ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝
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非日常の世界へようこそ・・・
~イッセーside~
俺の名は兵藤一誠だ。
再びこんな流れですまんね………。
うん? 俺は誰に言ってる? ………まさか、これが俗に言う“電波”ってやつか?!
まー、そんなことは、どうでもいいんだ。
俺の名は略して皆から“イッセー”と呼ばれている。
他の知らない男子生徒から、『アイツ、イッセーじゃね?』と呼ばれるぐらい名が知られている。
ココで皆は、『コイツ、意外と人気者?』と思うかもしれないが、それは自分でも自覚している時点でアウトだと思うが、マイナスの方の意味と捉えてくれ。
何しろ俺は女子剣道部の更衣室を覗こうとしたからな!
「………威張って言うもんじゃねぇだろ、イッセー」
「真紅狼、来てたのかよ………」
「つい、さっきな。つーか、一体誰に話しているんだ?」
「この画面の向こう側の人達だ」
「………頭が煩悩で耐えきれず、遂にイったか?」
「朝っぱらから、この親友の毒舌! ちょっと酷すぎねぇ!?」
コイツは、親友の“蒼騎 真紅狼”。
親友で、ダチだ。
ただ………唯一、断じて許せないところがある。
それは………………
「で、今日もお前は姫島先輩と恋人のように登校か?」
「そうだが? 今更な事聞くなよ。というか、恋人だし」
そう、コイツは全学年が憧れている二大お姉さまの一人、“姫島朱乃”先輩の彼氏である。
言い換えれば、姫島先輩を独り占めしてると言ってもいい!!
ちなみにもう一人も同学年の方で、リアス・グレモリー先輩だ。
髪がロングで、紅の髪をしている。
姫島先輩は、ポニテな。
「独り占めって………イッセー、それは偏屈だろ」
「うるさい! リア充め!! モテない男たちの敵め!!」
「あー、はいはい。もう勝手に言ってなさい」
相手にするのも疲れたのか、投げ出した。
ちくしょう、今に見てろ………。
その時だった。
後ろから、悪友の二人が俺に慰みの声をかけて来てくれた。
「イッセー、大丈夫か?」
「イッセーの敵は、俺達の敵でもあるからな」
声をかけて来てくれたのは、松田と元浜だった。
松田は、丸刈り頭でスポーツ少年と見えるが実際は一にセクハラ言葉、二にセクハラ言葉、三、四を飛ばして、五もセクハラ言葉と言った………ただのエロ生徒だ。
元浜はキザ男のように格好付けているメガネだ。
コイツは、メガネで女子のスリーサイズを特殊能力で把握する戦闘力を持っている。
だが、メガネが無ければ戦闘力が激減する。
松田は、俺の机の上に山積みになるぐらいエロDVDを乗せた。
教室内の女子は悲鳴を漏らす。
そして、その光景を見た真紅狼は………
「………まったくオマエ等も懲りないね、そんなモノを学校に持ってくるなんて」
呆れて物も言えないという表情だった。
「なんだ、真紅狼? お前も見せて欲しいのか?」
「いんや、朱乃がいるし、結構です」
「「「くそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
本当にコイツの口をどうにかして閉じたい!!
校庭の方で、少し騒ぎというより、静けさが突然出てきた。
俺達も覗いてみると、三年のリアス・グレモリー先輩が優雅に上品に歩いていた。
見る者全てを射止める様な美貌だった。
だが、その美貌に俺は心なしか畏怖した時、リアス先輩がこちらを捉えていた。
―――――――――ッ!
その捉えられた一瞬が怖かった。
何故だか分からないが、怖かった。そして、こちらから目を逸らし、再び校庭の方に目を向けるとすでに彼女の姿は無かった。
~イッセーside out~
~真紅狼side~
アレがリアス・グレモリーか。
“グレモリー”………どっかで聞いたことのある様な名前なんだよなぁ、どこだっけ?
そして、彼女もおそらく朱乃と同じ“人ならざる者”っぽいな。
あと、イッセーもそうなんだろうな。
感覚が告げている―――――『アレは人間ではない』と。
………一週間前ぐらいは、まだイッセーは“人間”の感覚だったから、一週間の間に何かあったな。
“人間”から“人ならざる者”に変る何かが………。
「………ようやく、物語は動き始めるか……」
さて、どうなるやら………。
取り敢えず、今日も高校生活を楽しみますか。
実は高校生活って初めてなんだよねー、元の世界では両親無くして働いていたから。
次の日………
いつもより早く学園に来てしまったので、まぁイッセーはまだいない。
すると、校庭の方から悲鳴が上がっていた。
何事かと思い、覗くと………アンビリーバボーなことが起こっていた。
あのエロ大魔神のイッセーがリアス・グレモリーと並んで歩いていた。
見た時は、『こりゃ夢かな』と思ったぐらいだ。
二人は何か話していた。その後、リアス・グレモリーがこちらに視線を向けている………。
………俺も巻き込まれそうだが、激流に身を任せるか。
そして、放課後。
イッセーの元に女子からでは『王子様』と呼ばれている木場祐斗が訊ねて来ていた。
二人が何か話し合っていた後、イッセーは立ち上がった。
すると、木場はこちらを向き、言う。
「………蒼騎くんも一緒に来てくれないかな?」
「誰からの伝言だ?」
「リアス・グレモリー先輩からだよ」
「ふむ………ま、いいだろ」
そうして、俺とイッセーは木場の後ろに着いていくと、廊下に居る女子達が叫ぶ。
「木場くん×兵藤なんてカップリングは許さない!」
「ううん、兵藤×木場くんかも!」
「違うわ! 木場くん×蒼騎くんよ!!」
心を無にするんだ。
そうすれば、耐えられる。
つーか、この学園、長い間女子校にし過ぎたから、腐ったんじゃねぇの?
