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八条学園怪異譚

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第十六話 柴犬その二


「好きじゃないから」
「でしょ?だからね」
「半ズボンは流石にはかないわね」
「昔はブルマだったらしいけれど」
 八条学園では九十年代半ばに消え去った幻の品である。
「あれはね」
「ブルマ?性犯罪起こるわよ」
「というかブルマだったら下にはく意味ないでしょ」
 それならばだというのだ。
「まんまショーツでしょ」
「そうよね。あれだけはないわ」
「何であんな体操服だったのかしら」
 愛実は今度は首を傾げさせた。とても有り得ないというのだ。
「もう見て下さい、いやらしいこと想像してくださいって感じだったけれど」
「あれだともうはく意味ないから」
 下着と同じデザインだからだ。二人にしてみるとそうとしか思えないのがブルマだ。
「それにやっぱり暑いわよね」
「重ね着だからね」
「あれは駄目。絶対に駄目よ」
 愛実は首を横に振った。
「問題外よ」
「本当に言うわね」
「まあね。とにかく見せるのは嫌だから」
 透けてもだ。愛実はこのことをとにかく心配していた。
「何があってもね」
「じゃあやっぱり白はね」
「止めた方がいいのね」
「白が好きでもね」
 例えそれでもだというのだ。
「やっぱりそれはね」
「そうなのね。それじゃあ」
 愛実は聖花の言葉に頷いた。そのうえで白いブラウスは夏の間は諦めることにした。そのうえでこんなことも言った。
「元々下着は明るい色が好きだし」
「白とかピンクよね」
 ここでもピンクだった。愛実はとにかくこの色が好きなのだ。
「あとライトブルーに黄色に」
「清潔感があっていいでしょ」
 この視点からもそうした明るい色の下着が好きなのだ。
「特に白ね」
「黒とか赤とか紫は?」
「あっ、ちょっとね」
 そうした色の下着には抵抗を見せる。
「あまりね」
「好きになれないのね」
「そうなのよね。どうしてもね」
 こう聖花に話す。
「それに黒だと絶対に透けるから」
「それはあるわね」
「聖花ちゃんも下着の色そんな感じじゃない」
 聖花にしても下着の色は明るい系だ。愛実はいつも一緒にいるのでそれでよく知っているのである。
「黒とか絶対に駄目でしょ」
「いやらしいでしょ、黒は」
 この理由で好きでないのだ。聖花にしても。
「もう刺激を見せるって感じで」
「よく大人の女の人が着けてるけれどね」
「高校生で黒も」
 それはどうかというのだ。
「やっぱりね」
「でしょ?私もとにかく派手な下着駄目だから」
「清楚系なのね」
「かといって可愛い系とかもね」
 逆にそちらもだというのだ。
「子供っていうか」
「だからなのね」
「うん、それでシンプルで清潔な感じなのがいいのよ」
 愛実は困った、そして水かしい感じの顔で聖花に話す。
「私的にはね」
「愛実ちゃんにはそっちの方が似合ってるかもね」
 それは聖花も言う。
「私もだけれど」
「私のお店も聖花ちゃんのお店も清潔第一だからね」
 このことは愛実の方が確かである。
「下着も気をつけないと」
「清潔第一でしかも見せない」
「そう、見せない」 
 愛実はこのことを確かに言う。
「これも絶対だからね」
「だったら今思ったけれど」
 聖花はここでふと愛実にこう提案した。 
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