対決!!天本博士対クラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百二十九話
第五百二十九話 楽しくしてみて
華奈子も美奈子も楽しんでモーツァルトについて調べる、つまり勉強していくことにした。その結果面白いことがわかった。
華奈子がこう美奈子に言うのだ。
「モーツァルトの音楽って聴いてるとそれだけでね」
「楽しくなるのよね」
「美奈子はずっとフルートやってたからモーツァルトは知ってると思うけれど」
「知ってはいるわ」
美奈子の返答は限定的なものだった。
「前からね。けれどね」
「けれどっていうと」
「楽しんでいたかっていうと」
美奈子は首を傾げさせていた。華奈子に比べてそうしたことをすることは少ない為中々レアな姿ではある。
「そうじゃなかったの」
「じゃあただ調べて?」
「そう、演奏するだけのね」
そうした感じだったというのだ。
「そういうのでしかなかったから」
「面白くなかったのね」
「少なくとも楽しんではなかったわ」
「そうだったの」
「うん、今とは違って」
美奈子は今の自分とこれまでの自分も比較していた。そうして自分を見詰めながら華奈子に話すのだった。
「楽しんではなかったわ」
「けれど楽しむと」
「かえってね」
どうなるかというのだ。
「頭にも入るわね」
「そうなのよね。楽しんでるとね」
「覚えやすいし忘れないし」
ただ調べたり勉強するよりもだというのだ。
「いい感じよね
「本当にね。あたしも前よりね」
「覚えられるのね」
「それで忘れないわ」
「元々華奈子って記憶力いいけれど」
これまでは成績は今一つだったが筋はよかったのだ。だから今成績があがってきているのだ。
「これまで以上になのね」
「うん、覚えられるわ」
「いいことね。じゃあお互いにね」
「うん、お互いにね」42
二人で笑顔で言い合ってだった。
「楽しくやっていこうね」
「モーツァルトも他のことも」
「魔法もお勉強のことも」
「運動のこともね」
「美奈子も運動楽しんでね」
「そうするわね」
運動は苦手だがそれでもだ。美奈子は笑顔で華奈子に答えた。
第五百二十九話 完
2012・10・2
ページ上へ戻る