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久遠の神話

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第十八話 教師その三


「それから今に至りますからね」
「その頃二十代にしてもだよな」
「九十代になるよな」
「ああ、絶対にな」
 話を聞いた彼等も言っていく。
「じゃあ百二十っていうのも」
「本当なのかな」
「私も博士の詳しい年齢はわかりません」
 高代にしてもだ。そうだというのだ。
「ですが百歳を超えているのは間違いない様です」
「やっぱり仙人じゃないのか?」
「そうかもな」
 この考えに至る彼等だった。その彼等にだ。
 高代はだ。教壇からこうも話すのだった。
「それに博士は英語だけでなく他の言語も教えられますし」
「あれっ、英語の先生だったんですか」
「じゃあ先生も」
「はい、教わりました」
 高代は実際にだ。博士の教え子だったというのだ。
「英語の他にもフランス語にドイツ語にロシア語に中国語にスペイン語にタイ語に。他にも色々と教えられる人で」
「凄いですね、それって」
「伊達に長生きしてる訳じゃないんですね」
「博士号も幾つもあります」
 言語だけに留まらないというのだ。
「そっちも無数に持ってますから」
「やっぱり仙人なんですか」
 生徒の一人がこう高代に問うた。
「博士は」
「正直に言います」
 真面目にだ。高代はその生徒の問いに答える。表情もそうなっている。
「先生もかなり疑っています」
「ですよね。百歳でその学識って」
「本当に仙人でも不思議じゃないですよ」
「下手したら何千年と生きてるとか」
「そういう人なんじゃ」
「持っている文献も各国の実に古いものが多くあります」
 高代はこのことも話す。博士の持っている文献についても。
「その中にはパピルスや粘土板で書かれたものもあります」
「古代エジプトやメソポタミアですか」
「そんなものまで」
「他にも木簡もありますし」
 古代中国のものもだというのだ。
「とにかく様々な資料も持っている方なので」
「本当に何者なんですかね」
「その博士って」
 この学園の謎は多いがその中でもだ。博士はとりわけそうなのだった。そしてだ。
 授業の後でだ。彼等はまた話すのだった。
 その中でだ。上城はこう言った。
「その博士ならね」
「ああ、仙人ならか」
「どうだっていうんだ?」
「やっぱり何でも知ってるのかな」
 言うのはこのことだった。
「そうした人なら」
「どんな言語も教えられてしかも博士号も無数に持ってるんだよな」
「じゃあやっぱりそうじゃないのか?」
「それこそ知らないことないんじゃないのか?」
「仙人だからな」
 それに故にそうではないかとだ。クラスメイト達も彼に話す。
「だったらそれこそ何でもだろ」
「魔術でも錬金術でもな」
 一人が何気なくこうしたオカルトにも話を向けた。
 そうしてだ。彼はさらに言うのである。
「あと古代のこととかな」
「古代って?」
「ああ、だから大昔のことだよ」
 その彼は何気なくだ。上城に話す。しかしだ。
 上城はその話を聞いてだ。その眉を急に顰めさせた。そうしてだ。
 そのうえでだ。その彼に問うたのである。
「大昔っていうとギリシアとか?」
「ああ、そこだってそうじゃないのか?」
 何気なくだ。その友人は応える。 
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