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魔法戦記リリカルウォーカー

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脱走

side ユウヤ

精神病の医師が来てから一カ月程経った。

俺はその間ずっとこの施設の牢獄のような個別の部屋で筋トレをしながら情報収集を続けていた。

この施設は、患者が脱走しないようにまさに牢獄と言っていい構造になっていた。まず至る所に監視カメラがせっちされていて、そして出口は一つしかなくそこには、常に三人以上の監視員が管理しており、そこに居る監視員がその出口を唯一開ける事が出来るようになっているようだ。

そこが最大の難関である。

「ユウヤ・サトウ、カウンセリングの時間だ」

どうやらまた先生が来たようだ。

「わかった」

俺はここの警備員らしき人物の従い施設内にある、恐らくカウンセリングの為の部屋に移る。

「やあ、久しぶりだねユウヤ・サトウ君」

「はい」

「それでね君にいい知らせがあるんだ。もうすぐ君はここから出る事が出来そうだよ」

ここから出れる?そしたら俺は、どうなるんだ?殺されるのか?何もしていないのに・・・そう、何も出来ていない・・・理不尽だ。なんで、なんで俺ばっかり・・・

「ここから出たら俺は殺されるんですか?」

俺の口から思いもよらない言葉が出てきた。

「何を言っているんだねユウヤ君、誰が君を殺すんだね、そんな事は起きないよ」

「嫌だ、まだ死にたくない、死にたくない、死にたくない・・・」

「ユウヤ君!落ち着きなさい」

先生が、肩に手を置いて俺を落ち着かせようとする。だがそれは今の俺には、あまり意味がなくむしろ逆効果だった。

「触るな、俺は死にたくない!」

俺は先生の手を払いのけて、先生を突き飛ばした。

「おい、お前何をしている!」

警備員の一人が、俺の暴走を止めるためスタンガンと思わしきもので、取り押さえようとこっちに向かってきた。

俺は、その警備員のスタンガンに触れないように相手の腕を掴みそのまま背負い投げのように投げ飛ばし、その衝撃で、警備員が手放したスタンガンを拾い上げ、床に倒れている警備員の首に押し当てる。そのままその警備員は、気絶してしまった。

「カウンセリングルームで患者の一人が暴れだした、至急応援を頼む」

外に居る警備員が、無線と思われるものに向かって何か叫んでいる。ここから、聞こえないが。そんなのはどうでもいい俺は、早くここを抜けださないと・・・早くしないと殺される。

外に居た警備員の二人がこの部屋の扉を開けて、俺を取り押さえようとさっきと同じスタンガンを持って部屋に入って来る。俺はそのスタンガンを避けたり、いなしたりしながら、隙を見てその警備員にスタンガンを当て、警備員二人を気絶させて、俺はその警備員から、無線機を奪い取りこの部屋から出て行った。

「患者はカウンセリングルームから出て、東の方に向かった」

「「「了解」」」

「くそ、監視カメラのせいでこっちの動きが丸見えじゃねえか」

途中で拾った食事の時に使うナイフを構えながら、廊下の角から顔を出し警備員が居ないか確かめながら出口に向かう。

「あと少しだ」

その時に、警備員の一人に見つかってしまったが、すぐにスタンガンを首に押し当て気絶させる。その警備員を出口のところまで運び、出口の管理してる人が居る所まで行き、その気絶している警備員の喉元にさっき拾ったナイフを押し当てる。

「早くそこの扉をひらけ、じゃないとこいつを殺す!」

「待て、少し落ち着け」

「早くしろ!」

俺は少し首に押し当てているナイフを首から少し血が流れる程度に力を強める。

「わかった!わかったからやめてくれ!」

出口の扉が開き、俺は首にナイフを押し当てたまま、出口に向かう。そして出口の前で警備員を離し、俺は出口の扉をくぐる。

「俺は絶対に殺されないからな!」

この施設の地下の駐車場に行き、一台適当な車を見つけだす、幸いその車には鍵がつけっぱなしだった。おそらくこの施設内で盗む奴はいないだろうと思っていたのだろう。その車に乗り込んでアクセルを全開で踏み込み地上にある停止を求めるフェンスを、突き破りそのまま俺は逃走した。





side ジュリア

「なんですって、ユウヤ・サトウが脱走したですって!」

「はい、脱走して車で逃げていたようですが先程ユウヤ・サトウが乗っていたと思われる車が見つかりましたが、ユウヤ・サトウは見つかりませんでした」

ユウヤ・サトウが神代仁を襲うかもしれないわね。

「神代仁様に報告した方がいいかしら?」

「私の方から連絡しておきましょうか?」

「いいや、私が連絡しますからいいですよ」

「わかりました」

ユウヤ・サトウ、貴方はどこまで私を苦しめるのですか! 
 

 
後書き
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