ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第三十一話 協力
ゼノヴィアとイリナとの戦いが終わって数日が経った。ある日、闇慈は一誠から呼び出しを受け、駒王学園の近くにあるファミレスに向かっていた。
(こんな時にどうしたんだろう?匙君も呼んでいるって言ってたけど・・・)
ここで紹介に入るが『匙』と言う人物はソーナ・シトリーの『ポーン』で一誠と仲が良い(?)らしい。紹介をしている間にどうやら闇慈は呼ばれたファミレスに到着したようだ。そして中に入り、周りを見渡してみると・・・
「美味い!日本の食事は美味いぞ!」
「うんうん!これが故郷の味よ!」
ゼノヴィアとイリナが食事をガツガツと食べている光景が目に入った。その席の向かい側には一誠。小猫。匙がいた。そのことを確認した闇慈はその席に移動した。
「お!闇慈!悪ぃな、急に来てもらったりしてよ」
「気にしないで?イッセー。まあ内容は何となく分かるけど・・・」
「何だよ?闇慈。お前も呼ばれたのか?」
匙は少し驚いたのか闇慈に問いかけた。
「まあね。そう言う匙君こそ。どうしてここに?」
「俺はこいつから無理やりつれてこられたんだ~~!!!俺は来たくなかったのに~~!!!」
匙は一誠を指差しながら答えた。
「・・・ご愁傷様、匙君。イッセー。本題に入らなくて良いの?」
「ああ。そうだった」
闇慈も席に着き、飲み物を注文すると一誠は本題に入った。
~~~~~~~~~~~~
一誠が闇慈を呼んだのは他でもない『エクスカリバーの破壊』に協力することだった。一誠は祐斗の過去を聞き、眷属として。仲間として見捨てることが出来ないらしく教会の二人や闇慈や匙に協力を求めたみたいだ。闇慈はすぐに承諾したが匙は今一つ納得が行かないみたいだった。
イリナは一誠達の協力を渋ったがゼノヴィアが『悪魔の力ではなく、ドラゴンや死神の力を借りてはいけないと上から言われていない』とイリナを促し、承諾させた。
そしてその後祐斗を呼び出し、今までの経緯を話すと・・・
「・・・話は分かったよ」
注文したコーヒーに口を付けながら祐斗は承認したがどこか遺憾な表情を見せていた。
「やっぱり。『聖剣計画』のことを根に持ってるの?木場君」
イリナが祐斗に尋ねたが・・・
「当たり前だよ」
と即答した。それにイリナが再び口を動かす。
「でもあの計画のお陰で聖剣の研究は伸びたわ。それで私やゼノヴィアみたいに聖剣と呼応できる人が誕生したの」
その事に祐斗が答えようとしていたが、闇慈が口を開いた
「でも。失敗だからと言って被験者を全員殺すことが許されるとは思えない・・・。僕はそう思うよ」
闇慈の答えにイリナが口を困らせていたがここでゼノヴィアが口を開いた。
「その事件は、私達の間でも最大級に嫌悪されたものだ。処分を決定した当時の責任者は信仰に問題があるとされて異端の烙印を押された。今では堕天使側の住人さ」
「堕天使側に?その者の名は?」
「・・・バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれた男だ」
仇敵の名前を聞いた祐斗の目に決意みたいな物が生まれた。
「要するに堕天使を追っていけば、その男に辿りつくことが出来るってことみたいだね」
闇慈は話の要点をゼノヴィアに話すと彼女は軽く頷いた。ここまでの情報を提供してくれた二人に祐斗は自分の情報を出すことにした。
「僕も情報を提供した方が良いようだね。先日、エクスカリバーを持った者に襲撃された。その際、神父を1人殺害していたよ。やられたのはそちらの者だろうね」
この場にいる全員が祐斗の言葉に驚愕した。
「その者はどんな奴だった?」
ゼノヴィアが祐斗に詰め寄った。
「相手はフリード・セルゼン。この名に覚えは?」
(何処かで聞いた名前だな・・・あ!思い出した!あの外道神父か)
「フリード・セルゼン。元ヴァチカン法王庁直属のエクソシスト。13歳でエクソシストとなった天才。悪魔や魔獣を次々と滅していく功績は大きかったわ」
「だが奴はあまりにやり過ぎた。同胞すらも手にかけたのだからね。フリードには信仰心なんてものは最初から無かった。あったのはバケモノへの敵対意識と殺意。そして、異常なまでの戦闘執着。異端にかけられるのも時間の問題だった」
イリナとゼノヴィアの返答に闇慈は少し首を傾げた。
「あの神父ってそんなに強かったんですね?僕と対峙した時はそんな感じはしませんでしたけど・・・」
「あなたはフリードと戦った事があるの?」
イリナの疑問に闇慈が答えた。
「ええ。その時はイッセーやアーシアに酷いことをしていたのでタコ殴りにしました」
「あはは・・・あの時の闇慈は容赦無かったからな・・・」
イッセーが思い出していたのか苦笑していた。その後話も纏まり教会の二人は帰っていった。
「・・・どうしてこんなことしたんだい?イッセー君」
「まあ。俺たちは眷属だし仲間だからよ。それにお前には何回も助けられているからな」
「それにこのまま祐斗を放って置いたら一人で解決しようとするから。その監視も兼ねてかな。祐斗が『はぐれ』とかになってしまったら先輩達もきっと悲しむと思うからね」
闇慈の付け足しに小猫が続けた。
「・・・祐斗先輩。私は先輩が居なくなるのは・・・寂しいです」
寂しい表情を浮べながら小猫が祐斗に近寄った。この時、闇慈の心の中で『何か』が反応した。
「・・・お手伝いします。・・・だから居なくならないで」
小猫の願望に、祐斗は困惑の表情を浮べていた。
(小猫ちゃんは祐斗に願って近寄っているだけなのに、何でこんなに体が反応する?・・・もしかして僕は祐斗に嫉妬してるのかな?)
祐斗は少し笑顔をこぼすと協力してエクスカリバーを破壊することを承諾してくれた。
蚊帳の外だった匙も祐斗の話してくれた過去の話を聞くと男涙を流しながら協力してくれることとなった。
こうしてエクスカリバー破壊団が結成された。
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