心の底からそう思う。
そう思いながら案内された先は、旧校舎だった。
旧校舎と言われているが、割れている窓は全くなく、しかも埃や蜘蛛の巣すら張り巡らせていないので綺麗だと思う。
「ここに部長がいるんだよ」
木場は俺達が周りを見渡していたことを察したのか、説明するように答える。
すると、教室の掛札にこう書かれていた。
『オカルト研究部』
イッセーは困惑していたが、俺は何となくリアス・グレモリー達の存在に見当が付いた気がした。
「なるほど、『オカルト』ね。お前たちの存在が分かったよ」
「……やはり、キミは人間にしては侮れない存在だよ、蒼騎くん。いや、“ただの人間”がボク達の存在を自力で見分けること自体がおかしいな。………蒼騎くん、キミは一体何者だ?」
木場は一見優しそうな表情だが、その裏腹に鋭い双眸でこちらを睨んでくる。
「どうせ、また後で聞かれるんだ、その時に答えさせてもらおうかね」
「では、ボク達にとって良い返事だと期待しておくよ」
お前ら達にとって良い返事かどうかは、ご期待に応えられるか分からんがな。
木場が部室に入ると、最初に目に入ってきたのは小柄な体で、一年生の塔城小猫………だった気がする。
「こちら、兵藤一誠くんと蒼騎真紅狼くん」
木場が紹介すると頭を下げた後、手に持ってる洋羹を黙々と食べ続ける。
「で? 肝心の“部長”とやらはどこよ?」
『―――この声はまさか………』
なーんか、凄い聞き覚えのある声だな。
いや、まあ予想はしていたけどさ。
「あら、真ちゃん?!」
「だから、真ちゃん言うなや、朱乃」
「なんで真ちゃんがココに!?」
「人の言う事聞けよ、マジで。お前の“部長”とやらに呼び出されたんだよ」
「………どういうことなんですか、部長?」
朱乃は耳にしていない情報について、リアス・グレモリーを問いただしていた。
『悪いわね、朱乃。この子、私達の正体を見破っている気がしたの。だから、呼び出したのよ………この場で確かめる為に……ね』
「つーか、ここまで来させておいて、顔を見せないなんて失礼にあたるんじゃないんですかね、グレモリー先輩?」
すると、奥のカーテンが開いて、紅の髪を揺らしてこちらにやってきた。
「それは御免なさい。ちょっと、イッセーのお家に泊まったままでシャワーを浴びていなかったから、貴方達が来る前に上がるつもりだったんだけど………」
ふ~~ん、イッセーの家にねぇ。
俺は、黙ったままイッセーの方を見ると顔を真っ赤にしていた。
朱乃がイッセーの方を見ていたので、簡単に紹介してやることにした。
「朱乃、コイツは兵藤一誠だ。皆からはイッセーと呼ばれてる。そして、コイツは変態だ」
「ちょ、真紅狼?! なんつーデタラメ言ってんだ!?」
「じゃあ、お前はエロくないんだな? なら、今からお前の家に行って、隠してあるエロ本を全て捨ててやろう」
「すみません、俺は変態です。許してください(泣)」
「素直に認めろよ、バカ」
紹介すると、朱乃も簡単に名乗る。
「あらあら、悪いわね。私、姫島朱乃と申します。以後お見知り置きを………」
微笑みながら、イッセーに挨拶するとイッセーはたじろぐ。
なんで、お前はたじろいでいるんだ。
「それと、私は真紅狼の許嫁です」
「………今ここで言う事か?」
「言っておいた方がいいじゃない♪」
「明日から大変だナーー」
このバカは確実に言いふらすからな、こういうネタに関しては確実に。
全学年の男子生徒が俺に殺気を向けてくるな、こりゃ絶対。
「取り敢えず、簡単な紹介は終わったようだし皆座ってくれるかしら?」
リアス・グレモリーの声により朱乃や木場、塔城が座ったので俺達も座った。
そして………
「これで、全員揃ったわね、兵藤くん。いえ、イッセー。………そして客人の蒼騎くん」
「は、はい」
「・・・・・・・・・」
俺は黙って静かにリアス・グレモリーの言葉に集中する。
「私達、オカルト研究部はイッセー、あなたを歓迎するわ」
「え、ああ、はい」
「悪魔としてね」
“悪魔”………………ね。
~真紅狼side out~
――――――――――――やはりな。
後書き
コメントに困った方は真紅狼に向けて、『パルパルパルパルパルパル(ry』でお願いします。
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