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久遠の神話

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第四話 中田の告白その十四


 しかしだ。それでもだ。そうした飲み方をすればどうなるかは自明の理でありだ。ドイツでは痛風が国民病になっているのだ。
 それでなのだ。上城の母方の祖父もなのだ。
「そうなってから泣いても遅いわよ」
「だから今のうちから」
「気をつけなさい」
 くれぐれもといった口調だった」
「わかったわね」
「うん、よくね」
 上城は真剣な顔で母の痛風の話に頷いた。
「そうするよ」
「十代から気をつけないとね」
「病気は若いうちから」
「気をつけないといけないから」
 こうした話をしてなのだった。
 上城は今はスパゲティと白い御飯だけを食べそこから風呂に入り勉強して休んだ。それをして終わらせたがそれでもだ。戦いのことは常に頭の中にあったのだった。
 それでだ。次の日の朝にだ。一緒に登校する樹里にだ。
 難しい顔になりだ。昨夜のことを話そうとした。しかしだ。
 それより前にだ。彼女はこう彼に言ってきた。
「あのね」
「あのねって?」
「今日の放課後ね」
 その時にだ。どうかというのだ。
「ほら、あの大学の留学生の人から」
「ああ、銀月さんに」
「あの人から連絡があったのよ」
「連絡!?」
「昨日お家の玄関に入ろうとしたその時にね」
 まさにだ。その時にだというのである。
「たまたま銀月さんが私の家の前を通り掛かって」
「あの人の部屋って君の家に近かったの?」
「そこまではわからないけれど」
 だがそれでもだとだ。樹里は首を捻りながら上城に話す。
「会ってね。それでね」
「それでなんだ」
「今日の放課後。会いたいって言ってきたのよ」
「君だけじゃなくて僕も」
「そう、上城君も」
 そのだ。彼もだというのだ。
「二人で来て欲しいって」
「一体何なのかな」
「そこまではわからないけれど」
「二人で来て欲しいっていうんだね」
「そうなのよ。おかしいわよね」
「どういうことかな」
 上城もだ。首を捻りながらだった。
 そのうえでだ。こう言うだけだった。 
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