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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第四十一話 吸血鬼


「何だよ・・・これ」

「いや・・・僕に聞かれても分かんないよ、イッセー」

授業参観の翌日。オカルト研究部の部員たちは部室、つまり旧校舎の一階に来ていた。因みに何時も集まっている談話室は二階にある。そして今日、もう一人の『僧侶(ビショップ)』を紹介してくれるらしい。
しかし、ビショップがいるとさせる教室は、『開かずの教室』と言われているらしく。そして一番印象的だったのは・・・

「「『KEEP OUT』って・・・そんなに危ないの(かよ)・・・?」」

「そう言う意味ではないのだけど、自分から出るたり、他人に会いたがらないのよ」

「え?じゃあつまり『引きこもり』なんですか?」

闇慈の質問にリアスが続ける。

「そう言っても過言ではないわね。でもパソコンを通じて人間と契約し、対価を貰っているの。契約数では上位に入っている位よ」

「パソコンで契約を!?何だか何でもアリですね」

規格外な契約の取り方に闇慈は少し驚いているようだ。そしてリアスが教室の扉に掛かっている封印の魔法を解いた。

「さあ、入るわよ」

(いよいよリアス先輩のもう一人のビショップとご対面か・・・どんな人なんだろう?)

リアスが声をかけ、扉を開けると・・・

「イヤァァァァァァァ!」

「「っ!?」」

いきなりの大きな悲鳴が初めて見に来た四人は咄嗟に耳を塞いだ。

『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』

『な、な、何事なんですかぁぁぁぁ?』

『あらあら。封印が解けたのですよ?もうお外に出られるのです。さあ、私達と一緒に出ましょう?』

『やですぅぅぅぅぅぅ!ここが良いですぅぅぅぅぅぅ!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃっ!』

部屋の中で朱乃も優しく声をかけているようだがそれも全く意味を成していなかった。この異常なまでの反応に闇慈は冷や汗を流していた。

「これって流石に重症だと僕は思うよ」

「俺もそう思うぜ。ここにいても仕方ねえから入ってみようぜ?」

一誠の意見に残りの四人が同意し、中に入ってみると奥にリアスと朱乃がいて、更に『僧侶』らしき人物がいた。赤い目をした金髪の美少女が床に座り込んでいた。そして中の装飾はぬいぐるみなどで飾られていた。しかし・・・

「何で棺桶が置いてあるの?それに・・・」

闇慈はその『美少女』の本当の姿に気付いたのか驚きの表情を浮べた。

「おおっ!女の子!しかも外国の!!」

一誠は歓喜の声を上げていたが闇慈は現実をイッセーに話した。

「イッセー。ぱっと見では女の子だけど・・・この子。男の子だよ」

「へっ・・・?」

一誠は固まったり、何のことだか分かっていない様だったが、ここでリアスと朱乃が付け足した。

「アンジの言う通り。この子は男の子よ」

「女装趣味があるのですよ」

「えぇぇぇぇぇ!?」

「ヒィィィィィッ!ゴメンなさいゴメンなさぁぁぁぁぁい!」

一誠の絶叫と金髪美少女・・・もとい、金髪女装の絶叫が合わさった。一誠は頭を抱えてその場にしゃがみ込んだ

「こんな残酷な話があって良いものか!?完全に美少女な姿なのに男だなんて!!と言う事はあれか!?つまりこいつにもチ・・・」

「イッセー。それ以上は禁句だよ」

闇慈は最後まで言いかけそうになった一誠を咎め、途中で終わらせた。

「それにしてもアンジ。見ただけでよくこの子を男の子だと分かったわね?」

「あまり自信はなかったんですけど、魔力の波動が女の子みたいだったので。でも君はどうしてそんな格好をしているの?」

闇慈は出来るだけやさしい声で金髪女装に話しかけた。

「だ、だ、だ、だって、女の子の服の方が可愛いもん」

「可愛いもん、とか言うなぁぁぁぁぁ!クソッ!野郎のクセにぃぃぃ!俺の夢を一瞬で散らしやがってぇぇぇぇぇっ!俺はなぁ、俺はなぁ!アーシアとお前のダブル金髪美少女『僧侶』を瞬間的にとはいえ夢見たんだぞ!?返せよぅ!俺の夢を返せよぅ!」

泣き叫ぶ一誠に闇慈と小猫は一緒にツッコミを入れた。

「「人の夢と書いて『儚い』と読むよ(みます)、イッセー(先輩)」」

「アンジィィィ!!小猫ちゃぁぁぁん!!洒落になってねぇからぁぁぁぁぁ!!」

「と、ところで、この方々は誰ですか?」

金髪女装がリアスに聞くとリアスは説明を開始した。

「あなたがここにいる間に増えた眷属よ。『兵士(ポーン)』の兵藤一誠、『騎士(ナイト)』のゼノヴィア、あなたと同じ『僧侶(ビショップ)』のアーシア。そして眷属じゃない人間の『助っ人』の黒神闇慈よ」

4人は挨拶をするが、金髪女装は怖がるだけだった。

「お願いだから外に出ましょう?ね?もうあなたは封印されなくても良いのよ?」

「嫌ですぅぅぅ!!僕に外の世界なんて無理なんだぁぁぁ!!怖い!!お外怖い!!どうせ僕が出てっても迷惑をかけるだけだよぉぉぉ!!」

泣き叫んでいるが闇慈が声をかけた。

「君は男の子でしょ?こんな所に居ても何も変わらないよ?」

「変わらなく良いですぅぅぅ!!僕はここが一番なんですぅぅぅ!!」

我がままな言い様に闇慈は少し戸惑っていると、一誠が少し怒ったのかその子の腕を少し強引に引っ張った。

「部長が出ろって言ってるだろう!?」

「ちょっと、イッセー。強引だよ?」

「ヒィィィ!!!」

女装くんの絶叫と共に『何か』が部員たちを襲った。

「っ!!何だ?今の感覚は?・・・あれ?イッセー?小猫ちゃん?」

闇慈はどうと言うことは無かったが闇慈とリアス以外の部員が金縛りにあったかのようだった。言い換えれば『時間が止まっている』みたいだった。

「えぇぇぇ!?な、何でこの人は動けるんですかぁぁぁ!?」

「動ける?どういう事?」

(まさか、『停止世界の邪眼』か!?)

(えっ!?)

デスの言葉とこの状態に闇慈の疑問を持っていたがリアスがその疑問に答えた。

「その子は興奮すると、視界に映した全ての物体の時間を一定の間停止する事が出来る神器(セイクリッド・ギア)を持ってるの。でも、その子自身は神器を制御出来ないから、今まで封印されていたのよ。私は高い滅びの魔力のお陰で、恐らくアンジは死神の力・・・デスの加護かもしれないわね」

「時間停止の神器!?それってかなり反則じゃないですか!?この子は一体、何者なんですか?」

「この子はギャスパー・ヴラディ。私の眷属『僧侶』。一応、駒王学園の一年生なの。・・・そして、転生前は人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフよ」

「ヴァ、ヴァンパイアですって!?」

金髪女装・・・ギャスパーの出生と神器に驚きを隠せないようだった。
 
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