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髑髏天使

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第四十九話 停戦その五


「あの男が言ってたよね」
「ナイアーラトホテップ」
「あの男か」
「そう、あの男ね」
 その黒衣の男のことをだ。それを話すのだった。
「あの男はただ戦ってるだけじゃないよ」
「目的があるな」
「明らかにな」
「そう、その目的は」
 そのことをだ。目玉は察して話すのだった。
「四柱の混沌の神々だね」
「地水火風」
「その四つの元素のだな」
「そう、まずはその四つで」
 そしてさらにだった。
「あとの二つは」
「原初の混沌の神か」
「その二つか」
「それか」
「確か」
「何かいたね」
 彼等の誰もその名前を思い出せなかった。不吉なもやを感じてだ。それで言うのだった。
「ええと、あれは」
「駄目だな、口に出そうとすると」
「妙に不吉なものを感じる」
「瘴気すらな」
「それによって、どうも」
「まだ言うべき時じゃないのかな」
 目玉も言った。
「そういうことかな」
「そうかもな。それで」
「自然と言葉が止まるのか」
「だが。最後にはだな」
「その原書の混沌とも戦わないとならないな」
 それはわかっているのだった。二人共だ。
「それにあの男ともだ」
「やがては」
「多分。もう少し他の神との戦いがあるよ」
 目玉は自分の予想を話してきた。
「それでそれからね」
「四つの元素の神々と戦うことになるか」
「それから」
「多分、戦いによって生じる膨大なエネルギーの拡散が混沌の神々の封印を解く力になっているんだろうね」
「それは魔神の時と同じだな」
「それとか」
「そう、ナイアーラトホテップはそれがわかってるんだ」
 目玉はまた自分の予想を話してきた。
「それでそうしてね」
「神々を出してきて俺達に向かわせ」
「そのうえでさらに戦わせまた力を拡散させて」
「そうして次から次にか」
「進めていくか」
「頭がいいね」
 ここでは目玉は賞賛の言葉を出した。
「実にね」
「そうだな、考えたものだ」
「我等を倒せればそれでよし」
「倒せなくともだ」
「そこから次の神を出せる」
 徐々に深まっていく、戦う二人は今それを感じていた。
 そしてそのうえでだった。彼等はさらに話していくのだった。
「それに対して俺達はだ」
「戦うしかない」
「そして勝つしかないよ」
 目玉はこうも告げた。
「仕方ないけれどね」
「そうだな。勝つしかない」
「混沌を食い止めるにはな」
「わかりやすいけれど」
 目玉の言葉が続く。 
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