぐに終わった。ダブルゼータも変形したのだ。そして空に舞い上がる。
「ダブルゼータだってやれるんだよ!これで!」
「くっ、そうきたか」
グレミーは変形してきたダブルゼータを見て歯噛みする。
「だが機動性ならば!」
「ジュドー、大丈夫!?」
それでも優位性を保てる筈だった。Gフォートレスは大型のぶん機動性に乏しい。しかしそこにルーのゼータが来たことでそれも変わった。
「相手は二つなんだよ!無理はしないでよ!」
「ルー!」
ルーのゼータはもうウェイブライダーに変わっていた。そして突撃してくる。
「機動力ならこっちが上なんだから!」
「ぬうっ!」
突撃しながらビームを放ってくる。だがそれは何とかかわした。
「これでどうっ!?」
「まずいな、流石に二機となると」
分が悪い。どうしようかと思ったその時だった。
「!?」
突如として通信が入ってきた。それに出る。
「どうした?」
「後方の基地が敵の襲撃を受けています」
「連邦軍か!?いや」
それはあまり考えられなかった。連邦軍は今戦力を日本、そして欧州に集結させている。とりわけ日本における戦力は三輪が暴挙に次ぐ暴挙で地球はおろか宇宙からも掻き集めた戦力でありかなりのものになっていた。そのせいでネオ=ジオンが今基地を置いているアフガニスタンは手薄であったのだ。
「メタルアーマーです」
「ギガノスの残党なのか?」
「おそらくは。かなり手強いです」
「損害は」
「それもかなりのもので。このままでは」
「わかった、ではすぐにそちらに戻る」
グレミーは判断を下した。
「後方基地を失っては何もならないからな」
「わかりました、それでは」
「ガトー殿」
ガトーに声をかける。
「うむ」
ガトーもそれは今聴いていた。それに応える。
「すぐに戻ろう」
「わかった。では後詰は彼等に任せて」
火星の後継者達である。こうした場合彼等は中に誰もいないので実に使い易い。
「すぐに基地に向かおう」
「そうだな」
ネオ=ジオンは戦争を止め撤退を開始した。それを見てロンド=ベルは少し呆気に取られた。
「もうかよ」
「何か今回は早いな」
「どういう事情なのかね」
彼等は口々に言う。
「だがこれで戦闘は終わった。インドは守り抜いたな」
「とりあえずはな」
アムロはブライトに応えた。
「だがこれでニューデリーを中心に防衛ラインを築くことができる」
「ああ」
「俺達の役目は終わった。マドラスに帰還することにしよう」
「そしていよいよアラスカか」
「そこまでも何かと大変だろうがな」
カーペンタリアにあるザフトの基地を意識しているのだ。
「それでも行かないとな」
「うむ。ではマシンを収納しろ」
ブライトは撤退の用意を進めさせた。
「そしてマドラスで補給を受ける、いいな」
「了解」
こうしてロンド=ベルはニューデリー北での戦いを終えマドラスに帰還した。そして次の戦いに向かうのであった。
ネオ=ジオンが基地に向かってみるともうそこには敵はいなかった。ただ酷く破壊された後があるだけであった。
「これは酷い」
カリウスがその有り様を見て苦い顔を浮かべる。
「短期間でここまでやられるとは」
「敵はどうやらかなりの手練ということだ」
ガトーがそれに応えた。
「どちらにしろもうこの基地は使えない」
「はい」
「後方基地を一つ失うとはな。ここに来て」
「残念です」
「ところでグレミー殿は」
ガトーはあらためてカリウスに問う。
「既に別の基地に拠点を移されると仰って移動されてます」
「そうか」
「それが何か」
「いや、おかしな動きはないかと思ってな」
そう語ったところで目が光る。
「デラーズ閣下が気にしておられるのだ。グレミー殿の動向を」
「それは何故」
「何かを企んでいるようだと。最近しきりに上層部と接触しているようだしな」
「そうなのですか」
「何かあれば教えてくれ」
カリウスにも言った。
「よいな」
「はっ、了解しました」
ガトーも別の基地に向かった。だがこのことはネオ=ジオンにとっては大きなダメージであった。それが今度の地球降下においての作戦を縮小させることとなりインド攻略も不可能となったからである。
マドラスでアラスカに向けての整備と補給を受けるロンド=ベル。その中でカガリが騒ぎを起こしていた。
「そんなのじゃ駄目だって言ってるだろ!」
スカイグラスパーの練習を終えたトールに対して言っていたのだ。
「御前スカイグラスパーのこと何もわかっていないんだな」
「そんなこと言ったって」
言われるトールは困った顔をしていた。
「そんな操縦じゃ死ぬぞ、御前」
「死ぬ・・・・・・」
「そうだ、戦争は遊びじゃないんだからな。だから悪いことは言わない」
カガリは言う。
「御前はスカイグラスパーよりアークエンジェルの操縦の方がいい」
「アークエンジェルの方が」
「人手不足なのはわかってる」
カガリは言う。
「それでもなんだ、いいな」
「けど・・・・・・」
「ちょっとカガリ」
見かねたミリアリアが二人の間に入る。
「何でそこまで言うのよ」
「こいつの為だ。御前だって恋人が死ぬのは嫌だろう?」
「それはそうだけれど」
「安心しろ、スカイグラスパーには私が乗る」
「えっ」
その言葉を聞いたキサカが後ろで驚きの声をあげる。
「カガリ、それは」
「心配するな、私だってゲリラで実戦経験があるんだからな。スカイグラスパーだってな」
「しかし若しものことがあれば」
「こいつが操縦するよりましだ、今度から私が乗る」
そう言って聞かない。
「いいな、それで」
「ううむ」
結局それで押し切った。スカイグラスパーにはカガリが乗ることになった。トールはアークエンジェルの操縦のままだったがそれでもスカイグラスパーの訓練は続けていた。これが後にトールを大変な目に遭わせることになってしまうが。
ロンド=ベルはマドラスに戻りアラスカに向かおうとしていた。だがここで急報が入って来た。
「またザフトが!?」
「そうだ、モルジブまでな」
「動きが速いな」
クワトロはその話を聞いて呟いた。
「敵も必死だということか」
「で、あの四機のガンダムもいるそうです」
ギュネイがそのクワトロに対して言う。
「数は少ないみたいですけれど精鋭だそうで」
「精鋭か」
「それでだ」
ブライトが言う。
「我々はまず太平洋に入る前にモルジブに向かうことになった」
「モルジブにか」
「すぐに向かって欲しいとのことだ」
「わかった、それでは」
クワトロだけでなく他の者達もそれに頷く。
「すぐに向かうとしよう。後ろを安全にしてな」
「そういうことだな。モルジブにいられては何かと厄介だ」
アムロがそれに応える。
「ザフトがいるだけで何かと厄介になる。じゃあ行くか」
「了解」
ロンド=ベルの面々はすぐにマドラスを発った。そしてモルジブでの戦いに向かうのであった。その中に我儘なお姫様まで抱いて。

第百十四話完

2006・9・14  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