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空白期(無印~A's)
第二十六話 裏 なのにっき
これは、高町なのはの日記から一部抜粋したものである。
8月××日
今日から、ショウくんといっしょに魔法世界に旅行。うれしい! でも、黒もいっしょなのが気に入らない。
それでも、自称親友もバケモノもいないので、黒ぐらいはがまんしようと思う。なにより、ショウくんといっしょの時間は今までよりも増えるのだから。朝も昼も夜もいっしょ。
考えただけで楽しくなる。
魔法世界までは、すぐについた。乗り物には乗らずに転移魔法ですぐについた。もしも、飛行機みたいなものに乗るんだったらショウくんの隣に座ろうと思っていたのに残念。
晩ご飯を食べた後にショウくんと魔法の練習をした。私とショウくんだけの時間。この時間が大好きだ。でも、途中で、ショウくんが、私の魔法を見て、「そんなことはできない」って言った。
そんなはずない。ショウくんは何でもできるのだから。みんな、みんな、ショウくんは何でもできるってほめている。私もそう思う。だから、私にできて、ショウくんにできないことなんてない。そんなはずない。だから、私はショウくんに「ショウくんなら絶対できる」って応援した。うん、ショウくんができないはずないんだから。
でも、ショウくんが私よりも魔法が上手になったら、私はどうなるんだろう? ショウくんにとっていらない子になるのかな?
そんなことないっ! ショウくんはずっといっしょだって約束してくれたから。でも、ずっといっしょでも何もできないのはいやだ。だから、私も魔法をがんばろう。いつかショウくんもできるだろうけど、できるだけ追いつかれないように。
その後、ショウくんといっしょにおふろに入った。初めていっしょにおふろに入った! サーチャーで何度か見たことあるけど、それでもいっしょに入るのは、初めて。だから、わくわくした。おふろでは、おたがいの背中を洗いっこした。黒いのが、やってるのを見てうらやましかった。でも、私もできたからよかった。ショウくんから洗ってもらうのは気持ちがよかった。
でも、ショウくんどうしてずっと目をつぶってたんだろう?
寝る前、なんとっ! ショウくんがいっしょにねようとさそってくれた。黒いのもいっしょだったけど、そんなことは関係なかった。ただただ、ショウくんといっしょにねれるのがうれしくて、夢じゃないかと思った。でも、夢かと思ってにぎったショウくんの手は、とても暖かくて、私に夢じゃないと教えてくれた。この手の暖かさを感じながらねれるなんて、私はきっと幸せ者だ。
おやすみなさい。ショウくん。
8月○×日
今日は、魔法の初心者こうしゅうに行った。午前中は学校みたいに授業を受けた。知っていることばかりだったけど、約束みたいなのがいっぱい書かれていた。となりに座ったショウくんは、がんばって、ノートに色々書いていた。私もショウくんを見習って、がんばってノートにたくさん書いた。
午前中の授業が終わる前に魔力の測定をやった。みんな、自分の魔力がBだった、Cだったって話してるのを見て、テストの後のみんなの会話を思い出した。私も、そういう風にテストの答えあわせをやりたかったけど、間違ってるところを言うのが怖かったから、そんな風に会話した事がなかった。でも、魔力ならできる。
だから、ショウくんが計測した後、私もはやく計測してもらって、ショウくんと一緒にランクの話をしたかったのに、お姉さんが何度も測定させた。早くショウくんとお話したいのに。だから少し怒って「まだなの?」といったら、今まで先生をやっていた大人の人が「Sプラスランク」だって教えてくれた。
周りの人たちがなんだか、騒いでいたけど、関係ない。私は、ショウくんに私のランクを言ったのだけど、ショウくんは、少し困ったような表情をしていた。私、何かしたのかな?
午後からは魔法を使った授業だった。でも、魔力を出すことなんて、私もショウくんもできる。先生に言ったら、同じグループの人を教えてくれって、言われた。ショウくんは、私に女の子を教えるように言ったけど、どうやればいいんだろう? 初めて見る女の子たち。なんていったら良いのかな? 分からなかった。ショウくんだったら、きっと上手に話しかけられるんだろうけど、私にはできない。
どうしよう? と考えて、ずっと女の子たちを見ていたら、ショウくんが来た。男の子たちはどうしたんだろう? ショウくんから、どうしたの? って聞かれたけど、なんて言っていいのか分からない、なんていえなくて、黙っていたら、女の子たちから話しかけてきた。
その後は、ショウくんが女の子たちに魔力の使い方を教えていた。手を握られて、うらやましいと思ったけど、これも練習なのでがまんした。でも、女の子がショウくんと仲良くするのは気分がよくなかった。だから、仲良くできないように私もがんばって相手をした。
終わった頃には、ショウくんは疲れていたけど、どうしたんだろうか?
