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久遠の神話

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第八話 二人の剣士その十


「ですから」
「そうか。それはわかった」
「君達の考えはね」
 二人は中田と上城の返事を聞きだ。頷いた。
 それを見てだ。中田はあらためて二人に尋ねた。今度は彼の番だった。
「で、あんた達はどうするんだい?」
「我々か」
「我々の答えか」
「ああ、俺達の考えは言ったぜ」
 彼は剣を持っている相手とだけ戦う、上城は戦わない。そのことをだ。
 このことを話したうえでだ。彼等はどうするかと問うたのだ。
「じゃあ後はあんた達だよ」
「制服を見てくれるか」
「俺達の」
 二人はこう中田と上城に言った。
「我々は自衛官と警官だ」
「国民を守ることが仕事なんだ」
「そして無益な争いを止める」
「そのことも言わせてもらうよ」
「ってことはだ」
 ここまで聞いてだ。中田が最初に言った。
「戦わないってことか」
「そう。我々の任務は剣士同士の戦いについて調査し終わらせることだ」
「それが仕事なんだ」
「そうか。そういえばお互いに争う剣士がな」
 二人を見ながらだ。中田はさらに話す。
「一緒にいるしな」
「君達と同じく」
「そうしているね」
「それだけ見ればわかることだったよな」
 少し苦笑いを浮かべてだ。中田は笑って言った。
 そしてだ。また彼等に尋ねた。
「で、時間あるか?」
「我々の任務の詳しい目的」
「それを聞きたいんだね」
「あんた達のこともよくな」
 それもだというのだ。
「御互い剣士としてな。どうだい?」
「わかった。では場所を変えよう」
「港で話すのも何だしね」
「そうですね」
 聡美がだ。四人のところに来た。
 そしてだ。その彼等に言ってきたのだった。
「御互い戦われることもないですね」
「君は」
「中田さんと上城君の友人です」
 そうだとだ。工藤の問いに答えてだった。
「銀月聡美といいます」
「銀月さん。学生かな」
「はい、そうです」
 また工藤の問いに答えて。そうしてだった。
 一礼してからだ。あらためて言ったのだった。
「宜しく御願いします」
「うん、それじゃあ」
「こちらこそ」
 工藤だけでなくだ。高橋も挨拶をする。二人は帽子を被っているので敬礼だった。ただしその敬礼もだ。二人それぞれでだった。
 違っていた。それに気付いたのは樹里だった。彼女も来たのだ。
 そうしてだ。彼女は二人に言った。
「私は村山樹里といいます。上城君と同じ高校に通っています」
「そう。村山さんか」
「宜しくね」
 二人は樹里にも敬礼をした。その敬礼を見てだ。
 二人にだ。樹里は言った。
「御二人の敬礼は」
「ああ、違うっていうんだね」
「そのことだね」
「はい、何か工藤さんですよね」 
 工藤を見てだ。その名前と顔を確認しながら言ってだった。
「工藤さんの敬礼は狭くて」
「そして俺の敬礼はだね」
「はい、広くなってますよね」
 実際に樹里もその敬礼をそれぞれしてみる。見れば工藤の敬礼は肘を畳んで狭くさせている。高橋は肘を広くさせている。
 それぞれしてだ。樹里は言うのである。 
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