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久遠の神話

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第二話 銀髪の美女その九


 彼は聡美を見ながらだ。その彼女に話した。
「そういえばそんな感じですね」
「おわかりになられるのですか」6
「何となくですが」
 わかるというのだ。
「それでなんです」
「そうですか。実は私も」
「銀月さんも?」
「わかることがあります」
 上城を見て。そのうえでの言葉だった。
「貴方のことについて」
「僕のことがですか」
「はい、わかることがあります」
 こうだ。その上城を見ながら話すのだ。
「貴方は剣道をされていますね」
「そうですけれど」
「この国の剣道をですね」
「はい、今もこれが終わってから」
 するというのだ。その剣道をだ。
「そのつもりです」
「そうですね。そしてです」
「そして?」
「そのことが」
 まだ彼を見ている。そうしてさらに話すのである。
「貴方を大きなことに導くでしょう」
「剣道をしていることがですか」
「もっと言えば剣道をしていること」
 聡美はさらに言う。
「そのこともまた」
「剣道をしていることが」
「運命ですから」
「剣道をしていることが運命なんですか」
「遥かな時代より」
 話は遡る。そこまでだ。
「それは決まっています」
「僕が剣道をしていることが?」
「貴方はこの時代のこの国でもまた」
 聡美の顔が変わった。悲しむものに。
 そしてその悲しむ顔でだ。さらに話す彼女だった。
「貴方は闘い続けるのですね」
「?さっきから何を言ってるんですか?」
 彼女のその話を聞いてだ。樹里は。
 首を捻ってだ。こう聡美に尋ねた。
「あの、剣道とか運命とか」
「あっ、それは」
「確かに上城君は剣道をしてますけれど」
 それは間違いないというのだ。確かだとだ。
「けれど。それに運命って」
「よくわからないよね」
「傍から聞いてもね」
 そうだとだ。上城自身も言う。
「よくわからないよね」
「どうもね」
「あっ、それは」
 二人の話を聞いてだ。それでだった。
「何でもないです」
「何でもないって」
「そうなんですか?」
「はい、何となくそう思っただけで」
 あくまでそれだけだというのだ。
「気にされないで下さい」
「ならいいですけれど」
「そうよね」
 そうは聞いてもだった。
 二人はどうもだ。わからないという顔になってだ。
 そのうえでだ。聡美にあらためて話す。
「妙に気になりますけれど」
「本当に何もないんですか」
「はい、ないです」
 そうだというのだ。
「特に別に」
「ならいいですけれど」
「それなら」
 二人も釈然としないがそれでもだった。
 聡美がそう言うのならいいとしてだ。頷くのだった。
 そんな話をしているうちに取材も終わってだ。それでだった。
 二人は聡美と別れ大学から高等部に向かう。その中でだ。 
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