| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

髑髏天使

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十九話 停戦その七


「何もしないのではな」
「待っているだけじゃどうもね」
「そうだ。攻めてだ」
 死神はまた言った。
「そうするか。あの男をだ」
「あの男は間違いなく強大な力を持っている」
「それでもあえてだね」
「諺であったな」
 死神はここでこんなことを言ってきた。
「虎穴に入らずば虎子を得ずだったな」
「危険を冒すだけのリスクがある」
「そうしてだな」
「謎を解くか」
「そうしていくか」
 こうしてだった。おおよそのことが決まった。そのうえでだった。
 牧村がだ。不意に二人にこう言ってきた。
「それでだが」
「今度は何だ」
「それで」
「この顔触れで何処かに行ったことはなかったな」
 死神と目玉を見てだ。そうして話すのだった。
「そうだったな」
「ふむ。そういえばな」
「なかったね」
「何処かに行くか」
 また二人に提案したのであった。
「今からな。それはどうだ」
「悪くないな」
「南港に行く?これから僕達はそうするし」
 死神の仕事の話だった。
「それではだ」
「南港に三人でさ」
「そしてそれからだ」 
 牧村は南港からのことも話すのだった。
「それからもだ」
「南港から何処に行くつもりだ」
「堺か」
 そこだというのだった。
「行ったことはあるか」
「何度かな」
「あるよ」
 死神と目玉はすぐに答えてきた。
「面白い街だな」
「あそこもね」
「そうか、行ったことがあるのか」
「私達もだ」
 死神は今度は目玉も入れて話をしてきた。
「楽しみを見つけたのだ」
「人間の世界にか」
「そうだ、今の人間の世界はだ」
「面白いね」
 そして二人で言うのだった。
「あちこちに行くだけでもだ」
「かなり面白いよ」
「貴様等も同じか」
「我々はそもそもだ」
「考えは人間に近い部分も多いよ」
 そうだというのだった。
「だからだ。こうした楽しみもだ」
「魔物以上に素直に楽しめるんだ」
「それでか」
「そうだ、それでだ」
「僕達は楽しめるんだ」
 また話す彼等だった。そうしてそのうえでだった。二人でだ。牧村に対して言うのだった。
「いいか、それではだ」
「まずは南港だね」
「そこに行くか」
 三人で言い合う。そしてだった。
 三人はまずはその南港に向かった。そしてそこで海の上に来た。港の向こうにあるその海の上にそれぞれのバイクで着たのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