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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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閑話4 決闘と死神


「諸君!決闘だ!!」

ギーシュのその言葉は回りは熱狂に近い歓声を上げていた。闇慈は貴族たちもこんな事が好きなのかと心で疑問を抱いていた。

「ホント。楽しませてくれるわね」

そこにはキュルケの他に彼女と仲の良い青髪で無口な少女『タバサ』も来ていた。

「ねえ、タバサ。あなたはどっちが勝つと思う?」

「・・・興味ない」

と言って再び手に持っていた本を読み始めた。シエスタも闇慈の事が気になったのか、観戦に来ていた。ルイズも少し離れた所から闇慈を見守っていた。

「逃げずに来たのは褒めてやろう」

「あんなに啖呵を切っておいて逃げたら男じゃない。そして知ると良い。あのゼロのルイズが何を使い魔にしたのかを」

「ふん。なら始めようじゃないか!!」

そう言うと持っていたバラの花弁が一枚離れ、地面に落ちるとそこから人並みの大きさ『ゴーレム』が出てきた。

「僕は『青銅のギーシュ』。よって青銅のゴーレム・・・『ワルキューレ』がお相手しよう」

「あ~あ。ギーシュの奴。平民相手に何本気になっているだ?」

「あの平民・・・下手したら死ぬぞ」

周りのギャラリーはそんなことを呟いていたが、闇慈にはどうでも良いことだった。
そう思っている間にワルキューレが青銅の重さなど関係ないかのように素早く、闇慈の懐に入り込み、左のパンチを鳩尾に入れ込もうとした。しかし・・・

「遅い・・・」

闇慈はそのパンチを左手でずらすと、そのままワルキューレの後頭部を掴んで思いっきり、地面に叩きつけた。そのワルキューレはそのまま動かなくなり、コナゴナになった。

「こんなものか?」

「ふ、ふん。少しはやるみたいだね。ならこれはどうかな!?」

今度は一体だけでなく、六体のワルキューレを出現させると、闇慈の周りを取り囲んだ。

「さあ・・・行け!ワルキューレ達よ!!」

ギーシュの掛け声と共にワルキューレ達が一斉に闇慈に飛び掛った。しかし闇慈は動こうとしなかった。

「あ、危ない!!」

ルイズは叫び声も空しく、ワルキューレ達は闇慈に鉄拳を当てるかのように飛び掛り、それに伴って闇慈の姿が完全に見えなくなった。

「ア、ア、アンジー!!」

「アンジさん!!」

ルイズとシエスタの悲観の声が決闘場に木霊した。

「やれやれ。僕も大人気ないことをしたものだな。ルイズの使い魔君。聞えているなら、僕にこう言ったら許してやろう。ごめんなさ・・・」

ギーシュが言い切ろうとした瞬間、闇慈に掴みかかっていたワルキューレ達が一斉に吹き飛び、何かが空に飛び出した。そしてそこには闇慈の姿がなかった。

「何だ!?居ない!?」

「あの平民は何処に行ったんだ!?」

ギャラリーは闇慈を見失っていた。それはギーシュも例外では無かった。そしてここで羽ばたきの音が聞えてきた。そしてギャラリーはその羽ばたきの音源に釘付けとなった。

大空に羽ばたいていたのは、背中から大きな漆黒の翼を生やしていた銀髪の一人の人間。そしてボロ衣のマントを羽織り、真紅の眼でギーシュを見ていた。そしてとても印象があったのは人間なんか簡単に一刀両断出来るほどの漆黒の『大鎌』。そしてその人物はゆっくりと地面に降り立ち、その大鎌を右肩に担いだ。

「中々の陣形だったが、もう一つ足りなかったみたいだな」

「な、何だその姿は!?君は・・・平民ではなかったのか!?君は一体何者なんだ!?」

「俺か?俺は・・・死神だ!!」

その言葉に周りのギャラリーは騒然とし始めた。

「死神ですって!?」

「『魂の管理者』で『死の象徴』と言われている!?」

「その死神をあのゼロのルイズが召喚したの!?」

「ちょっと怖いけど・・・銀色の髪がなびいててカッコイイかも」

ギャラリーはそれぞれの感情を言葉に表しながら、呟いていた。

「そんなバカな!?ルイズが死神を使い魔になんて・・・僕は認めない!!」

そう言うとギーシュは再びワルキューレを召喚すると一斉に闇慈に突撃させたが、闇慈は一体一体、デスサイズ・ヘルを操り、手傷負わずに斬り裂いて行った。斬られたワルキューレ達はバラバラにはならずに、そのまま霧散してしまった。あまりの強さにギャラリーは闇慈に釘付けになり、キュルケとタバサもその姿に見とれていた。

「僕のワルキューレが・・・霧散してしまった。やはりその鎌も『死神の鎌』!!」

やられまいと再び召喚しようとするが、闇慈は一瞬でギーシュとの距離を縮め、首元にデスサイズ・ヘルの刃を突きつけ、真紅の眼でギーシュを威圧し始めた。それにギーシュは腰を抜かし・・・

「ま、参った・・・」

降参の声を上げた。それに伴い大きな歓声が広場に響き渡った。それを聞いた闇慈はデスサイズ・ヘルを消し、ギーシュと向き合った。

「君が死神だったなんて・・・」

「お前の敗因は自分の実力不足でもあるが、人を見下している間は自分の成長は止まる。覚えておくことだ」

「アンジ!!」

ここでルイズが一番先に闇慈に近寄った。ルイズは闇慈が怪我をしていないかと闇慈の身体をあちこちと見回していた。

「怪我・・・してないの?」

「勿論。ルイズはさっき言ったでしょ?『怪我しないで』って。それはちゃんと守ったでしょ?」

「そ、そうね」

そう言うと闇慈はもとの人間の姿に戻り、ルイズと一緒に部屋に戻ることにした。しかしその間にギャラリー・・・特に女子生徒の視線が闇慈にとってはきつかったみたいだ。
 
 

 
後書き
ギーシュが呆気ないように感じたかもしれませんが申し訳ありません!!

この話で閑話は終了したいと思います!!次回からは本編に戻ります!!

もし続きが見たいという事があれば、別の本で投稿して行きます!!

では、ありがとうございました!!
 
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