IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光
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無名の有名人 №5
夢を見た。俺は二人の女性と共に近くの綺麗な湖へとやって来ていた
湖には霧が満ちているいた、でもその霧が俺の隣を歩いている女性達の美しさを更に引き立てていた
湖に着くと、右隣に居た銀髪の女性が俺に腕に絡みつくように胸を押しつけてきた。
「フフフッ、やっぱり照れた顔も可愛いわね♪閃輝君♪」
「か、からかうのもやめてください。まったく・・・」
柔らかい感触が腕に触れて、俺は顔を赤くしながら顔を反らすと、左隣に居た緑髪の女性がキスをしてきた
「閃輝君の唇頂き♪」
「ってぇなにするんですか!!!??」
「スキンシップよ♪」
「それはスキンシップを通り過ごしてるわよ・・・後にも私もするからね」
っと銀髪の女性から囁かれて少し背筋がゾクっとしたのは内緒
そして、俺は二人の手と自分の手を繋いで、指を絡ませて
「さっ歩きましょ」
二人は天使のような笑顔を俺に向けてくれた。俺も二人の名を呼んでから歩き出した
二人の・・・二人の名前・・・?
あ・・・れ?二人が消えて行く・・・そして、誰なんだ。この俺を一夏と呼んでくる女性達は?
記憶が・・・散り散りになって消えて行く・・・
「しっかりしなさいよ、彼女は私の完璧な従者なんだから、私生活も完ぺきにしてあげるのよ」
また一つ記憶が消えて行く
「おっ!お前にも恋人が出来たか~。いいねいいね~若いってのは」
どうして・・・?
「私は彼女の親友なんだから、私の親友を泣かせたら私が許さないからね!」
俺の記憶が消えて行く・・・俺の大切な物が消えて行く、俺の人生ともいえる全ての物が消えて行く・・・その上をまったく別の女性達が上書きするかのごとく入り込んでくる
「閃輝君、どうかしら?見た目は悪いけどスコーンを作ってみたんだけど?」
「あら、また貴方から来てくれたの?嬉しいわ、さあいらっしゃい」
「閃輝君これ見てくれる?妹様が書いて下さったのよ。私と閃輝君と自分だそうよ?お嬢様がまるで親子ねって言ってわ。私の子供もこんな風になるのかしら」
「え?これって・・・嬉しいわ閃輝君、プレゼントだなんて・・・」
「ええ?ちょっと恥ずかしいわ・・・ね。・・?」
「ええ・・・でも言ってあげるわ」
「「・・・・・・心の奥底から愛してるわ」」
決して消えないものがあった。もう名前も思い出せないけど、でも彼女たちの笑顔、怒った顔、綺麗な顔、匂い、感触、暖かさ。消えても消えても無限に湧き上がって来た。一夏と呼んでくる女性達はそれを消そうと、自分達を上書きしてくるが、消せない。消せる筈がない、それは無限に生まれてくるのだから。彼女達は僕の記憶を殺そうとしている。でも、彼女達の記憶は僕の生きていた証そのものだ、記憶を殺したいなら俺を殺すが良い。
ドガガァァァァァアアアアン!!!!何の音だ・・・?破滅と滅びの終末を知らせる音か・・・?重くなる瞼を必死に開き、前を見た。そこには一人の男性がこちらに掌を向けていた
「う、嘘・・・たった一撃で神壁防護壁を破ったっていうの・・・?」
「ば、化けm「黙れ!!!!!!!!」・・・!!」
その男性が大声を上げると俺の近くに居る二人の女は震え上がった。良く見ると俺の記憶を上書きしてきた女性じゃないか・・・
「私の事を化け物だろうが、悪魔だろうが、好きなように呼ぶが良い・・・だが」
俺はその人の方を見た。嫌、俺はその男の人の近くに居た銀髪の女性と緑髪の女性を見た。あの人達・・・
「人の人生とも云える記憶、それらを自らの欲求のままに改ざんするなど万死に値する!我が名は覇狼!!貴様らはこの幻想郷を完全に敵に回した。五体満足で入れると思うな!!!魂の存在さえ許さん!!!!!行きなさい二人共!!彼の元へ!!!」
「「はい!!」」
その男性は、俺の近くに居た女性の首を掴むと空へと登っていった。そして俺に沢山の人達がよって来た。それでも俺は先頭を切って近寄って来る二人の女性しか目に入ってこなかった
「「閃輝君!!!!」」
閃輝・・・それが俺の名・・・そうだ、あの記憶の中でも俺は閃輝と・・・確信した時だ、奇跡が起きた。どうしても思い出す事が出来なかった事が。零れてしまった水は戻らない、消えてしまった物は戻らない筈なのにでもでもでもでも、俺の消えてしまった思い出がよみがえる。消えたしまった筈の彼女達の記憶が!!!!