8月○○日
あいつら、絶対許さない。ショウくんに魔法で攻撃しようとしたやつらがいた。
ショウくんが言うからやめてあげたけど、注意だけはしておいた。今回はショウくんがいうから何もしないけど、次は絶対に許さない。やつらが何をしたかを同じようにアクセルシュータをぶつけてやる。
でも、ショウくんは優しすぎる。だから、私が助けてあげないとっ! あの魔女の時みたいには絶対させない……。
8月△△日
私は今日という日を絶対に忘れない。
今日はデパートに買い物に行った。ショウくんと二人だけで。お兄ちゃんも付いてきたけど、途中でどっかに行っちゃった。私としては、うれしいかぎりだ。これで本当にショウくんと二人だけだったから。
途中で、ショウくんはアクセサリーを二つ買っていた。聞いた見てたら自称親友の金髪とバケモノの分らしい。ショウくんを騙すようなやつと襲うようなやつにプレゼントなんていらないのに。ショウくんは何でもできるけど、やっぱり優しすぎる。
ショウくんは、私にもプレゼントを用意してくれた。うれしいっ!
中身は大きなリボンだった。魔法がきいているのか、大きいけど軽いものだった。ショウくんがくれた初めてのプレゼントっ! 絶対に大事にする。本当は、机の中に仕舞っておくのもいいかな? と思ったけど、ショウくんからのせっかくのプレゼントなのだ。ちゃんと使おう。
レイジングハートが、保護魔法をかけるか? と聞いてきたけど、やめた。だって、魔法をかけてしまったら、それはショウくんからもらったプレゼントじゃなくなるから。魔法+ショウくんのプレゼントになってしまうから。私が欲しいのはショウくんのプレゼントだけだ。だから、魔法は使わない。
ずっと、ずっと、ずっーーーーーっと大事にしようと心に決めた。
でも、うれしかったのは、そこまでだった。
テロリストの人たちが、デパートにいたからだ。なんだか、奇妙な結界がはられてたけど、こんな結界ぐらいなら、問題なく魔法が使えて、テロリストなんて、簡単にやっつけられたけど、ショウくんが様子を見ようというから、何もしなかった。
でも、それは間違いだった。ショウくんが言うから、なんて考えなければよかった。あの銃がショウくんを傷つけるかもしれないのだから。ショウくんを危険な目に合わせるかもしれなかったのだから。
実際、その後、ショウくんの提案で、テロリストたちを倒した後、同じ人質の中に隠れていたテロリストにショウくんは撃たれた。しかも、3発も。
最初見たときは、ショウくんが死んでるかと思った。そのぐらい、血が流れていた。レイジングハートも「遅すぎた」なんて言うから。
ショウくんがいなくなっちゃったら、この世界に意味なんてない。あるわけない。ショウくんがいるから、ショウくんがずっといっしょににいてくれるから、幸せだと思えるのだから。だから、ショウくんがいない世界に意味はない。ショウくんが助かるのなら、もう一度、お話をしてくれるなら、ショウくんがもう一度、名前を呼んでくれるなら、なんだってするつもりだった。
ショウくんは、レイジングハートがジュエルシードを使って助けてくれたけど。
あと、許せないのはテロリストたちだ。ショウくんを傷つけるなんて、最低だ。そんなやつらゴミ以下だ。だから、もう二度と、こんな事ができないように、ショウくんを傷つける事ができないように念入りに潰しておいた。
銃を持っているやつらは、ちゃんと二度と銃がもてないように指も、手の甲も、腕も潰したし、私の前に立てないように、魔力に対して恐怖するようにしておいた。これで、あいつらはもうショウくんに近づくことも傷つけることもできない。だって、私はショウくんとずっと一緒にいるのだから。
8月○△日
ジュエルシードで回復していたショウくんが目を覚ました。撃たれたところで、傷になるようなことはなかったようだ。よかった。
ショウくんが笑ってくれる。お話してくれる。褒めてくれる。ずっと一緒にいてくれる。私の名前を呼んでくれる。しかも、頭まで撫でてくれた。
――――ああ、私は間違いなく幸せだ。
後書き
短くてごめんなさい。
三択さんからの指摘で、補完的な意味合いです。つぎはA's編が始まります。
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