対決!!天本博士対クラウン
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第百二十五話
第百二十五話 ゴッキローチなくとも
ゴッキローチ達が全部消された天本博士。しかし全く動じた様子はない。
「それならそれじゃ」
「全然平気なんですね」
「ほんの余興じゃ」
小田切君にも余裕の顔で返す。
「ゴッキローチなんぞな。本番はこれからじゃ」
「これからなんですか」
「左様。カードは何枚でもある」
本当にあるのだからこの博士は恐ろしいのであった。
「幾らでものう。さてとじゃ」
「諦めないんですね」
「諦めたらそれで終わりじゃ」
諦めが悪くてしかも非常に気紛れなのがこの博士である。つまりどうなるかは全くわかりはしないというわけなのだ。
「じゃからわしは諦めぬぞ」
「そうですか」
「さて、小田切君よ」
博士は平然とそのタキシードの裏ポケットから何かを出してきた。
「早速一枚切るぞ」
「何を出すんですか?」
「改造人間はもう使った」
それはもう使うつもりはないということであった。
「さて、だからじゃ」
「ロボットでも出すんですか?」
「そのつもりじゃが」
見れば出してきたものは何かのリモコン装置であった。どう見てもタキシードの裏ポケットに入る大きさではなかったがこの博士に関しては考えても無駄なことである。
「鉄人を使うつもりじゃよ」
「鉄人っていうと」
小田切君には心当たりがあった。
「あれですか。ビルの街や夜のハイウェイでガオーーーーーーッっていう」
「古い歌じゃのう」
「けれど二十八番じゃないですよね」
「わしは人真似はせん」
少なくとも独創性はある博士である。
「それにじゃ。かつての宿敵日本軍を凌駕せねばならんのじゃぞ」
「そういえばあれ日本軍の兵器でしたね」
実はそうなのである。
「それで博士、その鉄人っていうのは」
「只の鉄人ではない」
普通の破壊兵器を作る博士ではないのだ。
「わし以外の誰もコントロールできんのじゃ」
「あのスティック二つで怪しい電波出して動くものじゃないんですね」
「だから遥かに凄いものじゃ」
胸を張ってさえいる。
「まあ見ておれ。どう凄いのかをな」
「じゃあ見せてもらいますね」
少し投げやりな感じの小田切君の返事だった。
「その鉄人」
「うむ。さあ出るのじゃ、鉄人よ」
「ガオオオオオオオオオオオオオン!!」
出て来たその瞬間にまたしても街を破壊していく。またまた焦土になっていく街であった。
第百二十五話 完
2008・8・21
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