「閃輝君!!待ってて、今鎖を切るから!!!」
「私は槍を抜くから!!!」
二人は俺を拘束していた鎖、槍を撤去してくれた俺は自由となった、そして口を開く
「有難う、咲夜、雛」
そして、俺は彼女達に心配しないでっとだけ伝えて、あの人、覇狼さんの元へと向かった
「消えるが良い!!アブソリュート・ゼロぉぉぉおおお!」
覇狼は腕から、絶対零度を齎す白い冷気のレーザーを放った。それは千冬と束に真っ直ぐに向かっていった。だが途中でそれは何か打ち消された。覇狼は打ち消した犯人を見た、微笑んだ。
「遅いですよ、だから君は甘いんですよ」
千冬と束は何が起こったのか全く理解出来ていなかったが、そこに誰かいた事だけは理解出来た。
そこに居たのは全身が白亜の装甲で覆われている騎士。
膝、腹部、肘、肩にはそれは美しいエネラルドの様な色をした翠玉が埋め込まれていた。白亜の装甲は頭部も包んでおり、頭部には薄い蒼色が掛かった緑の線が入った甲冑をしている。そして、まるで竜を思わせるかのような強大だが優しさをも感じさせる神々しい翼をも有していた。
「へへ、主役は遅れて参上するって奴ですよ」
「その主役を助けたのは私だと言っておきましょう」
その騎士からした声は閃輝の声だった、そう。閃輝が宴会時に覇狼に依頼したのは身体に竜を宿すという大契約。高すぎるリスクと引き換えに得られるのが、竜という自身の相棒と、その竜と一体化する事で辿り着く事が出来る竜騎士の境地。そして閃輝が契約に成功した竜は
『速星竜 ディグレバーン・サルース・ドラゴン』速度を支配し管轄する閃輝の能力と相性が良すぎる竜である。閃輝はゆっくりと千冬と束の方を向いた
「さっきは良くも人の記憶を引っ掻き回してくれたな・・・」
閃輝は腰に差している冥神剣を引き抜いた
「一夏!私だ!さあこの胸に飛び込んで来い!!」
千冬は何を思って発言しているのか、謎の行動を取っている。束はひどく混乱していた
「何で何で何で何で!!?いっくんの幻想郷に関わる記憶は全て消去したのに何で!?そのうえで私の事を上書きしたのに何で!!?何でなの!!?有り得ない有り得ない!!束さんの計算が外れるなんて有り得ない!!!!」
それほどまでの自身の頭脳に自信があったのか、100%を誇っていた計画が破綻し。もう何が何だか理解出来ない様だ
「速度とは流れ、流れとは速度。速度は我の手中にあり。速度とは重さ、重さは速度。重ければ重いほど速度は上がり、速度が速ければ速いほどに重さは上がる。その速度の境地より発現されし剣で、貴様らを敗北へと誘わん」
冥神剣は神々しい光を纏っていく。それは神力の光だった、そしてそれを構え
「速度の神が命ずる、我が領域を汚すのではない!!」
剣を振り下ろした。その光は瞬間的に千冬達を飲み込んだ、そこからは絶叫にも悲鳴にも聞こえる声が聞こえた。そして光が消えると、そこには誰も居なかった。千冬と束はどうなったのか?それを知っているのは閃輝だけ
「終わりましたよ師匠」
「お見事です。では異変解決のお決まり事の宴会をしましょう」
