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万華鏡

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第五話 豚骨ラーメンその五


「恋愛育成ゲームやるの!?」
「それ本当!?」
「本当にそうなの!?」
「ああ、そうだよ」
 その通りだとだ。美優は笑って驚く四人に答える。
「あたしそういうゲームが好きなんだよ」
「ううん、意外っていうか」
「美優ちゃんの趣味ってそんなのだったの」
「恋愛ゲーム好きだったの」
「意外と」
「いや、意外か?」 
 四人があまりにも驚くからだ。美優は苦笑いと共に言った。
「あたしが恋愛ゲーム好きなの」
「まあちょっとね」
「美優ちゃんってさばさばしてるからね」
「恋愛とかそういうの興味ないって感じだから」
「だから」
 美優のイメージではないというのが四人の考えだった。
「ちょっとね」
「野球ゲームとか格闘ゲームが好きだって思ってたけれど
「そっちなのね」
「恋愛ゲームなのね」
「小説とか漫画でもさ」
 美優は四人にこうも言う。
「あれだよ。恋愛もの、それも純愛ものが好きなんだよ」
「恋愛系なのね、完全に」
「小説や漫画でも」
「携帯小説とかでもそうなんだよ」 
 それもだというのだ。
「やっぱり恋愛ものが好きなんだよ」
「恋愛なら何でもなのね」
「好きなのね」
「だからさ。持ってるゲームもなんだよ」 
 恋愛系ばかりだというのだ。
「よかったらやるかい?」
「ううん、じゃあ」
「それじゃあね」
「とりあえずラーメンのスープができるまではね」
「そうしたゲームして時間潰す?」
 四人共美優の話を聞いてから話す。
「今から何時間か」
「そうする?」
「じゃああたしもさ」
 美優も話に乗ってくる。
「一緒に。五人でさ」
「やる?ゲーム」
「五人で」
「ラーメンのスープは時々見るよ」
 言いながらその鍋をちらりと見る美優だった。鍋の中では入れられた豚骨や野菜がぐつぐつと煮られている。そのアクをすくいながら言うのだった。
「こうしてアクがあるとね」
「出すのね」
「そうするのね」
「ああ、じっくりと煮るからさ」 
 だからだというのだ。
「その間の時間潰しに」
「ゲームをして」
「それで時間を潰すのね」
「そうしない?お菓子だってアイスの他には」
 その他にあるものの話もする。
「クッキt−とかたけのこの里とかあるよ」
「あっ、たけのこの里あるの」
 今度は里香が嬉しそうな声をあげた。たけのこの里と聞いて。
「私あれ好きなの」
「へえ、里香ちゃんたけのこの里好きだったんだな」
「クッキーとチョコレートの組み合わせがいいから」
 だから好きだというのだ。
「それでなの」
「ふうん、成程ね」
「うん。元々クッキーとチョコレートが好きで」
「その二つが一緒になるとなんだな」
「もう大好きなの」
 好きなものが二つ合わさればそれがプラスされてだというのだ。 
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