インフィニット・ストラトス~黒き守護者~
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混沌化した虚さん
シヴァはどこかに行き、俺はふとコンソールを開く。
そこに記入されている赤色のマーク。そこには俺の切り札が表示されていた。
「実は知らなくもなかったりして………」
『まぁ、私が優秀だということもあるんですがね』
「ああ。お前は優秀だよ。それは俺だってわかっている」
そのためにお前は存在しているんだ。
『おだてているわけではないですよね?』
「なんだったら世界を壊そうか」
『いえ。それも面白そうだなとは思いましたけど、あなたが私をそう思ってくれるだけでいいので』
ここに腐女子がいなくて良かったと思う。
―――コンコン
ドアがノックされたので俺はドアを開けると、そこには痴女がいた。
「どうしたんだ、簪」
「うん。現実逃避をしたいことがまるわかりよ。本当は誰だかわかっているくせに♪」
「現実は非常だな……」
そう言って俺はまだ楯無が入っていないのにドアを閉め、施錠した。
『え? ちょッ!? 何で閉め出すの!?』
「あ、虚先輩? 今御宅の会長がこっちに来ているんですが」
『へっへーん。今回はちゃんと許可もらったもん。あなたが一週間も寝ている間に仕事を済ませたもん♪』
『―――そして行くときは一緒に行くことを約束していたのに抜け駆けですか? 当主としてあるまじき行為ですね』
原因は俺だが、どうやら外は既に混沌化していた。
『ゲッ!? 虚ちゃん………』
『「ゲッ!?」とは侵害ですね。ええ、そうですよ。どうせ私をノロマとか思っているんでしょう? その通りですみませんでしたね♪』
『そ、そんなこと一言も……。それに私はいつも助かると思っているわよ……。だから今回は見逃して?』
『そうですね。会長は今日に祐人を堕とすつもりですからね。どうせなら薫子さんも呼びませんか? 写真係として』
「ちょっと待って! 既に常識を逸脱しそうで怖いんだけど!」
俺は止めるためにドアを開けると、虚先輩がすぐに部屋に入って施錠した。
「………えっと……」
「今は普通でいいわよ、祐人」
「あ、ああ。ただいま、姉さん」
「おかえりなさい。それで、今までどこで何をしていたの?」
「……あ、いや……それは……」
ここで姉さんに話すと計画が無駄になる。だからどうやって乗り切ろうか考えていると、
「まぁ、いいわ。それよりも―――脱ぎなさい」
どこかで聞いたことがあるパターンに俺は唖然とするが、あ、思い出した。
姉さんの顔を見ると、赤かった。
「……酔ってるな」
「酔ってないよ。どうせなら薫子さんも呼んで三人で―――」
「酔ってるよなぁ! 今すぐ酔っていることを認めて携帯電話を渡してくれ!」
「もう、何を言っているのかしらね」
すぐに奪ってなんとか安全を確保すると、現在進行形で酔っている姉をどうしようかと模索していると、
『………何がどうなっているのかしら?』
「やっと入れたわ……」
シヴァと楯無が入ってきた。
■■■
「んで、楯無。今度は何の悪戯だ?」
なんとか寝かせて俺は楯無にアイアンクローをかける。
「………痛いっ!」
「痛くしているからな。仕方がないだろ」
「そういう問題じゃない気がするんだけど……」
とにかく反省の色が見えたので離してやる。
「それで、弁解する気は?」
「……実は、昨日間違えてアルコールを入れた紅茶を飲ませて………」
『いくら祐人が寝たきりだからってこんなときぐらい悪戯しなくてもいいのに………』
まったくもってその通りだった。
ちなみにだが、今は俺と楯無でダウトをしている。
「悪戯は金輪際禁止な」
「えー!」
「そうですよお嬢様。あ、お嬢様ダウト」
………え? いつの間に起きたの?
「って、虚ちゃんいつの間に!?」
「いえ。ちょっとした技能を使えば。祐人、カードを貸しなさい」
その目、笑ってませんよ!
俺はビビリながら姉にカードを渡す。そして楯無は半泣きだ。
「では、脱衣ダウトに興じましょうか」
((ストレス発散する気だ!!))
そういえば、たまに姉さんが俺に愚痴りに来ていたよな。それも全部楯無関連で。
補足しておくが、姉さんと本音はカードゲームとなると敵がなくなる。俺ですら泣きそうになるほど。
「じゃあ、俺はまだ疲れているから寝るな」
「ええ。その間に晩餐を用意しておきますね」
ともかく俺は急いで布団を被って寝た。今の姉とは関わらない方がいい。あれはマジで怖い。本当に怖い。
『実際、どれくらい怖いの?』
(世間では完全無欠と言われた楯無が簪を虐めている男子児童を一瞬に潰すより怖い。おそらく、本性を見せたら泣くのは向こうだと思う)
その後、何があったのかわからないが、エプロン以外はすべて剥ぎ取られて文字通り裸エプロンの楯無がいた。
(何があったんだ?)
『知らない方がいいわよ。今回は』
(じゃあ、無視しておく)
世の中、知らない方がいいこともあるんだ。余計なことを知って死ぬのはごめんだ。さらに補足すると、服はさすがに後で返してもらったらしい。
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