『ふぅ、あの異変から6ヶ月も経ったのか、早いもんだなおい。今日はなんだかそういう気分だから久しぶりに日記を付けてみる事にする。あの異変、幻想異変から6ヶ月という月日がたった。幻想郷に乗り込んできた女達は、2名を残して外界へと送り返した。二度とこっちに来る事は無いだろう。
あれは大変な異変だった主に後処理が。
宴会の時に、閃輝が一人暮らしを宣言した。それに魔理沙は大反対したが俺が後押ししてやりそれを認めさせた。閃輝ももう大人だからな。それで家は無名の丘の咲夜が所有していた家を使わせて貰うらしい。そしてそこに住む事になったのは閃輝だけではなく、ルーミアも転がり込んだ。どうやら閃輝を諦める気は到底ないらしい。それは良いがルーミアが閃輝の式になると言いだした時は大パニックだった。咲夜や雛と弾幕ごっこに発展し、何時の間にか正妻を掛けた戦いに発展してたし。結局の所、正妻は咲夜、第二夫人は雛、第三夫人はルーミアっという事で収まったらしいが、やれやれだ。
そだ、劾と慧音はあの異変の2か月後に結婚した。そして慧音は現在妊娠中。俺が検査した所、妊娠3ヶ月という事が発覚し人里ではそれを祝う宴会が開かれたらしいが俺は参加しなかった、何故かって?紫に拉致監禁されてた
そして、そこへ幽々子と幽香、魔理沙乱入であら大変。俺の周囲もよっぽどカオスだぜ。はぁ・・・胃が痛くなってきた。そうそう、それとだなシャルロットとラウラにも恋人が出来た。
シャルロットのお相手はサッカー異変の時に監督を受けよってくれた外来人だ。なんでも買い物の時に同時に品物に手を伸ばした時に手が触れあったのが始まりだとか。でも恋人というか、ある意味夫婦だけどな。噂だと朝はキスで起こし合っているとかいないとか・・・まあもうすぐ結婚するだろうな
そしてラウラの相手なんだが・・・まさかまさかの霖之助さん。驚いただろ?なんでもラウラは何時の間にか香霖堂の常連になっていたらしく、よく霖之助さんの食事やら店の掃除やらをして上げていたらしい。それでだんだん霖之助さんも好意が湧いたらしくて気付いたら付き合っていたらしい。だがなんというか・・・危険な香りがしそうな感じだ。ま、まあお互いが好きで愛しあえれば問題ないだろ、うん!!
そして、今日も幻想郷は平和だ。その言葉が一番似合うだろう、今日は気分が良い。よし紫の所に行って茶でも啜ろう。』
「やっべ寝坊した!!」
「早く起きなさいって言ったのに」
「しょうがないだろ!!?」
「グダグダ言ってねぇで寺子屋行って来い」
「うへぇ!?もうこんな時間!!?」
「お兄ちゃ~ん。置いてくよ~?」「待ってよ~!」
「おらおら行って来い。速亜、咲輝、雛閃」
「「「じゃ行ってくるね!閃輝お父さん!」」」
「おう!行って来い!!!」
IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光 完
後書き
遂に、飛び立つ光も最終回となりました。いままで、この飛び立つ光を読んでくださって有難う御座いました!
ですが、これで完全な終了という訳では御座いません。次回より!飛び立つ光はサッカー異変編を迎えます!!
まだまだ閃輝達の物語は続いていきますので、応援よろしくお願いします!!!
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