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久遠の神話

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第二話 銀髪の美女その一


                    久遠の神話
                  第二話  銀髪の美女
 登校した上城にだ。クラスメイト達が声をかける。
「おい、聞いたか」
「昨日凄いことがあったんだよ」
「昨日って?」
 それを聞いてだ。彼もふと目を動かした。
 そのうえでだ。こう彼等に尋ねた。
「昨日何かあったの?」
「何かな、急に道の木が燃えてな」
「真夜中にな」
「真夜中に木が?」
 それを聞いてだ。上城は眉を顰めさせた。
 そしてそのうえでだ。彼等にまた尋ね返した。
「放火とか?」
「そうみたいだな。おかしな放火魔だよな」
「家じゃなくて木を狙うなんてな」
「おかしいだろ」
「おかしいね」
 実際にそうだとだ。彼も言った。
「っていうか真夜中になんだ」
「朝通勤の人が見て騒ぎになったんだよ」
「それまであった木が急に燃えててな」
「しかも何本もな」
「聞けば聞く程おかしな話だね」
 また言う上城だった。
「一体誰がやったんだろうね」
「なっ、おかしいだろ?」
「変な放火魔もいるよな」
「しかもどうやって燃やしたのかもまだわかってないんだよ」
 ライターなりマッチなり。そして油や火薬さえもわかっていないというのだ。
「本当に自然に燃えたって感じでな」
「こんな放火ってないらしいんだよ」
「そうだね。普通はないね」
 それはその通りだとだ。言わずともだった。
「そんなのって」
「おかしな事件だよ」
「そんな話もあるしな」
「後な」
 ここで話が変わった。その話は。
「大学に凄い奇麗な人がいるぜ」
「そうなんだ」
 その話にはだった。上城は今一つの反応を見せた。
「まあいるよね。そういう人も」
「おい、反応薄いな」
「彼女いるからかよ」
「勝ち組の余裕かよ」
 周りがそんな彼にやっかみ半分で言う。
「やっぱり花持ってると花の話聞いても余裕だな」
「いいね、この」
「羨ましい奴だよ」
「ま、まあそれはね」
 そのやっかみの言葉にだ。上城自身もはにかんでしまった。それからだ。
 彼にだ。最初に話を出したそのクラスメイトがこう話した。
「それでその美人さんな」
「ああ、大学の」
「どういう人なんだよ」
「ギリシアからの留学生なんだよ」
 まずは国籍から話される。
「そこから来た人でな」
「ああ、ギリシアっていうと」
「あの神話で有名な国だよな」
「オリンピックとかな」
「あの国だよな」
 皆ギリシアについての話をはじめた。その話からだった。
「あの国からの人なんだ」
「じゃあ外人さんか」
「だよな、絶対に」
「ああ。銀髪で目が緑色でな」
 次は外見的な特徴から話される。 
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