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戦国異伝

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第六十話 四人衆帰順その二


 立ち上がりそうしてだ。三人に告げた。
「よいな。では行くぞ」
「うむ、そうじゃな」
「既に信長殿の器量はわかった」
「それならばな」
 こうしてだった。四人はすぐにだ。安藤の屋敷からだ。
 自分達で清洲城に向かいだ。信長に面会を願い出た。
 そのことを足軽達から聞いてだ。平手がいぶかしみながら言った。
「まさかあの三人が自分達から来るとは」
「思われませんでしたか」
「平手様も」
「織田につくとは思っておった」
 以前より織田家が誘いをかけていた。それならばだ。
 しかしだ。自分達で来ることはだというのだ。
「しかしそれでもじゃ」
「あの方々が御自身で、です」
「来られました」
「間違いなくです」
「影武者を送る意味もない」
 若しそういう存在がいてもだというのだ。
「それなら文を送ってくればいいだけじゃ」
「ではあの方々がやはりですか」
「御自身で来られたのですか」
「織田家に入ることを」
「そうじゃ。間違いない」
 まさにそうだとだ。平手は言った。そうしてだ。
 彼は足軽達にだ。こう告げた。
「四人を通せ」
「そうしてですか」
「殿に御前にですか」
「あの方々を」
「うむ、わしも同席する」
 平手は自分もだと言う。
「あの四人の考えを見極めたい」
「だからですか」
「平手様も殿と共にですか」
「あの方々と会われますか」
「では殿にはわしからお伝えする」
 また言う平手だった。
「よいな」
「はい、では我等はまた」
「それぞれの持ち場に戻ります」
「そうさせてもらいます」
「そうしてくれ。ではな」
 こう話してだった。平手はだ。
 実際に自分から信長にだ。このことを話したのである。
 話を聞いた信長はだ。楽しげに言うのだった。
「ほう、四人衆が自らか」
「はい、この清洲に来ました」
 まさにそうだとだ。彼は主に話す。
「それでどうされますか」
「決まっておる。会うぞ」
 信長は平手にすぐにこう言った。そうしてだ。
 彼にだ。こうも告げたのである。
「清洲におる家臣達も集めよ」
「ではその者達と共にですか」
「四人と会う」
 そうするというのである。
「いつも通りな」
「はい、では他の者達も集めましょう」
 こうしてだった。平手と他の家臣達を並ばせそのうえでだ。信長は上座に座りそのうえでだ。安藤達四人衆と会うことになった。
 まずは四人がだ。信長に頭を垂れる。それから言うのだった。
「我等四人織田家の末席に加えて頂きたく参上しました」
「それでここに来ました」
 そうしたというのである。
「願わくば我等をです」
「どうか織田家に」
「ふむ。そうか」
 それを聞いてだ。信長はだ。
 こうだ。確かな声で言うのだった。 
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