万華鏡
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第四話 緑の葉その十
「そのせいでね」
「神社だから和風なのね」
「そう思うけれどね」
「じゃあそうなのかな」
「ええ、それでね」
景子はさらに言う。
「得意料理は卵焼きなの」
「卵焼きなの」
「あとお魚を焼くのもね」
それも得意だというのだ。
「天麩羅とかも。鍋ものとか煮るのもお浸しも得意よ」
「メニュー結構多くない?」
「けれど和食限定よ」
それが景子の料理のジャンルだった。
「洋食は作ったことないの」
「ハンバーグとかは?」
「和風ならあるわ」
その形ではあるが、というのだ。
「それでも。洋食はお母さんが作って」
「景子ちゃんはないの」
「うん、そうなの」
こう琴乃に話すのだった。
「どうしてもね」
「ううん、そうなの」
景子は和食専門だというのだ。そしてだった。
彩夏は彩夏でだ。こう言うのだった。
「私は一応どんな感じのお料理でも作られるけれどね」
「あっ、レパートリーあるの」
「そうjなのね」
「ええ。けれどね」
だがそれでもだというのだ。
「味が。辛口で」
「お好み焼きと一緒で?」
「おソースとかが強いんだな
琴乃だけでなく美優も言う。
「そうなるよね」
「あとお醤油か」
「そうなのよね。お父さん達にもよくそう言われるの」
そうだというのだ。
「ちなみに使ってるのは薄口醤油ね」
「関西だからね」
「それでか」
「そう。実は東北のお料理も作るけれど」
彩夏はここでこの地方のことも話した。そしてそれは何故かも他の四人に対して言うのだった。
「お母さんが東北、秋田の生まれだから」
「あっ、そうだったの」
「彩夏ちゃんのお母さん秋田の人だったのかよ」
「高校卒業まで秋田にいてね」
そうしてだというのだ。
「大学が八条大学で」
「それからなの」
「こっちなんだな」
「そうなの。それでお母さん時々東北のお料理作るから」
「彩夏ちゃんも作るのね」
「それでか」
「そう。ただしね」
それでもだとだ。彩夏はこのことは笑って話す。
「味付けは関西風だから」
「関西風の東北のお料理なの」
「それななんだな」
「ええ、そうなの」
こう言うのだった。他の四人に。
「それも辛い感じね」
「辛いのは。お醤油とかおソースはね」
ここで里香が言う。
「注意しないと塩分が多くなるから」
「それはわかってるけれどね」
「私も結構作れるつもりだけれど」
里香はそうだった。
「ただね」
「ただ?」
「私は彩夏ちゃんと逆で薄口って言われるの」
そうだというのだ。
「お醤油とかお酢とかあまり使ってないって」
「京都みたいな感じ?」
「そう言われるの」
こう彩夏達四人に話す。
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